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雑記

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記事一覧

音楽を美しいと感じられる人間でよかった
そこには救いがある

村上春樹

湿っぽい話でうずくまったときは、決まって村上春樹を読む

それは思春期に培った知恵であり癖だ

ものすごく久しぶりに村上春樹を読むと、身体が覚えている

細胞が歓喜の声を上げる

細胞の間に豊かな水が満ち満ちて、それに浸りながらうっとりとした気分になる

これはもう細胞に刻まれた決まりごとのようなものだと思う

話に書かれていることが特別ためになるとか、とある表現に心打ち震えるとかいうわけではない

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喘鳴

昨年は多くの良い詩と出会いました。
谷川俊太郎『六十二のソネット』より、とびきりのお気に入りを紹介させてください。



沈黙と静寂は似て非なるものである。
楽譜にかかれた休符は、休みを意味しているのではなく、音の不在という音楽である。

「沈黙は肯定とみなす」という表現があるように、沈黙は暗示的である。その意図するところをはき違えるおそれに足をすくませながらも、私はあるいは沈黙という仕方で

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梓弓に寄せて

何となく語感が良くて好きなのですが、内容はなかなかに重たい和歌についてです

1.あらたまの年の三年をまちわびて今宵こそ新枕(にいまくら)すれ

現代語訳は
「(三年間という)長い間(あなたが帰ってくるのを)わびていましたが、ちょうど今夜、他の方と初めて枕を共にするところです 」

「にいまくら」という単語の艶かしさが印象的です
待ちくたびれた女性の諦めと引きずった恋心が窺えます🥲

2.あづさ

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厄祓いに行ってきました

厄祓いに行ってきました

昨年末から色々とあり、身内からの勧めもあったので、ついに厄祓いに行ってきました!

まず、神主さんおじいちゃんだとてっきり思ってたらとてもかっこいい女性の方でした🫶
御社殿の厳粛な空気や神主さんの洗練された佇まいに恐縮しつつも見惚れました……

パスポートの手続きとかもそうなんですけど、その道のプロが何かしらの手続きを、一切の無駄な動きなくてきぱき進めていく動作を見ると、昔から脳みそが興奮する性

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永遠に埋まらない魂の距離について

肉体的接触による満足は、精神的隔たりを十二分に満たしてくれる、と思う
それでも、その寂しさを補ってもまだあまりあるこの不満足感はいったいどこからくるのだろうか

人はなぜ永遠を求めるのか、少しわかる気がする
もし悠久の時間、魂まで溶かして触れ合うことが叶うならば、そのとき本当に満たされるのではないか
人はなぜ魂の存在を信じるのか、少しわかる気がする
明日に離れ離れになってしまうとして、それでも今日

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