不要不急小説連載空間

誰もが知っているが、誰もが知らない、社会の裏を司る存在。 小説を通して、それを目指して…

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誰もが知っているが、誰もが知らない、社会の裏を司る存在。 小説を通して、それを目指しています。

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エッセイ『ff7リバースは「原作」の時点で失敗している』

『ff7リバースは「原作」の時点で失敗している』というタイトルなわけですけど、それは別段、売れる・売れないか、をもってして失敗云々、と言いたいわけではないです。 売れた、としても、「間違った成功体験」になるかもしれないし。 売れなかった、としても、「間違った失敗体験」になるかもしれないし。 僕が失敗している、と思う個所は、ストーリー部分であって、かつ、現実の時流とピントがズレている部分をもって、失敗の定義としています。 端的に言えば、ライフストリームという、「なんでもあ

    • 最終小説『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』あとがき

      お疲れさまでした。 この小説は、目次一というペンネームはおろか、僕個人としても、最後の小説となります。 Twitter上のモーメントに収められている第1小説『私クレジット』から第7小説『禁書・クラウド・ファンディング』、そして、noteに場所を移し、2ndシーズンとして書かれた、第一小説『尼の泣き水』、第二小説『レベルE--安楽死remix』を含め、本当に最後の小説です。 これをもって、小説家としては断筆、となります。 コンセプトは、二つ。 一つは、多様性に対する相対的反発で

      • 『全自慰文掲載又は、個人情報の向こう側又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その15~最終章~

                     第一章 【彼は目を開けた。 この数日で、彼の髪の毛、髭、爪、すね毛は、少し伸びた。 そして、にきびが一つ、ぷつんと、出来ていた。 が、誰もそれに気づかなかった。 それが彼の偽りない唯一の創作であった。】(了)

        • 『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その14

                          Ⅰ-4-1 もう、俺は幽体離脱、だっけ? えーっと、違う、臨死体験、いや、それも違うのか、とにかく、幽体離脱は出来ない体になっている。 ――意識が戻った、ってことだ。 ……あーあ、もう、山を超えたんだ(「越えた」の誤変換)だろうなぁ。 …もう、死ぬチャンス、逃しちゃったのかぁ。 そう気づけば築く(「気づく」の誤変換)程、目を開けたくない気持ちで一杯になる。 両親が、いるのみ。 姉夫婦はいない。 ナースが二人、意思(「医師」の誤変換)が、一人

        エッセイ『ff7リバースは「原作」の時点で失敗している』

        • 最終小説『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』あとがき

        • 『全自慰文掲載又は、個人情報の向こう側又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その15~最終章~

        • 『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その14

          『全自慰文掲載又は、個人情報の向こう側又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その13

                    Ⅲ-7 オナニズム論⑦ 本当に、なぜ、神様は、「射精」という現象に、「破壊と再生」という生理的仕組みを導入したのか、今もって不可解である。 持続的な多幸感に満ち溢れたものであったら、よかったのに。 持続的な明るさが得られるものだったら、よかったのに。 持続的な清々しさを取り戻せるようなものだったら、よかったのに。 射精後、というのは、実は、少しも多幸感に満ち溢れたものではない、とは以前言った通りである。 「全てが無駄になった」と思う瞬間である。 射精後の

          『全自慰文掲載又は、個人情報の向こう側又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その13

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その12

                      Ⅱ-4 私のアトリエ④ 寝ては、だめだ。 今日は、久々に姉が来るのである。 母はよく、 「お姉ちゃんは、はじめと会話していると、癒されてるんだと思うよ。じゃないと、わざわざ嫌いな管理人(父親)がいる、気まずい家に来ないから」 と言っていた。 実際、帰り道を、駅前まで送ってあげると、毎回、姉は嬉しそうではある。 だとすると、姉を「明るく迎える」ためには、ヘパリーゼを過剰ドーピングしてでも、起きていなければ。 ここまで、わざとらしく、「中断」という概念

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その12

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その11

                        Ⅰ-3-1 三回目の、体外離脱。 「血圧が急激に下がってきています」 と先生。 「はじめ、しっかり!」 と自分の耳元で、母が、必死の形相で、叫んでいる。 次いで、普段、ろくすっぽ会話を交わさない父に向かって、母が、「――あなたも、言ってやって下さい。耳は最後まで生きてる、って言いますし、むしろ、嫌な相手から声かけされた方が、はじめも、死ねない、って思うでしょうから」 ――分かってんねぇ、さすが、母。 それを受けて、 「はじめ、信者(「死んじゃ」

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その11

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その10

                    Ⅲ-4 オナニズム論④ いよいよ、本題に入っていく。 「多様性」の皆さんも、準備はよろしいだろうか。 さて、「性器期」、と一口に言っても、「精通」前後の最初期は、「射精すること自体」に、その「物理的快感」自体に「性的快楽」が集中している時期である、と括った方がより正確なのである。 この最初期は、「生殖としての性行為」や「社会的通過儀礼としての性行為」や「現実の女性に対する性的欲求」などと、必ずしも結びつかない。 それぐらい、「射精する」という「現象自体」

