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宇宙戦艦ヤマト2202(白色彗星帝国ガトランティス編)【私はアニメ感想で戦闘力を各段に上昇させる。その無駄話をあと2回も残しているのだ。その意味が分かるな?】

まさか続編の解説も行うことになるとは。
というわけでリメイク版ヤマトの続編を紹介します。

まず初めに言っておきたいことがあります。
旧作とリメイクに共通することとして。
白色彗星帝国はとてもじゃないが彗星には見えません。
どう見ても白色矮星です。

がしかし「矮星帝国」だと強そうに感じられず世界観がぶち壊しになるので、仕方なかったのでしょう。
これずっと言いたかった。気が済みました。
なんで誰も指摘しないのだろう? 

そういえば白色矮星は一型超新星爆発を割とコントロールできそうなタイミングで自由に起こせるので(他の恒星とくっつけるだけ)
超未来では現在の核兵器みたいな扱いを受けるのかもしれませんね。

しかし。
白くて複数段階変身して強くなるラスボス。
どっかで観たことあるんだよな。

まあいいか。

旧作においては「さらば宇宙戦艦ヤマト」と「宇宙戦艦ヤマト2」の2ルートに世界線分岐していた作品です。
「さらば~」の方では最後にヤマトが特攻してしまうというエンディングが物議をかもし、さらに続編が作れないじゃないかという大人の事情も相まって、改めて生存ルートを作り直すことになったのが「ヤマト2」でした。

この辺は幼児期に観ていたと思うのですが、ようつべ動画で確認したら「ヤマト2」ほぼ覚えていませんでした。記憶にあるのと違う気がする。
まあ、そんなものですね。

一方「さらば」の方は単品映画ですので、再放送で何度か観た記憶が濃厚です。
特攻エンドですが、やはり時代的に見ても製作スタッフに戦時下を生き残ってしまった方がたくさんおられたのでしょう。
書かずにはいられないという気持ちがあったのかもしれません。
作中のセリフも、若い連中を下艦させた某戦艦の先輩海軍将校のセリフそのまま引っ張ってきたようなのがあります。
もしかしたら誰かの実体験なのかもしれない。

しかし旧作紹介でひたすら長くなってもあれなので、
ここでは多くを語らず、他の作品紹介で語りましょう。
「ディファイアンス」とかでね。

それじゃあリメイク版の方に行きましょう。
まずは第1作のガミラス編の記事をどうぞかしこまり。

それで、リメイク版第一作が、無事人気が出たので白色彗星編もやることになりましたと。
まずは外伝映画的な「星巡る箱舟」でチラだし。

(これは同時に続編を作っても採算が取れるかどうかのリトマス試験紙も兼ねてます)

ここでは早くも戦後、地球とガミラスのまさかの同盟について描かれています。
ガミラスでデスラー政権がつぶれ、民主化政権が誕生したこと。
それとガトランティスが強大になりすぎたため、敵の敵は味方、という精神でなんと地ガ同盟が結ばれます。チデジガーは、ちょっと時代違うか。
(ガチ同盟でもいいけど)

共通の敵は古い敵との和解を促進させる。
という古来からの国際政治力学がこの世界にも働いていて、そういうのは歴オタにとっては馴染みやすい点です。

なんですが、あらためてガトランティス編の本編を始めようという時、また設定が変更になりました。
白色彗星帝国はモンゴル帝国のイメージで行く、というのを急遽変更。
人造クローン人間の集団。という設定に変更されました。

また旧作における絶対悪感を出すために、妙なイデオロギーを追加しました。

いわく「人間性と愛を全否定しなければならない」というのが帝国の公式イデオロギーである。というおったまげ設定が追加。

なんでもガトランティス人はかつて、とある文明のバイオロイドとして誕生したそうです。人間ではなくロボットの一種、つまり奴隷。髪の青い人たちみたいな
そして自由を手にするために戦いましたが、愛する家族を奪われ、それを返してやるという敵の言葉を信じたあげく、もろともに虐殺されるという形で滅ぼされたのです。

いや、滅ぼされてはいなかった。
生き残ったガトランティスの指導者は、古代文明が作った「滅びの箱舟」を起動。

なんでも古代文明は、銀河に自分たちの後継者文明を広く作らせようとして、ヒューマノイド文明の種を銀河中にばら撒いていたのですが、

万が一それらの種族が危険で破壊的であった可能性に備え、それらを殲滅するための「滅びの箱舟」とかいうのを念のために建設していたのです。
余計なことしますね。

それを復讐鬼となったガトランティス人が手にしてしまった。
以降、ガトランティスは自分たちを生み育て奴隷として虐げた文明を真っ先に滅ぼしたのみならず、

古代文明がばらまいたヒューマノイド型文明をひとつ残らず絶滅し、最後に自分たちも絶滅するという国是のもと、宇宙征服のための戦いを始めたのです。

なんという敵らしい設定でしょうか。まさに敵の中の敵。

すべての文明の絶滅を国是としている以上、外交とか対話というのが基本的に通じません。価値観が違いすぎて会話が成立しないのです。

しかし例外はあって、愛の無価値性を証明するためなら、敵に塩を送るのも辞さない。
実際に取引に応じた某地球人は、とある病気の特効薬を公式ルートでガトランティスから提供されています。

そして悪魔の誘惑のように「愛を否定することに協力すればお前たちは助けてやろう」などと声明をたびたび発表。
ただその条件はエグイものばかりなので、地ガ同盟は基本的に応じません。

また今作からデスラー総統も魅力ある人物に戻っています。前作での小物感はどこへ行ったんだ!?という感じですが、

まあデスラー総統もおそらく「愛の否定」取引に応諾して何かをもらった、という考察もできます。
なるほどー、前回のご乱心はそのせいか~。
実際にこの時はガトランティス艦隊の一部を与えられて、それを指揮して戦っているので、この可能性は割とありえます。
ご都合主義にもほどが(検閲済)

またガトランティス文明の性格が、他の文明に寄生するスタイルなのでメカのメンテナンスが自分たちで出来なかったりとか、
あとはテレサを生み出したテレザート文明が、
あれはカルダシェフスケール5はあるだろうとか、
まあそんな細かい雑学をぶつのはやめておきます。

最後に「さらば」の雰囲気を出しつつ、特攻ではない終わり方にするために、ラストで一工夫盛っています。

相変わらずのパワープレイな脚本ですが、結果としては良くできていると思います。
視聴者の感情をきちんと誘導しているので、少しばかり筋が破綻していても気にならない系ですね。確かにこれは「ヤマト」のノリです。

こういうプロレス感のある作風がもともとのヤマトのノリだったのでした。

ところで。
「アララギ先輩、アララギ先輩じゃないですか?」
「いや、もう終わりだよ」
「違う。僕はガミラス人でふぁ」
「いや、終わりなんだよ。語尾をふぁとかつけて反応を促そうとしても無駄だ」
「まさか、その反応はガミラスの観戦武官の、あ、いやちょま

おわちゃ!


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