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記事一覧
【映画】ぼくのお日さま/奥山大史
タイトル:ぼくのお日さま 2024年
監督:奥山大史
シンプルなストーリーの中に三人の居場所が示されていて、それは真っさらな状態から作る場所であり、築き上げてきたものを磨き上げる場所であり、終わった後の先の新たな場所である。
一見シンプルなようで、三者三様の場所を分かち合う時柔らかな光が差す場所になる。スケートリンクに差し込む光が生み出す陰影は、ひとりとふたりと三人では映し出される心の模様は不思
【映画】エイリアン ロムルス Alien Romulus/フェデ・アルヴァス
タイトル:エイリアン ロムルス Alien Romulus 2024年
監督:フェデ・アルヴァス
久しぶりにダラダラとエイリアン4を観た。ジャン・ピエール・ジュネらしい雰囲気とエグさが同居している部分は今みても良かったが、後半のタイムリミットとその後が示唆されない(クローンリプリーが地球に着いたら人体実験が繰り返されるだけ)部分が腹落ちしなかった。
それにしても本作ロムルスは蛇足以外の何者でもな
【映画】デビルクイーン A Rainha Diaba/アントニオ・カルロス・ダ・フォントウラ
タイトル:デビルクイーン A Rainha Diaba 1973年
監督:アントニオ・カルロス・ダ・フォントウラ
キャンプ映画といえばそうなのかもしれないが、フレンチカルチャーからの影響の強いブラジルにあって(ある時期まではリアルタイムで相互関係にあった)ヌーヴェルヴァーグからアメリカンニューシネマの延長線上にある映画なのは間違いない。自滅的な展開と、悦楽的なキャンプ感は70年代アメリカの空気と
【映画】風が吹くとき When the wind brows/ジミー・T・ムラカミ
タイトル:風が吹くとき When the wind brows
監督:ジミー・T・ムラカミ
レイモンド・ブリックスの名作「風が吹くとき」の映画化作品で、37年ぶりの上映となる。37年前の上映時、まだ七歳だったが親に連れられて渋谷に観に行った記憶が残っている。幼い頃は無垢な老夫婦が被爆する可哀想な話くらいにしか受け止めていなかったが、さすがにこの歳になると見方は全く変わってくる。我々日本人は「はだ
【映画】墓泥棒と失われた女神 La Chimera/アリーチェ・ロルヴァルケル
タイトル:墓泥棒と失われた女神 La Chimera 2023年
監督:アリーチェ・ロルヴァルケル
「幸福なラザロ」のアリーチェ・ロルヴァルケルの新作「墓泥棒と失われた女神」。登場人物たちがガヤガヤとすったもんだする感じはフェリーニっぽい雰囲気があったり(インスピレーション元として「ローマ」を挙げている)、クストリッツァみたいなオフビート感も若干感じつつヨーロッパらしいテンポ感が懐かしくも心地よ