マガジンのカバー画像

【下】V系ライブレポ芸人の自伝小説【カサンドラ】

25
私の不幸は、全部お前のせいだ。
運営しているクリエイター

#カサンドラ症候群

【カサンドラ】~第3章~  23.2000-観覧車

かつて理子の車で何度も夜を過ごした山下公園は、私にとってもナンパスポットではなくなり デ…

【カサンドラ】24.告白

あれから直樹は結婚の話に遠まわしに触れることが多くなり、 車で教会の前を通れば、あの扉か…

【カサンドラ】25.  堕胎

決定的な溝を作ってしまったと思ったものの 翌日直樹が泣いて電話をしてきて、関係を終わらせ…

【カサンドラ】26.2019-ブログ-3

ブログを見つけてからというもの、大地からのLINEは殆どが渡辺の話題で、 つい先ほども新たに…

【カサンドラ】27.2002-再生

店長経験があるおかげで面接に落ちたことがなかった。 身体を壊し仕事を辞めては別の店に再就…

【カサンドラ】28.  2003~2006 虚心

引っ越した自宅前の小さなビルの2階に、居酒屋があった。 元々その店の客だった私は、休みの前…

【カサンドラ】29.  バセドウ病

幸か不幸か、惚れた腫れたに感情を左右されない生活では仕事が捗り、 新しい会社に店長で入社して、半年ほどで本社企画に移った。 シーズンごとに決められた型数の絵型を描き、それをOEMメーカーに依頼して 商品サンプルを上げる。 その流れの中で、OEMメーカーが提出してくる「仕様書」というものが描けるようになれば "デザイナー"と呼ばれるポジションで仕事をすることができると知った。 私は自分の仕事をしながら見様見真似で、カットソーの仕様とイラストレーター、フォトショップを覚え 一ヶ月

【カサンドラ】 30.ゴミ貯めの家-1

私が実家を出てからしばらく、両親が2人で鎌倉の家に住み続けていたのだけれど、 このまま家賃…

【カサンドラ】 31.本性

久しぶりに千恵と2人で飲みに行った。 千恵は人生を左右するほどの大きな恋愛に2年ほど苦しみ…

【カサンドラ】 32. 絶男

***************************** あの後何か会話を交わしたのか、 原田がいつどうやって帰った…

100

【カサンドラ】38.ゴミ貯めの家-2

父が70を越えた頃 私が生まれ育った家の大家が、土地ごと手放すらしいということで あの鎌倉の…

【カサンドラ】 39. ゴミ貯めの家-3

後部座席の窓から外が見えないほど、いっぱいにゴミ袋を積んで自宅に着いた。 私は脇目も降ら…

【カサンドラ】 40. 古傷

もう、何も考えたくなくて、自宅のベッドに横たわっていたが 何もしないと同じことばかりを考…

~第4章~【カサンドラ】41.2015~2019

何年も、同じ部屋で同じことを繰り返し 何年も、同じような日々をやり過ごした。 私の身体は徐々に人間すべてを受け付けなくなり バセドウ病発症時の症状であった、飲食店で食事が摂れない会食恐怖症というものが再発し、徐々に人と会わなくなっていった。 その後は人との少しの会話で吐き気に襲われ、言葉を発せなくなるという 謎の病に苦しんでいた。  病院に行っても、神経症の一種と言われるだけで 出される薬は何も効かない。 ひとりでの行動しかできないことを、うまく説明することができず バンギ