過去への旅

大器晩成型で、90歳まで生きるね。

手相占いでさらっと言われたこの言葉が、魚の骨のようにちくっと刺さって、なかなか消えません。

記憶力がよく、昔の思い出したくもない記憶まで綺麗に、そして鮮明に覚えている。
その記憶は良くも悪くもわたしの調子を崩し、時にそれが死への憧れを強くする。

こんなにも「記憶」に縛られ、簡単に「過去」へとタイムスリップしてしまう。

どうでもいいあの人の言葉や、その仕草。
表情や態度。場の雰囲気…。

挙げ出したらキリがない。

LINEの文章やメールの文章すらも、一瞬でフラッシュバックしてしまう私は、いつになったら自由になれるだろう。

過去に囚われず、自由に生きたい。

縛られず、楽に。

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「大器晩成」ってよくできた言葉ですよね。

誰かと比較するものではない。
自分さえ、楽しいと思える人生さえ送れれば。

そんな楽観主義者にわたしはなれない。

「なんで生きてるの？」

そんな問いを毎日自分にしては、突然訪れる「過去」への旅を恐れている。

明日こそフラッシュバックが起きませんように
そんなことを祈りながら、わたしは90歳まで生き延びちゃうのかな。

こんな絶望しかない世の中なのに。