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美大からデザイナー就職 入社エントリ編

はじめまして。RAKSULで2月からデザイナーインターンとして入社しました、武田萌花(タケダ モカ)です。4月に迫る新卒入社前に、少しでもRAKSULでの働き方やデザインについて勉強しておきたいと思い、週1-2フルリモートでフレキシブルに勤務させていただいています。

今回はRAKSULへ入社した背景や、大学での研究領域とデザインのギャップ、現在インターンでどういう業務をしているのか、紹介していきます✌️
自己紹介〜入社までの背景については少し長くなりそうなので、RAKSULのインターン業務について特に気になる方はSKIPしてくださいね⏭️


自己紹介

武田萌花 / Moka Takeda 1997年東京都出身。
2024年3月東京藝術大学大学院 先端芸術表現専攻 修了予定。
2022年ドイツ・ミュンヘン美術アカデミーに留学。留学中13カ国26都市を旅する。主な展示歴・活動歴に「藝大アートプラザ・アートアワード2024」デジタルアート部門「JR東日本賞」受賞(2024)、NTTインターコミュニケーション・センター【ICC】「エマージェンシーズ!045」(ICC, 2023),「群馬青年ビエンナーレ2021」入選(群馬県立近代美術館, 2021)など。

https://www.mokatakeda.com/

いつも自己紹介・経歴についてはこのような内容を掲載しています。
・・・・😮 !?
お察しの方もいると思うのですが、これまでの研究領域・活動はデザインではなくファインアートなんです。今年1月には修了制作展があり、工事現場をテーマにしたインスタレーション作品を発表しました。

修了制作「A Day in the Life」と展示に来てくれた先輩社員さん♡

私は学部から東京藝術大学の先端芸術表現科に在籍していて、巷では「先端」と呼ばれています。美術大学の非常勤講師の経験があるRAKSUL DESIGNのボス・和泉さんも、カジュアル面接で所属を話した時既に「先端」をご存知でした。先端芸術というと、最先端のテクノロジーとかAIとかそういう領域だとよく勘違いされるのですが、英語表記は”Intermedia-art”となり、写真・工作・コンピュータ・映像・音・身体などさまざまな分野を横断した表現を学ぶ場所です。自分が表現したいテーマ・コンセプトに応じてメディアを選び、つくる。そんな先端で休学期間を含めて8年間過ごしてきました。

学生時代の波瀾万丈を話すと長くなりすぎてしまうので今回は割愛します😋

なぜ、就職を選んだのか

大学院に進学した時、自分が就職をするとは全く予想していませんでした。作品制作だけでなく、しっかり自分の研究テーマを論文としてアウトプットしたいと思い博士課程への進学を考えていたからです。しかし、留学を経て自分のフィールドがずっと「先端」で良いのか疑問を覚えました。留学中、誰も私をよく知らないという環境でのびのび制作できたことが、自分にとって新しい表現に出会う良いきっかけになったと思っています。自分が身を置く環境を変えることに大きな可能性を感じたのです🛫
大学院修了後の選択肢として

  • 海外の大学院進学 or 他大学の博士課程進学

  • バイトをしながら制作、大学の助手など

  • 就職

まずこの3つが浮かびました。
海外に進学するにしても、超円安の今は状況的にあまり良くないなと思いましたし、国内の大学院を受けるにしても学費・制作費で苦しむ未来が見えました。大学卒業後、アルバイトをしながら制作活動を続けるアーティストは多くいますが、私の作品(インスタレーション)は販売が難しい為フルタイムで働かないと現実的に生活・制作をできないのかな、と当時シビアに想像しました。助手として大学に残るのは、大学の設備を活用できたり良い面もありますが、結局環境としては大きく変わらないため、今の自分にとってはあまり成長に繋がらないかな、と思いました。

ただ就職という選択も私にとって未知だったので、帰国後はアルバイト探しから始めました。しかし、ある程度安心できる雇用形態・給与を確保するには職務経験有が優遇されると気が付きました。
進学をして博士課程を獲得したとして、その時には30歳を過ぎて企業での職務経験無し、自分の作家活動で生計を立てられる自信・根拠が今はない。
そんな状況だったので、これからの長い人生、健康に生活・制作を続けていくために1度社会に出て経験を積むのもアリ?と考え始めました。

ドイツでの幻のような日々で、この先の人生なにより心の健康を大事に生きていきたい、大学院のキャリアを急ぐ必要もない、と悟ったのでした。

学費や安いことが大きな理由だと思いますが、ドイツでは社会人を経験してから再度学び直しの為大学に通う人も多く、私のクラスにも子供を育てながら学生をしている方もいました。素敵💐

