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映画や音楽のことについてのらりくらりと書いてます。

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    • 映画めも。

      観た映画のはなし。 ネタバレするぞー!

    • A24

      A24作品で観た映画の感想

    • ルイス・アルベルト・スピネッタの軌跡

      アルゼンチンロックの中心人物だったルイス・アルベルト・スピネッタの40年に渡るキャリアを、アルゼンチンの情勢と共に紐解く。

    • 世界で一番好きな(のかもしれない)音楽

      僕が心を打たれた音楽について、何故心を打たれたのかをつらつらと書き連ねてます。

    • 街角クラブ〜ミナスサウンド

      ミルトン・ナシメントを中心としたブラジルのミナス地方出身のミュージシャンの足跡をアルバム「Clube da esquina」を軸に紹介。後半は80年代までとは異なる2000年以降のミナスで起きている現在のシーンを取り上げる。

    最近の記事

    【映画】ラム Dýrið/ヴァルディマル・ヨハンソン

    タイトル:ラム Dýrið 監督:ヴァルディマル・ヨハンソン 多分これを観た大多数の人が「一体何を見せられたのだろう?」と口に出さずともそう思ったんじゃないかと。冒頭の吹雪のシーンにタル・ベーラっぽさを感じたと思ったら、エンドロールにタル・ベーラの名前があった。もともと監督はタル・ベーラの元で学びスタッフとして関わっていた人物。さらに流れる音楽の雰囲気がヨハン・ヨハンソンみたいだなと思ったら、まさにヨハン・ヨハンソンのツアーバンドに参加していたソーラリン・グズナソンが担当し

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      • 【映画】(ハル)/森田芳光

        タイトル:(ハル) 1996年 監督:森田芳光 起動すると中からゴーっと音が鳴り響くデスクトップPCに懐かしさを感じながら、四半世紀以上前の映画でありながら今でも同じような事が行われているのが不思議に感じられる。 1996年という時代を顧みれば、携帯電話がまだ高価でポケベルが現役の時代であり、当然SNSもなければ2ちゃんねるも無い頃。男性と偽ってチャットを楽しむのも、マンスプレイニングから逃れるためという理由は今のSNS時代とあまり変わっていない。意外なまでに今観た方が、そ

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        • 【映画】メモリア Memoria/アピチャッポン・ウィーラセタクン

          タイトル:メモリア Memoria 2021年 監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン オーディオ機器や録音をかじった人ならSN比という言葉に耳馴染みがあると思う。直訳すると信号雑音比 (signal-noise ratio)という意味なのだけれど、音の信号の中に含まれるノイズの比率を意味するもので、ノイズと静音の値がdB単位で示される。オーディオや宅録に限らず、身近な所だと会社の会議資料のための動画録画を再生すると音に注意を向けると喋っていない部分で”サー”というノイズが

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          • 【映画】シスター 夏のわかれ道 Sister/イン・ルオシン

            タイトル:シスター 夏のわかれ道 Sister 2021年 監督:イン・ルオシン 近年アジア圏の映画、特に「はちどり」や「82年生まれ、キム・ジヨン」のような韓国映画で取り上げられる事が増えている家父長制。そして中国国内ではその問題に輪をかける様に少子高齢化を招いた一人っ子政策があり、アジア圏全域に根強く残る家制度のあり方が問題視されるようになってきた。 中国の一人っ子のステレオタイプな姿はそれとなくイメージが出来るし、甘やかされてワガママに育てられた世代といった想像は結構

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            黄桃の味 طعم گيلاس‎/アッバス・キアロスタミ

            タイトル:黄桃の味 طعم گيلاس‎ 1997年 監督:アッバス・キアロスタミ 当たり前だけれど、日常生活の中で人と接した時に表情から相手が何を考えているのか、どういった感情なのかを我々は常に読み取っている。コミュニケーションの術は言葉と同じくらい、もしくはそれ以上に対面している人の表情は重要になる。方や映画やドラマなど物語で描かれる表情はコミュニケーションとは違い、ある種の記号として映し出される。楽しいのか悲しいのか、それとも苦しいのか恍惚としているのか。時に過剰に演

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            【映画】プアン/友達と呼ばせて วันสุดท้าย..ก่อนบายเธอ/バズ・プーンピリヤ

            タイトル:プアン/友達と呼ばせて วันสุดท้าย..ก่อนบายเธอ 2021年 監督:バズ・プーンピリヤ 「バッドジーニアス」のバス・プーンピリヤ監督の新作かつ、ウォン・カーウァイがプロデュースという事で否が応でも期待が膨らんでくる。 予告にある様に前半と後半で構成が分かれていて、前半部分は淡々と描かれているものの、後半部分の雰囲気はかなり堪らないものがあった。「バッドジーニアス」の監督なだけあって映画の造りはトリッキーで、ミステリーさながらに主人公ふたりの過去

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            【映画】ケリー・ライカートの映画たち リバー・オブ・グラス

            ケリー・ライカートの映画の中の主人公や、そのほかの登場人物たちは映画の中を迷い続ける。 時に目的もなく彷徨い、場所に迷い、行動に迷い、心が迷い、選択に迷い、不意に起きる出来事に戸惑う。フィジカルな迷いとメンタルな迷いが同時に合わさることで、焦燥感と不安感がじわじわと醸成されていく。こう言った時の気持ちや感情は、同じ境遇でなくても誰でも何かしらで経験するものだと思うが、観ていると段々とその様な気持ちがフラッシュバックしつつ、じわりと汗をかいた時の様な、肌の感覚の記憶まで呼び起こ

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            【映画】PTA全作品を観て思うところ感じたところ

