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【2023/11/25】ミュージアムグッズ愛好家の頭の中「100円ショップでも買えるアートグッズに対して、ミュージアムグッズはどう差別化していく?」

皆さんこんにちは、ミュージアムグッズ愛好家の大澤夏美です。

先週更新できなくてすみません!!!インフルエンザ家庭内感染で屍になっておりました。
夫と娘はめっちゃ軽症で、特に夫は無症状でした。一方の私は悲惨。高熱、頭痛、腹痛、下痢、咳、のどの痛み、鼻水のフルコンボだドン!状態でした。

特に頭痛がめちゃくちゃつらくて、薬が切れて熱が上がるタイミングで出てくる頭痛がこれまでにないほどの痛みでした。皆さんもどうか体調にはお気をつけて…。

さて。まずはお仕事の紹介です!

お仕事① ミュージアムグッズの展示販売イベントに監修で参加

2023年11月25日(土)から2024年1月31日(水)まで、銀座にあるMMM メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンドにて、ミュージアムグッズの展示販売会が開催されております!

こちらに私は監修で参加し、全国のミュージアムの学芸員さんが選んだミュージアムグッズと一緒に、私のおすすめグッズも並びます。参加ミュージアムはこちら↓

①モエレ沼公園
②府中市美術館
③鳥取県立博物館
④福岡市美術館
⑤熊本市現代美術館

2024年1月には、ゲストもお招きして、ミュージアムグッズにまつわるトークイベントも開催します!
日にち:2024年1月19日(金)
※無料(オンライン配信予定)

詳細は随時私のSNSやこちらでご紹介します!

お仕事② TBSラジオ「アフター6ジャンクション」出演!

今週2023年11月20日(月)のTBSラジオ「アフター6ジャンクション」に出演いたしました!

アトロク、放送時間が変わってから初めての出演だったのですが、YouTubeでも放送が見られるのはうれしいですね!!特にミュージアムグッズはモノを見せられるので、皆さんに共有できるので楽しい。

下記リンクより、放送見られますので!どんなグッズを紹介したのか、是非皆さんお楽しみください。

お仕事③ STEAM教育がテーマのシンポジウムに登壇!

大阪市立自然史博物館を会場にしたシンポジウムに登壇します!

自然史博物館と美術館の連携や、STEAM教育と博物館教育の可能性について事例紹介が多々ございます。ゲストの皆様のお話が楽しみ!私も準備しなくちゃ!

後日オンライン配信も予定しているとか。お申込みはこちらから↓

100円ショップのアートグッズ⇔ミュージアムグッズ

今週も「ミュージアムグッズ愛好家の頭の中」を垂れ流していきます。よろしければ最後までお付き合いください。

最近すごく気になっているのが、100円ショップや3COINSなどで埴輪や土偶をモチーフにした商品、あるいは名画をモチーフにした商品が結構出てきているなということ。ミュージアムグッズが市場として認知され、学術的なモチーフでも売れると判断されたということでしょうか。

でもそうなるとやはり気になるのは差別化。「100円ショップの商品でいいじゃん」となれば、ミュージアムショップとお客様の奪い合いになってしまいます。価値をどこに置いて差別化を図るのかが、ミュージアムショップ側にも必要になってきます。


このブームはいつから?

もうちょっとこちら調べていきたかったのですが…「オズマガジン」2021年2月号の特集内にて、「分析力に拍手喝采!読むほど楽しい文具進化論」という企画ページがあり。ブングジャムの皆さんが2020年の文房具のトレンドとして「博物館文具」を挙げておりました。

この頃は、埴輪の指サック「はにさっく」が2020年に初登場し、2017年に発売開始した森羅万象をモチーフにした「大人の図鑑」が人気になってシール以外にも展開を始めた頃ですかね。ここから少しずつ博物館に収蔵されるような資料をモチーフにした文房具が市場を広げたのでしょうか。

個人的にはね、全国の博物館の収蔵品を順次シールシートにしていくシリーズ企画とかやりたいんですよね。一緒にコラボしてくれるメーカーさん随時募集中です…!!

マーケティングにおける「3つの差別化軸」

しかしですね、100ショップで販売されるようなアートグッズに対して、ミュージアムグッズが価格で勝つのは大変難しいです。

理由はロット。基本的にミュージアムショップが販売場所なので、館内に在庫をたくさん抱えられないんです。最近では小ロットでモノづくりができるメーカーさんもだいぶ増えてきましたが、それでも小規模館ではロット100個以上とかでも十分厳しい。

大型の企画展で集客を見込めるのであれば、予算をかけて思い切ったオリジナルグッズ開発もできるでしょう。でも全国の博物館のほとんどが中小規模の博物館。人気の大型企画展が巡回しない博物館の方が多いんです。

そうなると新規でミュージアムグッズを開発する機会自体が貴重ですし。日本全国に店舗があって、何百個というロットで物を作っても売り切ることができて、大量ロットなので低価格で売れる100ショップには敵いません。

で、どうするか。

私が参考にしたのは「3つの差別化軸」。佐藤義典氏のマーケティングにまつわるメールマガジン「売れたま!」で以前記載があったのを思い出したのでした。

学生の時にも、上記メルマガをベースにしたこの本を読んだ記憶が。

佐藤氏によると、

戦略の基本は「強みを活かして戦う」ことです。要は「差別化する」ことですね。通常は「強み」を使って「差別化」しますので、「強み」と「差別化」は同じ概念として「強み・差別化」と呼ぶことにしましょう。
さて、「強み・差別化」というと無数にあるように思われるかもしれませんが、実は大別すると3つしかありません。その3つを私は「3つの差別化軸」と呼んでいます。
これは私のオリジナルではなく、ウィアセーマ氏らの著作から着想を得たものです。
3つの差別化軸は、以下の3つです。
1)手軽軸:他社よりも早い、安い、便利で差別化
2)商品軸:他社よりも高品質、最新技術で差別化
3)密着軸:他社よりも「個別」ニーズに応えることで差別化

それぞれ、お客様のニーズに応える、ということでは同じです。応えるニーズが違うわけです。

売れたま!データベース(β)「3つの差別化軸」

とのことで、この3つの差別化軸をベースにミュージアムグッズの差別化について一緒に考えていきましょう。

1)手軽軸:他社よりも早い、安い、便利で差別化

こちらが先ほどから話題に挙げている、100ショップや3COINSのグッズが当てはまるかもしれません。

デザインとしてはすごくシンプルで、著作権の切れた(所有権等は要確認)名画などを使用した雑貨が多いですね。

ある程度のトリミングはなされていますが、私の印象では「名入れ」などに近く、初期のミュージアムグッズで作品を既存の商品にそのままプリントしたような雑貨が手に入りやすくなったということでしょうか。

いずれにせよ、「うちの所蔵品で一番有名なやつをひとまずクリアファイルにしてみた!」だけでは、世界的に有名な作品が印刷されており、より低価格な100ショップ等に軍配が上がりそう。ミュージアムグッズとして成立しなさそうな未来がちょっと見えてきます。

ではミュージアムグッズはどう差別化していくかを考えると、この後ご紹介する商品軸、密着軸が重要になってくるのかもしれません。

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