「就活」なるものを始める

私が就職活動を始めたのは2023年5月末でした。先ほどもお話しした通り、留学から帰国後なんとなく就職をすると決めたものの、大学では「就活」に対して特に教育を受けていません。大学院のスケジュール的に夏までに仕事が決まっているといいな、と既に多くの企業の24卒採用が締め切られていることも知らず、ぼんやりしていました😨
志望する職種については、留学中に受託開発会社のWebデザイナーアシスタントとしてアルバイトをしていた経験から、デザイナー職と決めていました。特に自身のポートフォリオサイトを委託した際のことなどを振り返って、今ある経験・スキルをもっと磨いて自分でもWebデザインなどが出来るようになれば作家活動においても活用できるかも、と思ったのです。
そして友人の紹介で、デザイナー・クリエイター向けの就活プラットフォームにいくつか登録しました。

「デザイン」のポートフォリオがない

デザイナー向けの就活プラットフォームでは、経歴や個人情報の他にポートフォリオを載せることで多くの企業の目に留まります。
私はデザインに特化したポートフォリオは一切持っていなかったので、制作しないといけないと思いつつ、腰が重くて放置していました。
デザイナー就活者のポートフォリオをいくつかリサーチする中で、アーティストのポートフォリオと、デザイナーのポートフォリオは構造や求められることが大きく違うと気がついたからです。
そんな中ViViViT経由で、RAKSUL DESIGNのボス・和泉さんからカジュアル面談をお誘いいただきました。よくわからないけど、面談を入れることで「就活」なるものの理解が進むかなと、すぐに日程調整に入りました。
初・カジュアル面談は緊張しましたが、本選考の前に企業のことを知れたり、実際に働くチーム・上司の雰囲気がわかるのはとても良いことだと思いました。しかもオンラインで、気軽に。

面談の終盤に和泉さんから今後の選考フローを伺ったところ、
「締切、明日なんだよね。」と衝撃の一言。
ポートフォリオもない状態で、明日か…きつ……😨
正直この時点ではほぼ諦めていました。
でも私みたいな先延ばし癖のある人間は、こういう締切がないといつまでも作り進められないよな、間に合わなかったら応募は諦めよう、と静かに自分を鼓舞し、夜なべして第1弾ポートフォリオを制作しました。そしてデザイン・内容共にレベルが低いことを承知で、RAKSUL本選考エントリーに滑り込みました。

今振り返ると、この機会にポートフォリオを1つ仕上げたのは大正解でした。
他の企業の方と面談していく際にもポートフォリオがあることで、自分の経歴や実績について紹介しやすく、その後スピーディに就活を進められたからです。(きっかけをくれた和泉さん、ありがとうございます🙇🙇🙇)

実際に選考を進めていく中での美大生ならわかるかもしれない苦悩は、また別の記事でお話します。

RAKSULを選んだ理由を振り返ってみる

その後私は最終的に5社ほど選考に応募しました。ちょうどRAKSULの選考が始まる6月〜は大学院の修了制作中間展示の準備が始まり、就活はメンタル面の疲労が大きいなと感じたので、制作のためにもあまり時間を割くのをやめよう、とピンポイントに気になる企業だけを受けました。なので、RAKSULの面接もほぼ大学の研究室で受けていました。(キャンパスが茨城県にあり人が少ないので、人目を気にする必要があまりなかった)

RAKSULの事業、特に印刷サービスは当時の私にとって身近なものでした。ちょうど6月も私が所属している「EKKYO.HUB」という団体のブックレットを鬼のように入稿していたからです。また私が大学で学んだことのあるデザイン領域も紙媒体でのデザイン、DTPが中心だったこともあり印刷事業については、他の事業よりイメージがしやすいものでした。そういった背景もあり、面接では実際にユーザーに近い立場でRAKSULのサービスについてお話することができたと思います。最終面接では私が入稿段階で困ったエピソードをお話ししたのですが、その後改善されていて驚き😳

RAKSULをヘビーユーズしていた就活シーズン

RAKSUL DESIGNを知る中で特に印象的だったのは、私が入社する2024年にはRAKSULの10年先を見据えた、デザイン組織の成長戦略が本格化するということでした。自分の制作においても、0→1を考え、つくることが多かったので、新しくチームを創っていくプロセスに携われることが純粋に面白そう!と思ったのです。また私が就職先を決めるにあたり重要視したかった点は、自分がチームの中で積極的に質問したり、意見交換ができるか、楽しくチームで仕事ができるかというところだったので、RAKSUL DESIGNの新しい組織づくりにワクワクしていました。実際に新卒同期の2名はデザイナーになるまでの経緯や扱ってきた領域、出身がそれぞれ違うため、話していてとても楽しいです。

RAKSUL 24卒デザイナー同期による素敵なnoteはこちら👇👇👇
川村さん🐰 https://note.com/haruka_kawamura
森本さん🐶 https://note.com/meimorimoto

好きな動物が、猫派・犬派・うさぎ派に別れている24卒デザイナー

就職=作家を諦める?

