コーヒーを美味しく淹れましょう! (その3)
さて、今回はいよいよ緊張の時間!ドリップをしていきます。
前回、
・微粉とシルバースキンを飛ばして、ドリッパーに入れた豆
・新鮮な水(お湯)
を用意していただいたと思います。
そして、サーバーとコーヒーカップにはお湯が入っている…という状態だと思います。
今回の目次は
① ドリップポットは必要か
② ドリップのイメージ
③ お湯の温度について
④ ドリップ(蒸らす)
⑤ ドリップ(落とす)
⑥ ドリップ(終わり)
⑦ 淹れた後、ちょっと観察
です。
では、いざ参りましょう!
コーヒーを美味しく淹れましょう!(基礎編その3)「ドリップしよう」
① ドリップポットは必要か
ところで、なぜ「沸かすものとは別にドリップポットを用意してください」、とお願いしたのか。
理由は2つあります。
・お湯の温度を下げるため
・ドリッパーに注ぐお湯をコントロールするため
です。
特に2つ目はコーヒーの味を決定づける大事なことにもかかわらず、普通のケトルでは難しいことです…。
なので、ドリップポットは絶対に必要な道具です。
② ドリップのイメージ
実際にドリップをする前に、ドリップのイメージを作っておきたいと思います。イメージって結構大事ですよね…。
まずは基本。
・丁寧に、ゆっくり
・もったいない!という感情を捨てる
しつこいですよね。でも、それくらい大事なことなんです…。
そして次です。
コーヒーを淹れるというのは
「お湯を使って、エキスを抽出する」
ということです。
そして抽出は、お湯が豆に吸収され、
豆の中のガスと共にエキスが吐き出される
という流れで起きます。
つまり、呼吸と同じイメージですね。
つまり、速く乱暴にお湯を注げば、豆は溺れて窒息してしまいます。
また、微粉が残っていてお湯の「抜け」が悪くても窒息しますよね…。
ドリップのイメージは、「窒息させない」
これが一番大事です。
そのためには、注ぐお湯の量をコントロールする必要があります。
ドリップポットは、そのために口が細くなっています。
また、ガスは豆を挽くとどんどん抜けていきます。
コーヒーは挽きたての豆で淹れなくては美味しくならない、というのは、この辺りにも理由があるのです。
③ お湯の温度について
お茶も、熱いのお湯で淹れるとキリッとした苦みが、ややぬるめのお湯で淹れると甘みが強調されます。
コーヒーも同じイメージで良いと思います。
基本的な考え方としては、
高めのお湯→酸味や苦みが出やすい
低めのお湯→甘みが出やすい
ということになります。
ただ、
温度が高すぎるとえぐみまで抽出されてしまいます。
温度が低すぎるとエキスが抽出されず、水っぽいコーヒーになります。
ですので、
苦みを強く出したければ、ケトルからドリップポットにお湯を移して一呼吸置いたら
甘みを強く出したかったら、お湯を移してゆっくり20数えてから
または
ケトル→ドリップポット→ケトル→ドリップポットとゆっくり2往復させて一呼吸置いたら
がだいたいの目安になります。
個人的には、深煎りコーヒーはもう一呼吸置いて温度を気持ち下げた方が、甘みを楽しめるのでお勧めです。
実は、これはあくまで一般的なお話で、ゲイシャ種やワイニープロセスなど特徴ある豆の場合、個性を引き出すにはもう少し知識が必要です。
コーヒーの世界は奥が深い…。
それは、いずれ「ちょっと上級編」の記事で触れていきます。
④ ドリップ(蒸らす)
さて、いよいよドリップです。
まずは…「蒸らし」と呼ばれる作業をします。
蒸らすというよりも
「豆にお湯を吸わせて、目覚めさせる」
というイメージですね。ですので、
全体がしっとり湿る程度に
ゆっくりお湯を回しかける
ことが大事です。
焦ってバシャバシャお湯を注ぐと、豆が窒息して台無しになります。
さて、お湯を注ぐと泡が出て、豆が膨らんできます。
これは、豆がお湯を吸ってガスを吐き出しているのですが、ここで
ボコボコ大きな泡が出ていたら、豆が「熱い!」と言っている
泡が出なかったら、「ん?ぬるいよ?」と言っている
と考えてください。
温度は高いのに泡が出てこないし、豆が膨らむ気配もないのは、焙煎から日数がたちすぎて鮮度が悪い証拠です。
エキスが出ないので、美味しく淹れることは難しいでしょう…。
泡の出方は、
焙煎度(浅煎りはきめ細かく多め、深煎りは粗めで少なめの泡)
鮮度(煎りたての方が泡は出やすい)
で違うので、泡の「量」では適温かどうかの判断は難しいです。
ボコボコ出たり、全く出なかったりしない限り、大きな問題はないと思って良いでしょう。
豆にお湯を含ませたら、泡の出が落ち着くまで待ちましょう。
落ち着いたら、蒸らし作業は完了です。
⑤ ドリップ(落とす)
では、いよいよコーヒーを落としていきます。
ここでもポイントは、
お湯をゆっくり回しかける
ことです。
中心から外側に、「の」の字を描くようにお湯を含ませていきます。
全体にまんべんなくお湯が注がれ、下に抜けていく量と上から注ぐ量が釣り合っている状態が理想です。
ドリップがうまくいっている時には、表面が泡で覆われています。
(呼吸がうまくいっている証拠)
ちなみに、大体の目安として
元々コーヒーが入っていたラインから1センチ以上泡の位置が上に出ていたら、お湯を注ぐスピードが速すぎ
です。
つまり、豆が浮いてくるような状態はダメということですね。
こうなると、どんどん泡も消えていくので見た目でも変だな、と感じます。
⑥ ドリップ(終わり)
ドリップをいつやめればいいのか?というところですが、
サーバーを使っていれば人数分の目盛りがついているはずなので、そこでやめればOKです。
それ以外にわかりやすい目安として、
表面を覆う泡が減ってきた
というのが、ドリップ終了の合図です。
減ってきたなーと思ったら、すぐにドリッパーを外してしまいましょう。
ここでまだコーヒーが落ちていても、全部出し切らないようにしましょう。
もったいない!と思うかもしれませんが、
最後の方はエキスではなくえぐみの塊
です。
⑦ 淹れた後、ちょっと観察
美味しく淹れることができたかどうか、ちょっと観察してみましょう。
まず、ドリッパーですが…。
豆の表面が、ドリップ前と同じように平ら
であれば合格です。真ん中がぼこっと凹んでいるのは、お湯を注ぐスピードが速かったということです。
おそらく、コーヒーが水っぽくなってしまっています。
ちなみに、
表面にキラキラした泡がしばらく残っている
状態であれば、完璧なドリップをしたと胸を張って良いでしょう!
また、サーバーのコーヒーですが、
ちょっと日にかざしてみて、透明感があれば合格です。
美味しいコーヒーは、日にかざすとクリアな琥珀色に見えます。
ちょっと長くなりましたが、これで美味しいコーヒーを淹れることができるはずです。
やってみるとちょっとコツがいるところもありますが、できるだけ見た目など感覚的にわかる形で書いたつもりなので、練習してみてくださいね!
最後に…美味しく淹れることができたコーヒーは、鼻に抜ける香りがよく、味がクリアですよ!
皆さんがその満足感をおうちカフェで味わえますように!
次回以降は、お勧めの道具について、豆の選び方や淹れ方のもう少し上級テクニック、各国のコーヒー豆の紹介などをしていきたいと思っています。
また、機会を見てドリップの動画を投稿しようかな…とも考えています。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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