「生きる」を支える寺 東岩山 秀林寺 1/2
寺の役割と住職の務め
曹洞宗東岩山秀林寺(とうがんざんしゅうりんじ)[瑞雲院(ずいうんいん)末寺]の創建は元文三年(一七三七年)勅特賜仏心大光禅師天巖詮尭大和尚(ちょくとくしぶつしんだいこうぜんしてんがんせんぎょうだいおしょう)により開山されたと言われます(大本山總持寺の記録では一六七八年には存在していたと記される)。その後、文久元年(一八六一年)に全焼、明治十二年中渡大火で類焼と二度に渡り火災に見舞われますが、大正十年に本堂が再建され今に至ります。そんな歴史ある秀林寺の第十九世住職として平成十九年より鮭川村へ移り住み、お葬式やご法事といったご供養はもちろん、村の人々に寄り添い、地域のために力を尽くされておられる遠田旭有(えんたきょくゆう)老師からお話しを伺いました。
[遠田住職]お寺は決して死んだ後に来る所でもなければ、来ると寿命を吸い取られる所でもありません(おばけがウヨウヨいる所でもないです笑)。お寺は生きているうちから足を運び、生命や生き方を学ぶ所。そして生まれてから亡くなった後まで、皆様を支えるのが住職の務めです。お寺に来れば、解決策や答えが必ず見つかるとは断言できません。しかし、何かあった時は一緒に考え、一緒に悩ませて頂きたいのです。仏教とは人生を生きづらくする「心の病」を治すものです。この私も今考えてみると、悩むことが多く人生を生きづらいと感じる性分だからこそ、この道に進んだように思えます。
秀林寺は、私で第十九世になります。ご先代の方々のご遺徳を守りながら、皆様の声をお聴きし、皆様にとって心のより所となる「生きる」を支えるそんな寺で有れるように、日々努めて参りたいと思っております。
平癒を祈願した「不動堂」
不動滝を奥の院として、老杉に囲まれた不動堂。本尊は石像で、お堂は壮大なつくり。その由緒は、元禄元年(1688年)死者を出す熱病が流行り、不動滝沢に不動明王をまつりその平癒を祈願したと言われています。
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