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戦闘妖精雪風シリーズ(著:神林長平:アニメ2005年)【「まてこれは読書感想なのかアニメ感想なのかわからない」「ならジャムだ」「いや、おまえちょ」ぶつっ、つー、つー、つー】

ネタバレ一行入れてます。

舞台設定:
人類はエイリアン「ジャム」と遭遇、戦闘状態に入る。
人類は「ジャム」を追撃し、異空間ゲートを越え、惑星フェアリィと呼ばれる場所に赴く。
フェアリィ空軍が創設され「ジャム」を地球に通さないための戦いが始まる。
追記:「ジャム」の正体はいまだに謎である。

珍しく原作とアニメ、両方とも見ました。
基本的にかなり違います。
アニメ化にあたり、やっちゃったな、と思ったのですが。

というわけで戦闘妖精雪風の知名度が良い感じに落ち着いてきたので、あらためて盛り上げてみたいと思います。

まずは原作から。
珍しいことに、これは空軍のパイロットを主人公にした作品です。
実をいうと、空軍のパイロット目線の作品て、意外と少ないんですよ。
(ガンダムとかリアルロボット系はそれなんですが。まあロボットなんで、戦闘機とはちょっと違う)
本当にエースパイロットを主人公にした作品ってのは、意外と少ない。

おそらくの理由。
空軍は基地に固定される縛りがあるから。
空母みたいに移動基地ならドラマ展開のやり方もあるんですが、
固定基地だとどうしてもそこに帰還しなければならない。
固定基地は場所がいつも決まっている。
ゆえにドラマの展開も制限がある。
燃料切れ弾薬切れでどうしても帰還しなければいけない。
命令がないと飛べない。
ストーリーに縛りが多いんです。
ドラマを作り難い。

ただもちろん、今後、この縛りを解いた作品が出てくれば、流れは変わるでしょう。
戦闘機でなくロボットなら、日本アニメでさんざん繰り返されましたからね。

戦闘妖精雪風の原作の場合、小説ですから、空をスカッと飛ぶ話を書けばいいというものじゃありません。
そこで作者は考えた。
テーマを濃くしようと。

主人公「深井零」は、地球での生きる意味を無くし、フェアリィへ世捨て人としてやってきます。
彼は愛機「雪風」(機種名はスーパーシルフ)で戦うことに依存し、愛機で空を飛び、敵に勝って帰って来る、それ以外には何の関心もないという、ゾンビみたいな人間です。

さらに彼が所属しているのは、戦果確認のためだけの偵察部隊ブーメラン戦隊。
「味方が全滅しようとも必ず帰還せよ」という命令の下、自機が攻撃されない限りは絶対に戦わない、という変則的な部隊。
要するに味方見殺し部隊。

しかし、そんな彼を待ち受けていたのは、
愛機のAIがどんどん自分から学び、ついに自分を不要とするくらい優秀になっていく様でした。
ついでながら実はジャムの正体もなんとなく分かってきます。
愛機に依存していた主人公はおかしくなっていきます。
機械たちの戦いにもはや、人間は不要だ・・・・

というのが一巻の話。
これはすごい!と思って読みました。
そしてこれで完結なんだろうな、と思ったら続編や続々編が出ました。

ここで完結した作品の続編の作り方を説明しましょう。
はい。前作で完結した前提をまずひっくり返してください。
でも、全部ひっくり返すと前作からのファンが逃げるので、
同じテーマで、違う結論を導き出してください。

例えばこんな感じ。

機械たちの戦いに人間は不要だ。いや待て、もしそれでも人間が必要とされるなら、それはどういう時なんだ?

AIが発展して人間が不要になると言われている昨今、これはなかなか現代的なメッセージを掲げているかもしれません。

原作の解説はこんなところで止めておきましょう。

それではアニメ版。
アニメ版を見て「やらかしたな」と思いましたよ。
ええ。空戦に関してはものすごく美しい。
23年現在、いまだにこれを超える空戦アニメは描かれていないんじゃないすか?(後日にまた説明しますが制作会社はゴンゾです)

ただ、原作を知っている人限定。
アニメから入った人はポカーン?
解説とか説明とかぶっとばして、とりあえずついてこれる奴だけついてこい。そんなテイスト。
やっちまった!
初見者おいてけぼり系だ。
こりゃ売れないぞ。

と思ってたら、そうでもなかったみたい。
空戦の美しさだけで、視聴者はついてくるんですね。
意外でした。

空戦というのは、映像化さえできれば、後はドラマ面がなんとかなれば。
やはり映える素材なのです。間違いないのです。
これは今後のブルーオーシャンかもしれないですね。

続々々編は・・・まだ読んでなかったですね。今知(こんち!)

私はこのレビューはまだ読みません。未読なので。

ちなみにトム・クルーズ主演で映画化権が購入されてますが、
ええーだいじょぶ???マーヴェリックとは真逆の性格なんだけど。

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