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記事一覧
【映画】パリでかくれんぼ Haut bas fragile/ジャック・リヴェット
タイトル:パリでかくれんぼ Haut bas fragile 1995年
監督:ジャック・リヴェット
映画としてのスムースさより、画的な強さを選んでいるせいか物語としては破綻していたり、閉じなかったり、ぎこちなさが散見される。しかしこの映画の魅力は表面的な作り上がりではなく、場面場面にある感情と躍動感の瞬発的な画の力強さだと思う。かなり緻密に作り上げたカメラワークと、俳優陣の体を張った演技と視線
【映画】異人たち All of us strangers/アンドリュー・ヘイ
タイトル:異人たち All of us strangers 2023年
監督:アンドリュー・ヘイ
山田太一版の、というより大林宣彦版の「異人たちとの夏」の内容を反芻しながら観てしまうのは仕方ないにしても、それ抜きに観ていたらどの様に受け止めていたのだろうとふと考えてしまう。
もともと怪談っぽさとマジックリアリズム的な過去との邂逅が前面に出ていた映画だけに、ファンタジックな描写は大きく異なってくる
【映画】英国式庭園殺人事件・ZOO/ピーター・グリーナウェイ
世代によってアダプトしにくい作家、監督、ミュージシャンがいて、特に十年くらい前の近過去のものほど意外と繋がりにくい事が少なくない。僕の中でピーター・グリーナウェイはそのひとつだったりする。現在サブスクに作品があまり無い事も、振り返る上で阻まれる事の要因のひとつでもある。これはグリーナウェイに限った事では無いのだけれど…。
常にピックアップされ、時代がかわっても紹介されるヒット作や名作はアダプトしや
【映画】エリス&トム Elis &Tom – Só Tinha De Ser Com Você/ホベルト・デ・オリヴェイラ、ジョン・トブ・アズライ
タイトル:エリス&トム Elis &Tom – Só Tinha De Ser Com Você 2023年
監督:ホベルト・デ・オリヴェイラ、ジョン・トブ・アズライ
「三月の雨」の7thコードの展開形のイントロからエリスとジョビンの折り重なる歌を聴くだけで涙腺が緩む。穏やかで融和な雰囲気溢れるアルバムだと思い込んでいたが、融和というよりも宥和な状態から作り出されたアルバムだった事が明らかにされ
【映画】ミレニアム・マンボ Millennium Mambo/ホウ・シャオシェン
タイトル:ミレニアム・マンボ4k Millennium Mambo 2001年
監督:ホウ・シャオシェン
2000年前後のあの時代がフラッシュバックする。舞台が台北であっても(途中で夕張と新宿が出てくるが)、振り返れば時代が持つ独特な空気や色合いがまざまざと蘇ってくる。ブラックライトの妖艶な輝きの中で蠢くナイトクラビングや、部屋のカラフルなインテリアなど、かつて東京でも見てきた風景の一部でもあっ
【映画】夜明けのすべて/三宅唱
タイトル:夜明けのすべて
監督:三宅唱
夜の闇の中で遠くに光る武蔵小杉のビル群。星のように輝く街と横切る浅草線。東京城南地区に当たる大田区の南側に住んでいる自分にとっては身近な場所と風景である。舞台となる栗田科学株式会社のある馬込辺りは、頻繁に訪れる場所ではないにしろ、知人が住んでいたり、郷土博物館を訪れるために足を運ぶ事がある。浅草線の車庫は、池上本門寺の端にある梅園のすぐそばにあり、国道1号