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「六等星の煌き」 まとめ

 ご覧いただき、ありがとうございます。坂元(筆者)です。
 今回は、筆者が初めて挑戦したファンタジー小説「六等星の煌き」について、まとめ記事を書きました。ご一読いただければ幸いです。


 この「六等星の煌き」は、一作目「僕と先生の話」の作中作です。
 以下のエピソードに登場します。

 作中で、先生が研究職時代に受けた【心的外傷】について、ご本人から聴いた主人公が、深い感銘を受け……そして、未だに苦しんでいる先生を勇気づけるために、この物語を書きました。
 先生は、主人公が書いた物語を大変 気に入り、彼にファンアートを贈ります。
 彼は「先生のために」この作品を書きましたが、プロの絵本作家である先生、そして先生の担当編集者からの作品の出来と創作活動そのものに対する【肯定】が、主人公の【心的外傷】をも癒します。
 物語の中では、非常に重要な要素となる作品です。

 「六等星の煌き」の「あらすじ」は、上記の「僕と先生の話 34話」に記載されているものと、大筋は変わりません。
 ただ、独立した【連載作品】とするにあたり、かなり肉付けをしました。(ラストも、少し違います。)


 それでは、ここで「六等星の煌き」全12話を、サラッと「おさらい」してみましょう。

1.荒野の天文台

 主人公ラギの、現在の暮らしぶりと来歴、そして作品の【世界観】が詰まった第1話。
 孤児だったラギは「賢さ」を買われ、偉大な天文学者ガウスの養子となり、以後は学問と観測のためだけに生きてきました。
 ラギにとって、養父から学んだ【天文学】は「生き方」そのものです。彼は、他の生き方を知りません。

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2.凶兆

 前話の終盤で見つけた【凶兆】について情報を集めるべく、ラギは街へ出ます。
 そこで、国家の『誤り』に愕然とします。国家は、あの【凶兆】は隕石ではなく「新しい彗星」だと云うのです。
 強い憤りを感じたラギは、天文台の かつての守衛ユーマと その家族のもとを訪ね、彼らに協力を求めます。

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3.旅の供

 隕石が迫る街の人々を救うため、ユーマの娘カンナと共に、ラギは旅立ちます。
 退役軍人である彼女の、その独特な「信条」と「生き様」に、ラギは衝撃を受けます。

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4.愚者との謁見

 人々を救うため、忌まわしい「かつての上司」と、真っ向から向き合います。
 しかし、まるで話になりません……。
 ラギとカンナは「別の道」を探します。

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5.大地を走る

 一時帰宅して、自動車を入手します。
 そして、いよいよ隕石が迫る街リュウバに向かいます。
 大災厄が迫る土地に あえて赴くのですから、非常に危険な旅です。ラギは、カンナと共に「必ず生きて帰る」と、誓います。

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6.重荷を託す

 かつてカンナが在籍していた陸軍の、関連施設に赴きます。
 そこで、やっとラギの観測結果について理解を示す人物と出逢います。

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7.兄妹と犬

 自らも孤児だったラギの『勘』が、新たな出会いへと、彼を導きます。
 図らずも傷つけてしまった兄妹と飼い犬を、ラギは「自分達が連れて帰る」と決意します。

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8.同志

 隕石は日々 街に迫りますが、待てど暮らせど、軍は動きません。
 ラギは、いよいよ痺れを切らし、独自のやり方で街の人々に警告を発します。しかし、なかなか信じてもらえません。住民の ほとんどが、国家の発表を信じています。
 そんな中で【同志】を見つけます。ケントという名の彼は、ラギの亡き養父とゆかりのある人物でした。
 ラギの養父と、彼の兄は、誰もが認める偉大な天文学者です。人々の心が、動き始めます。

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9.捕縛

 ラギ達の警告を信じた人々は避難を始め、それによって街は混乱します。ラギとケントは【内乱の首謀者】と見なされ、憲兵隊に捕らえられてしまいます。
 カンナだけは、憲兵隊にも行方が分かりません。うまく逃げているようです。

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10.災厄

 ラギとケントが投獄され、尋問を受け続けているうちに……リュウバの街に、隕石が落ちました。
 予測が正しかったことが立証され、2人は釈放されます。
 しかし、隕石によって数十万人が犠牲になりました。また、ケントの住まいや家族、カンナや孤児達は無事なのか……2人は、気がかりで なりません。

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11.狂気

 ラギはケントと共に、帝都の近くで暮らす養母のもとを訪ねます。
 彼らが帝都で出くわした住民達は、リュウバの街に隕石が落ちたことにより……「自国が莫大な富を手に入れた」と、祝福さえしていました。
 犠牲者を悼む気持ちが強いラギは、衝撃のあまり昏倒します。
 目を覚まし、狂った価値観への憤りを露わにするラギに、ケントは幾つも言葉をかけます。ラギは、子どものように泣きました。
 人生で初めて、自分の「生き方」を真正面から肯定してもらえた気がしたのです。

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12.帰還

 ラギはケントを連れて、カンナの家に戻ります。そこには、カンナだけではなく、リュウバで出逢ったあの兄妹と犬も居ました。カンナは、ラギとの約束を、きちんと果たしていました。
 そして、ラギは自分の天文台に帰り、ユーマ達とも再会を果たします。

 彼らが皆それぞれの家に帰り、久しぶりに【独り】の生活に戻った後……第1話で登場した『運び屋』が、数えきれないほどの手紙を運んできます。
 それは、ラギ達の警告によって避難し、生き延びた住民達からの【感謝状】でした。
 ラギは、それを「父に見せたい!」と言って泣きます。そして、亡き養父がそうであったように、生涯【学者】として正しくあり続けることを、改めて誓います。

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 以上となります。
 この作品は、一話あたりの文字数が、非常に多いです。本編を「一気読み」すると、非常に時間がかかると思います。
 読者の方々に、ご自分のペースで、自由に楽しんでいただけましたら、幸いです。


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