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[詩]五月雨と初恋


五月雨は緑色の糸を結び
独り悲しく待ち惚け
あなたの影帽子探していたよ

グラフェンの雲が削れていく
爪を噛んで喉に刺さる
水面を爆ぜる蛙が心のようで

恋は盲目にさせるって誰が言ってたけど
僕は流れる人の中君を探しては苦しくなった

好きと言えずに曖昧な感情を張り巡らせては
また明日が精一杯で
僕はあなたのことが好きだと伝えたら
もう明日はやってこないから

葉桜は錆色の杭を落とし
雨宿りには頼りない
冷たい手を独り握っていた

グラジェントの空間を見て
指を結んで何を数える?
八方塞がりの打開策でも

恋すると胸の痛みを知ると辞書にあるけど
僕には痛すぎるもう胸が裂けて風船みたいだ

好きと言えずに胸に溜め込んで溢れそう
過ぎた時が朽ちる
僕の気持ちを気づいて欲しいから
愛しくて寂しくて苦しくて

放課後のチャイムは告白までの限界点
そんな青春の淡い一ページ
あなたにとっての僕との会話は泡ほどの重さだとしても

好きと言えずに愛の天文字を描いて
恥ずかしくて消した
僕はあなたのことが好きだと伝えたい
届かない想いを磨いてる

初恋それは五月雨のように淡く切ない物語

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