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「僕と彼らの裏話」

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長編小説。「僕と先生の話」シリーズ3作目。(全51話・完結)
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記事一覧

小説 「僕と彼らの裏話」 1

1.同窓会をしよう 先生の ご厚意に甘え、僕はマッサンの居る温泉地での湯治の後、実質的な「…

坂元 稔
3年前
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小説 「僕と彼らの裏話」 2

2.再会 修平は部下に圧力をかけて2連休を勝ち取り、その1日目が【同窓会】の日となった。  …

坂元 稔
3年前
9

小説 「僕と彼らの裏話」 3

3.告白 僕は週に2〜3回、彼女の家に『ボランティア』をしに行った。高校生の頃に戻ったかのよ…

坂元 稔
3年前
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小説 「僕と彼らの裏話」 4

4.僕は馬鹿だ その日の昼食のメインは、僕が好きな東北名産のサバ缶を使ったスパゲッティーに…

坂元 稔
3年前
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小説 「僕と彼らの裏話」 5

5.幸せ 聴き慣れたアラーム音がする。まだまだ寝ていたい僕は、それを放置する。  数秒後、…

坂元 稔
3年前
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小説 「僕と彼らの裏話」 6

6.「臆病風邪」 復職の日取りについて、先生から了承が得られた。主治医に相談する気は、初め…

坂元 稔
3年前
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小説 「僕と彼らの裏話」 7

7.受け入れ準備 内地の小汚いアパートに戻り、一日だけ身体を休めた。  故郷には まだ雪が残っていたのに、こちらではもう、桜が散ってしまった後だ。  まるで、違う国に来たかのようだ。  僕の復職に合わせて、先生宅には哲朗さんが訪ねてきた。先生の【最後の絵本】を持って……。「先生が絵本作家を引退した」という事実は、その時 初めて告げられた。  そして、同じ日に先生のペンフレンドの中学生「稀一くん」がアポ無しで遊びに来て、更には、訳あって先生宅で間借りしているという青年「倉本く

小説 「僕と彼らの裏話」 8

8.激震 復職から約2週間。特に何もトラブルは起きなかった。僕の体調も、特に問題ない。  強…

坂元 稔
3年前
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小説 「僕と彼らの裏話」 9

9.真の友 藤森さんには、先生が「警察に捕まった」ではなく「入院した」と偽ることになった。…

坂元 稔
3年前
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小説 「僕と彼らの裏話」 10

10.帰りを待つ日々 ある日、僕は珍しくスーツを着て出かけると言う悠介さんから依頼され、彼…

坂元 稔
3年前
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小説 「僕と彼らの裏話」 11

11.彼女の秘密 その日、僕は藤森さんから依頼を受けて、彼女の家で本棚の組み立てを手伝って…

坂元 稔
3年前
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小説 「僕と彼らの裏話」 12

12.「おかえりなさい」 先生が再び【自由】になる日。僕は運転手を願い出た。  アトリエに半…

坂元 稔
3年前
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小説 「僕と彼らの裏話」 13

13.喜捨 取調べの結果、先生は【不起訴】になった。詳しい経緯は、聴かされていない。  こち…

坂元 稔
3年前
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小説 「僕と彼らの裏話」 14

14.隠れ家 先生宅から車が無くなり、1ヵ月近く経った。  ある時「吉岡先生には、ご内密に」として、哲朗さんからLINEが来た。  なんと、近日中に僕の家に泊まりたいのだという。具体的な日時も、理由も、書かれていない。 【お一人で、ですか?】 ひとまず そう返信し、自分の仕事に戻った。  直感的に、悟くんが一緒に来るかもしれないと思った。  しかし、結局は哲朗さん一人が、家族には「姉が腰を傷め、代わりに自分が義兄の世話をしなければならない」と嘘を言って、僕の家に『避難』して