帆船時代のアメリカ(著:堀元美)【私の時代の海軍は、軍艦がほぼ一隻もなかった「読書紹介ではそう書いたけど、さすがに一隻もないというのは・・・・いや、まれに、だ」】
戦記枠で出版されていましたが、
どちらかというと歴史枠のような気がする。
本作はアメリカ独立から、20世紀初頭までの、
アメリカ海軍やアメリカ海事史を描いた作品。
アメリカ独立当初は、海軍なんてほぼなくて、
強大なイギリス海軍相手にほとんど徒手空拳でゲリラ戦をやっていたアメリカ海軍でした。
その後、独立した後も基本的に鳴かず飛ばずでしたが。
フランスやリビア辺りと小競り合いをやっていたので、
それでも細々と帆船海軍を養っていたのです。
しかし平和な時代の海軍はただの金食い虫。
イギリスとかと違い、あまり必要性も認識されてなかったせいで、
しばらく放置されてしまいます。
一時期はエジプトよりも弱いとされた規模になりましたが、
が、メキシコと戦ったあたりで、やはりいくらかは必要ということで、
軍艦にまたお金をつぎ込みます。
この艦隊が日本にやってきたりしていたのですね。
その後、南北戦争で同胞相撃つ展開となったあと、
また予算不足で放置されてしまい、再び消滅します。
だが20世紀を前にしてやはり必要だというので、
また海軍を再建。
この時は経済大国になっていたので、
一挙に大海軍を建設しようとします。
当時はイギリスの海の覇権に挑戦していたのは、
ロシア海軍(日露戦争で挫折)ドイツ海軍に次いで、
アメリカだったのです。
こうしてアメリカ海軍はイギリス海軍と互角の勢力にまで成長したのですが、本書はこの辺で終わっています。
もう帆船の時代じゃないし。
***
知らない時代の話というのを邦訳してくれるのが、
たいへんありがたく助かっています。
今後はこういう本が出版されるのかどうか。
わかりませんが。
また、海の世界、海軍の世界というのは、
地球の反対側まで出稼ぎに行くのが普通です。
大海軍を擁しながら近海でしか行動しなかったのは日本くらいで、
それ以外は中小国の海軍でも、
地球の反対側にまで軍艦を派遣して、戦ったりするのが普通みたいです。
南北戦争の時も、インド洋で南北艦船が戦っていたりしてました。
そこに海があるなら、活動範囲と思っているようです。
本物の海洋民族は違いますね。
そう感じました。
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