出産は誰のもの?
Xで出産に関するポストの炎上
X(旧Twitter)で、ある経産婦が投稿した出産に関する投稿が炎上した。
こちらの投稿を一部の産婦人科医や助産師が引用しはじめ、大炎上。このママさんは病院や自宅の住所まで特定されたらしい。
「美味しい食事やエステを提供する産院より、総合病院や周産期医療センターで産むほうが安全」「個人産院はやぶ医者だ」「分娩や無痛の費用をタダにしろなんてワガママだ」とかいうコメントが集まっていた。
↓以下私が気になった医療従事者のポスト
私の分娩施設選び、出産にかかった費用
私が妊娠してから思ったこと。結局分娩をする病院は、自宅から近い病院の中からしか選べないということ。私は比較的都市部に住んでいたのでいくつか選択肢はあった。市中の安い総合病院から24時間無痛分娩可能で全室個室の高級な個人産院まで。とりあえず無痛分娩ができることを最優先に、そして緊急時に搬送される必要のない総合病院を選んだ。
正直、個人病院(産婦人科のみ)の豪華な食事やエステのようなサービスはすごく羨ましい。首都圏の病院にはほとんどそういうサービスがない。出産一時金50万円を払っても、まだ数十万円足りない。1人目のときは一時金に加えて約50万支払った。いわゆる「手出し」というやつ。予想外に高額だったため、夫と割り勘にするか、全額私が払うか喧嘩になった。
無痛分娩、大部屋、ごく普通の食事、ちょっとだけ豪華なお祝い膳。約1週間の入院で赤ちゃん1人産むのに出産一時金と合わせて約100万円かかった。果たしてそれが妥当なのか、高額すぎるのか、わからない。ただ、私の家計には負担が大きかった。もう少し安くして欲しいと思った。入院から出産当日まで、大勢の先生たち、看護師さん、助産師さんたちが交代で私の出産を見守ってくれた。無事に赤ちゃんを産むことができ、産後の経過も良好だった。それは本当にありがたいことだ。
地方の出産費用は安い
一方で地方の出産費用はとにかく安い。たとえば熊本で産めば36万円で済む。一時金の50万からおつりがかえってくる。本当に羨ましい。土地/人件費/物価が安いからなのか、こんなにも出産費用に差があることに驚いた。同じ日本なのに。
首都圏で産もうとしたとき、豪華なお祝い膳やエステをつけなくても、普通の病院だとしても、出産費用はどこに行っても高い。おそらく一時金の50万円だけで収まるところはないだろう。
無痛分娩は贅沢なのか?
「そんなにお金が惜しいなら、まず無痛分娩を我慢すればいいじゃないか?」と言われるかもしれない。たしかについ最近までは、出産の痛みを我慢するのが当たり前だった。「陣痛の痛みに耐えてこそ母」「無痛分娩は危険」とか色々言われてるけど、私はお金で解決できるならそんな辛い思いはしたくなかった。欧米では無痛分娩が当たり前。手術で全身麻酔や局所麻酔を使うのは当たり前なのに、なぜ出産の麻酔だけが贅沢品なのか理解できない。
【まとめ】出産は私のものだ。それぞれの出産があっていいじゃない??
1人の経産婦のつぶやきで、「俺たちの社会保険料がこんなふうに使われてるなんてふざけるな」「産褥婦にこんな豪華な食事はいらない」「周産期医療センターや、総合病院を選ばないのはおかしい」だの、やいのやいの言われて出産そのものが炎上した。結局赤ちゃんを産むのは1人の女で、お金を払うのも産んだ女とその家族なのに、関係ない人たちが大騒ぎしていて不愉快だなと思った。
妊娠初期のつわり、約10ヶ月の体の負担、出産そのものへの不安や、仕事との両立からくる精神的ストレス、どれも誰も肩代わりしてくれるわけではない。どんなにお金を払っても、つわりや不安はなくならない。誰かに押し付けることもできない。1人の女がずっとずっと我慢して、ようやく赤ちゃんは産まれる。
「出産はあんたらのもんじゃないんだ。わたしのもんだ、外野は黙ってろ」…と言いたくなった。
妊娠出産は人間みんなができること、最近の妊婦はクレクレ乞食だなどと、軽々しく語られ、出産の費用やうわべのサービスだけが浮き彫りになった。産褥婦が豪華な食事を食べれば世間から疎まれる。つらい出産をタダにしてほしい!と言えば叩かれる。日本という社会のなかで、やはり女性の尊厳は軽んじられている。そういう社会のなかで、女性が安心して妊娠することはできないし、赤ちゃんを沢山産もうとは思えない。まあ、このままだと今後も子供は増えないよね…と思った。
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