小説 「僕と彼らの裏話」 7
7.受け入れ準備 内地の小汚いアパートに戻り、一日だけ身体を休めた。
故郷には まだ雪が残っていたのに、こちらではもう、桜が散ってしまった後だ。
まるで、違う国に来たかのようだ。
僕の復職に合わせて、先生宅には哲朗さんが訪ねてきた。先生の【最後の絵本】を持って……。「先生が絵本作家を引退した」という事実は、その時 初めて告げられた。
そして、同じ日に先生のペンフレンドの中学生「稀一くん」がアポ無しで遊びに来て、更には、訳あって先生宅で間借りしているという青年「倉本く