徒然詩


2021年 東京五輪 前月


それは私の腹の中から
抑えきれない、、、、
そうドブが溢れたような
澱が浮いて 酸いた臭気が漂い
その粘膜のスロウモーションに
嗚呼、不快な、実に、歪む、顔
それは 口から 他人へ 世界へと
鳥を介して広がりをみせ
この世界にから 会話を消し去る

人間=神? 人間=動物?
人間=H、C、O、N、S、Na、Cl、K、P、Ca、Mg……


王になるべき人間が
神になるべき人間が
雄と雌との契りを交し
工場流してどんぶらこ

林檎を齧る素振りを見せた
彼の者の名は、全裸王
 
伊勢海老と労働の灯火を下に
シーオーツーとエタノール

ハハハッ! 
お前は実に生き物めいた
ただの生殖器だ!

誰も彼もがヒューマンなんて
名乗っちゃいるけど実際は
一度たりとてあの赤い実を
かじっちゃいない 全裸族

天涯孤独


この言の葉を
どうして僅かに伝えられよう
実に自暴自棄だ
それは己の肺を掻きむしり
足の裏に節足動物がよぎっても
なおも日の目を見ることもなく
明日に打ち勝つことも無く
地底の底へ沈みゆく

どちくしょう  
オレの   オレの心の何もかも
伝わるわけがないのだ

このオレのオレたる心地は
宇宙なれどオレにしか分からず
生まれたということは
一生
当たり前のように
オレたちは
孤独なのだ



おとなこども


「愛してるよ」
その言葉で
私の心は抉られて
拳よりも激しい
搾り取られる痛みを
いつまでも いつまでも
逃れられずに受けるのだ

その囁きは借財のように
振り積もれば降り積もるだけ
私の命を削るのだ

喉を締められ
接吻をされても
私は微小をうかべながら
「ありがとう」
と呟かなくてはならない

呪いは家を伝い
書簡に記され
世間に落ち
例え
例え裏側へゆこうと
私の中で
生きうるうちに延々と
廻り続けるのだ

紅色の真実


腹を割いて出てきたその憎しみをお前はステーキにして食うのだから、アハハッ! 手を叩いて笑うのに、鬼の面してエタノールまみれにするから、足の下に潜む有象に、少しばかりの胡椒と、恒久なるまじないをかけた。ここは八百万の神の国。


ありとあらゆる全てにおいて


「そう」
それがいい

「そうなんだ」
それでいい

全ての思考に
全ての生き方に
全ての存在に
「そう」
とごく平凡に

今月末が誕生日だと
つげられたように

明日は曇天だと
聞かされたように

このアイスが好きだと
美味しそうに頬張る人を
見つめながら

心の温度を
ひとつもかえず

瞬きすることも
意識しないくらい

柔らかに受け流せる
そんな
当たり前な
毎日がくればいい

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