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その10

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その9

                    Ⅱ-2 私のアトリエ② 体内時計的に、午後1時半頃か、一階のリビングから、父親の怒鳴り声が聞こえた。 嫌でも、悪夢の昏睡状態から、呼び戻される。 重く、だるい、昏睡状態から無理矢理、自身の体を起こさせて、一階のリビングに行くと、扉が開きっぱなしになっている。 父の姿はもうない。 駅前のイオンで、プールや太極拳やラテンなどの趣味活動と、俺たち、息子である俺と食事も作らない父親のための朝・昼・夜用の食事と日用品の買い出しを自転車で終えたばかりの母親が、2本

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その9

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その8

                        Ⅰ-2-1 気を失った、と思ったら、その病棟のホールに、いるではないか。 はい。 ええ。 ……恥ずかしいですよ、ちゃんと。 ベッタベタですから、そりゃ。 その病棟のホール、というのか、病棟の待合室? というのか、ええい、もう知らん、正式名称などは知らんが、そこで、姉夫婦が肩を抱き合って、しくしく泣いている姿を、発見したのである。 ……だから、恥ずかしいですよ、ちゃんと。 ベタ過ぎますから、そりゃ。 父と母の姿はない。 自分は、自分の病室に戻らな

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その8

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その7

                      Ⅲ-3 オナニズム論③ 最後に、『心理性発達理論』を、大まかに紹介しておこう。 ①「口唇期」・・・これは、赤ん坊が母のおっぱいを吸って得られる「性的快楽」の時期のことだ。 弟子筋のラカンさんは、この体験を『享楽』と呼んだ。 しかし、離乳の瞬間が、訪れる。 そのために、「泣く」という「言語活動」が生じる。 かつ、「おっぱいを吸っていたい」という欲求それ自体と、「おっぱいを吸わせて下さい」という意味での「泣く」≒「言語活動」との間にも、差がある。男性に

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その7

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その6

                     Ⅲ-2 オナニズム論② 私はひとまず、「オナニズム」(自己完結的な自分の世界での充足が人生の目的になっていること)の定義を、「人類的なオナニズム」と、「男性的オナニズム」という二つに分類しようと思っている。 前者の「人類的オナニズム」とは、全年齢・性別問わず、全ての人類の活動の底に潜む『「幼児的な欲求」の充足』のことである。 「幼児的な欲求」の定義は、「他者を排除した、自分の生理上・感覚上、最も快適な時空間で、何度も同じことを繰り返すことの快楽」であ

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その6

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その5

                       Ⅲ-1 オナニズム論① 生理的・感覚的な正しさは、思考に先立つ。 この考察は、「人それぞれ」や「多様性」という言葉に拒否反応を示している者の、生理的・感覚的は反抗である。 「多様性」を、全世界的に広める前に知るべきことがある。 それは、男性が持つ、「男性性」というものの本当の正体と、「オナニズム」(自己完結的な自分の世界での充足が人生の目的になっていること)の正体である。 私は、2023年に入ってから、「男性性」というものの本当の正体と、「オナニ

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その5

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その4

                     Ⅱ-1 私のアトリエ① もう、「ここ最近」が判別がつかなような酷暑日続き、かつ、昏睡状態の最高潮である正午頃に限って、インターホンが鳴る。 「目次さん、目次さーん!」 自治会関連の人の来訪である。 ちっ、と思う。 と同時に、しまった! 雨がもう、降ってきたのか? 洗濯物を入れなければ、とも思ってしまう。 脂汗を拭い、昏睡状態から自分の体をなんとか起こさせようと、必死で努力する。 ここ連日、これだ。 自治会長に担ぎ上げられた当人である父が外出している時

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その4

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その3

                          1-3 自分の意識、というか、自分の視点、というのか、それは、部屋の中央の布団で寝ている自分自身の体に宿った。 微動だに、できない。 さっきの三途の川のキャストは、もういない。 これはもう、臨死体験じゃなく、夢の世界だな、と気づく。 永遠の日曜日、といっていいぐらい、自分の部屋には、まばゆい日差しが差し込んでいる。それなのに、クーラーが、つけっぱなし。 ――頼む、誰か、止めてくれ。 もったいないから、電気代が、ほんとに。 包丁で喉を刺した時、

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その3

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その2

                         Ⅰ-2 暗闇をかき分け、だんだんと、光の世界に近づいた、と思ったら、……認めない、自分は、認めないぞ、こんな、恥ずかしい、ベタな展開は。 でも、事実だから、仕様がないか。 例の、よく聞く、三途の川じゃん、本当に。 ……なんて、凡俗さ。 ……なんて、恥ずかしさだ。 ……こんなさ、ベタな想像力しかねぇのかよ、自分の頭には、結局。 川が流れていて、そこに、一本の橋がかかっている。 橋の向こうは、光に満ちた、幸福そうな、花畑が拡がっている。 だけど、

          『全自慰文掲載 又は、個人情報の向こう側 又は、故意ではなく本当に失敗し、この世の全ての人間から失望されるために作られた唯一の小説』その2