            PTAことポール・トーマス・アンダーソンの映画に対してずっと苦手意識を感じていて、なんかどうも入り込めない感じが拭えなかった。つまらなくはないんだけど何かしっくりこない。 そういった気持ちがずっと引っかかっていたのだけれど、この間鑑賞した「リコリス・ピザ」がかなり好みだったので、この機会に全作品を鑑賞してみた。 PTA作品をざっと通して観ると、監督の作家性というか特徴が見えてくる。PTA作品の全てに共通するのが、家族についてのテーマ。実際に父親との確執や上手くいかなかった自身

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            【映画】ヴェルヴェット・ゴールドマイン Velvet Goldmine/トッド・ヘインズ

            タイトル:ヴェルヴェット・ゴールドマイン Velvet Goldmine 1998年 監督:トッド・ヘイン 1998年当時、ブライアン・イーノの「Here comes the warm jets」にハマっていた僕は、劇場の大音響で鳴らされる「Needles in the camel's eye」に心が躍った事をよく覚えている。しかし四半世紀ぶりに再見した本作で覚えていたのはその部分だけで、映画の大半は忘れてしまっていた。久しぶりに観た印象も実在のミュージシャンに比べると、俳

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            【映画】なまず Maggie/イ・オクソプ

            タイトル:なまず Maggie 2018年 監督:イ・オクソプ かなり映像がスタイリッシュで、コントラストが際立った色使いや、線を意識したミニマルな構図、シネスコを生かした横移動のアングルなど狭い世界観を程よいダイナミズムで描いた映像は観ていて楽しい。それ以外にも部屋や小物なども小洒落ていて、視覚的な刺激が次から次へと登場してくる。 短編が積み重なったような10分刻みくらいで出てくる小タイトルがついたストーリーの展開は、全体的にシュールな短編漫画の連作を思わせるような造りに

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            【映画】アレックス Irreversible/ギャスパー・ノエ

            タイトル:アレックス Irreversible 2003年 監督:ギャスパー・ノエ ブルーレイで久しぶりに再見。とにかく”体力がいる””観ていて疲れる”映画の筆頭でもあるのだけれど、やはり鑑賞後感の圧倒されっぷりは20年近く経った今でも充分なインパクトがある。 改めて観て感じたのが、おぞましいほどの暴力と緊張感に溢れた前半部分に対して、後半の3人の会話以降の部分の映画としての作りの良さが際立って見えた。セリフに関しては殆どがアドリブで成り立っている事もあって、役者の力量にか

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            【映画】テオレマ Teorema/ピエル・パオロ・パゾリーニ

            タイトル:テオレマ Teorema 1968年 監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ 60年代とは思えないほど洗練された映像美に耽溺するだけで充分な映画かもしれない。どのシーンもスチール写真だけで並べられても美しく感じられるのは、クライテリオンによる4Kリマスターだからこそ味わえるもの。豪奢な建物ヤフー、ミラノ郊外の風景、自然、農場、教会など人物以上に饒舌な語り口を感じさせる。 どの視点で観るかで感じ方が大きく別れる映画でもあるが、冒頭から差し込まれる荒野のシーンなどを観ている

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            【映画】あなた自身とあなたのこと Yourself and yours/ホン・サンス

            タイトル:あなた自身とあなたのこと Yourself and yours 2016年 監督:ホン・サンス こういうトリッキーな話のホン・サンス映画はかなり好きだ。ホン・サンスらしい会話劇と、頭を混乱させられる設定は程よい緊張感を生み出す。 過去作でいえば、バラバラになった手紙そのままに時系列がバラバラになる「自由が丘で」や、物語内で物語が綴られる「教授とわたし、そして映画」、同じ設定が3度繰り返される「3人のアンヌ」辺りに手応えを感じた人は必見だと思う。 この作品が日本未公

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            【映画】イントロダクション Introduction/ホン・サンス

            タイトル:イントロダクション Introduction 2020年 監督:ホン・サンス 舌ったらずな饒舌さを感じさせた「あなたの顔の前に」と比べると、さらにミニマルに削ぎ落とした内容になっていた「イントロダクション」。”Introduction”という言葉の意味を引くと紹介、導入、序説、前置き、入門と書かれている。3章立てで作られたこの物語はいずれも導入と言えるし、2章3章はその前の章の紹介にもなっているとも言える。主人公ヨンホの立場が章ごとに変化していくが、彼の中にある抱

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            【映画】ワンダ Wanda/バーバラ・ローデン

            タイトル:ワンダ Wanda 1970年 監督:バーバラ・ローデン 映画の存在は知っていたので、前から観たいと思っていたけれど、ほとんど前情報を入れずに観て冒頭から驚いた。手持ちカメラや、散らかった部屋、炭鉱の風景(しかも家の窓から見える風景がそれ)の連続に一体これは何処の国なんだ?と不思議に思った。言葉やその後の風景を見ればアメリカだと分かるのだけれど、明らかに質感のそれはヨーロッパの映画の様だし、思い返してみても1970年の頃のアメリカの映画で、ある程度資本が入った作品

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            【映画】わたしは最悪。 Verdens verste menneske/ヨアキム・トリアー

            タイトル:わたしは最悪。 Verdens verste menneske 2021年 監督:ヨアキム・トリアー 何者かになりたいという気持ちを抱えながらも、目新しいものに目移りして次々と手を出して中途半端になって時間ばかりが過ぎていく。やりたい事、目指したい事を遂げるためには、学んだり技術を体得したりしなければならず、それだけでも多くの時間を割くことになる。とまあこんな事を書きながらも、僕自身中途半端な事ばかりしてきたので耳が痛い。この物語が共感を呼んだのは、多くの人がどこ

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