村上春樹

湿っぽい話でうずくまったときは、決まって村上春樹を読む

それは思春期に培った知恵であり癖だ

ものすごく久しぶりに村上春樹を読むと、身体が覚えている

細胞が歓喜の声を上げる

細胞の間に豊かな水が満ち満ちて、それに浸りながらうっとりとした気分になる

これはもう細胞に刻まれた決まりごとのようなものだと思う

話に書かれていることが特別ためになるとか、とある表現に心打ち震えるとかいうわけではないのだが

強いて言えば、彼の文体に味を占めているのだと思う

あの、独特の、なんとも言えない文体

それが私はいっとう好きで、好きだから嬉しくて、考えるより先に細胞が喜ぶ

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