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読書日記・負けそうな予感しかない

5月17日(水)

熱は下がったものの、体力が思いっきり低下しているため娘は学校を休んだ。まだ本調子じゃないせいか、あんまり喋らない娘にこちらの調子も狂うなぁと思っていたら、どんどん元気になってきてうるさいぐらいのお喋りが復活した。耳に響く大声(娘は自分の声の音量を調節しにくい)に懐かしさを感じたのもつかのま、だんだんと静けさが恋しくなるなんて、勝手な親でごめんよ、そしてもう少し音量を下げてもらえる?え?無理??あぁ、そう…。

読んでいたのは、堀越英美さんの『モヤモヤしている女の子のための読書案内』

中高生ではないけれど、むしろ中高生の親の年齢だけど、本の内容が気になって手に取ってしまった。出だしの「マイナス思考から抜け出せない」でグッと心をつかまれ、そんな時に読むといいよ〜と紹介されていたカフカの『絶望名人カフカの人生論』が今すぐに読みたくなった。私はネガティブなところは誰にも負けないぐらいに強いと思っていたんだけど、しかし堀越さんの紹介文を読むと、どうやらカフカさんのネガティブさは尋常じゃないようなので、思いっきり負けそうな予感しかない。絶望名人を読むのが楽しみ。


5月18日(木)

ようやく娘も登校しホッとした。長いこと不登校だった私は、子どもたちが学校へ行こうか行くまいがどっちでも良いと思ってはいるけれど、それでも学校へ行ってくれるとホッとしてしまう自分がいるのも事実。みんなと同じことをすることが苦手なはずの私は、しかし気づけば、みんなと同じであることに安心する心を持ち合わせているらしく、その相反する思いにどうしたものかと思う日もある。自分ができなかったことを、子どもたちに押しつけようとは思わないけれど、でも出来るだけ学校へは行って欲しい、勉強して欲しいという願いを持っていて、その願いが叶わない時はちょっと慌ててしまうかもしれないなと思った。いやかなり慌てふためくかもしれない。

読んでいたのは、高橋秀実さんの『おやじはニーチェ』

認知症を哲学で考えてみると、今まで当たり前と思っていた認知症の常識が通用しない気がして面白かった。認知症になった父親の発言が間違っているのではなく、父の発言は父から見たら正しいものであって、それは認知症だからとか関係ない。自分が信じている常識の中で生きていることは、認知症でも認知症じゃなくても同じなのではないか。というようなことを考えさせられて、なんかスゴイ本だった。著者である高橋さんの視点が面白い。

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