就活をすると決めた時、1番不安に思ったのは「作家活動・制作を続けられるだろうか?」という問題です。良くない偏見なので根絶されて欲しいですが、なんとなく藝大では就活する=作家を諦めるという空気があるように思います。これは作家志望の多い藝大だから、かもしれません。
しかし私は作家活動をこの先長く続けるためにも、就職することを決めました。これって企業側からしたらどうでも良いことだし、理解してくれるかどうかは人によるな、と思ったのでなるべく一次面接など選考の初期段階では言わないようにしていました。
RAKSULの選考課程で「作家活動はどうするの?」と聞かれた時、和泉さんとは何度か選考を通してお話していたこともあり、素直に続けるつもりであると答えました。するとこのようなリアクションが返ってきました。

武田さんがアーティストであることを応援します。
ぜひ辞めないでください。

面接のどこかで和泉さんに言われた言葉

「応援します」というのはよく言われることもありますが、「辞めないでください」と企業の方に言っていただける事はあまりありませんでした。
今はその言葉を信じて、頑張ってみようと思っています。
実際に内定後、展示など発表の場にデザインチームの先輩方が来てくださったり、私の制作活動について話を聞いてくれたりと、とても励みになっています😭✨

またRAKSULデザイン組織のビジョンにはとても共感しています。
より幅広い社会課題に向き合っていくには、色々な角度からのまなざしが必要だと思います。見える世界が人によって違うように、それぞれ違うバックボーン・経験があるからこそ気が付くことがある。チームの多様性は、新しいものを生み出す上で極めて重要です。

専門性と多様性を尊重し、成長し続けるチーム
お互いの専門性と多様性を尊重し、成長し続けることを喜びとして、広く社会にも貢献し得るプロフェッショナルなチーム

RAKSUL デザイン組織について
就活ポートフォリオで掲げたビジョン(RAKSULの選考途中で追加しました)

自分が持つ専門性を磨きチームに良い影響を与えられる、多様なメンバーから常にたくさんのことを吸収して成長し続ける、そんなデザイナーを目指したいです💫

RAKSULのデザインインターンでの学び

2月にインターンとして入社して、本日で7回目の出勤となりました。同期の2人が昨年からインターンを始めているので、背中を追いつつ少し焦っています。これまでに取り組んだ業務を簡単にまとめます。

  • Webアクセシビリティ・ユーザビリティのリサーチ

  • RAKSULアパレル新UIのユーザビリティテスト

  • 入社エントリnoteの執筆

  • アートディレクションのリサーチ🆕

Webアクセシビリティ・ユーザビリティいついては同期2人が昨年取り組んでいたので、彼女たちのアウトプットから要点をまとめつつ、リサーチを進めました。Webデザインのアルバイト経験はあったものの、デザインツールの使い方がわかる・なんとなくサイト画面をデザインできるレベルの経験値なので、学ぶべき情報が多すぎて混乱していました😵‍💫
その後RAKSUL DESIGNチームが毎週水曜日朝に開催している「Webアクセシビリティ輪読会」に参加することで、業務においてどのようにルールが適応されているのか理解し、少しづつ知識を整理できています。

アクセシビリティ・ユーザビリティのまとめ/Figma抜粋

また同期の川村さんが作成したユーザビリティテストシートを活用して、RAKSULアパレル新UIを評価し、気になった点についてアパレルチームに共有しました。評価を報告するだけでなく、どうしたら改善していけるか一緒に話し合う時間はとても有意義でした。

今週からは「アートディレクション」のリサーチに入りました。
個人の興味に近い部分のリサーチ・アウトプットをしてみたら?と和泉さんから提案いただき、頭に浮かんだのが「アートディレクション」でした。
コンセプトを立ててアウトプットすることは、これまでの作品制作と極めて近いプロセスですが、デザインや企業についてどのように実装されるのか興味があります。

アートディレクションリサーチ/Notion抜粋

今後はより具体的な事例を海外を中心にリサーチし、RAKSULのブランディング・採用や広報において活用できる提案を入社までにまとめていく予定です✍️

最後に💭

副題にもなっている「アーティストはデザイナーになれるのか?」
という問いへの答えは正直今はまだ出せません。
ビジネスに関する知識・デザインに関する知識が乏しく、自分がこれから良い仕事していけるのか不安に思っています。
しかし思い返してみると、美大進学を決めた時も同じような状況でした。
制作経験・環境がほぼない中で現代美術をがむしゃらに勉強し、今の自分があります。アートを志した時と同じように、先輩のお仕事を見ながら貪欲にインプット・アウトプットをしていきます✊
そして「作家活動や表現を続けながら、企業で働く」という新しい可能性を自分のキャリアで証明していけたら良いな、と思います。

長々とお付き合いいただきありがとうございます🙇
それでは、また。

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