すいさいどう

日々感じたことを文章にしてみる。 音楽、ホラー小説好き。

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最近の記事

実写版『耳をすませば(2022)』感想

実写版『耳をすませば(2022)』 少女時代雫役の安原琉那、演技上手いなー。「天真爛漫ちょいウザ元気っ子×年齢なりに思慮なし思春期ガキ女子」の質感がリアルだった。雫の友達女学生役も「田舎純朴恋愛脳×三つ編みおさげ」がリアルな感じでナイス。 成人後天沢聖司役の松坂桃李は爽やか王子様過ぎて完璧な実写化だと思うのだけど、コテコテすぎてなんだか見てる側が恥ずかしくなりますな。 1987年や1998年の日本の再現度についても中々良かった。「アニメ表現×上澄み40%くらいに抑えた8

    • ミッドサマー 感想

      事前情報でさんざん脅されてたのでかなり覚悟して観た。心の準備があったからなんとか耐えられたけど、何の情報も無ければちょっとしたトラウマになるのは確実。 とにかく見たことないタイプのホラーで新鮮。陰鬱な雪の夜から始まるオープニングからホルガ村の白を基調とした画面の対比が美しい。ヘルシングアイランドへ入る車のカメラが反転してく不安感に車酔いしそう。 明るく神聖な感じがするのに厭な予感がみしみしと首をもたげてくるホラーのバランスが新しい。で、厭な予感がしてくわりにはクライマック

      • 白河夜船『狂人教育』舞台映像を鑑賞して

        ~白河夜船『狂人教育』舞台映像を鑑賞して~ 《感想》 とりあえず生さん、演劇集団Qで演じてたブッ壊れな役の印象が強いのでこんなヒロイン的美少女だっただろうか?とビックリした。見たことあるけど誰だか思い出せないなぁと思いながら観ていた。声も見た目もヒロインだ。この家族の中で唯一他人への想像力があって異質だからあの結末は序盤から予期せられる。 祖父役の大崎緑さん、飛び抜けて美しいなぁと思いながら見てたが、後で調べると元タカラジェンヌ…!そりゃキレイなわけだし演技もずば抜けてる

        • 2010年代のライブハウス界隈の文化、50年後にはまるっと暗黒時代になっちゃわない?という話

          ライブハウスの出演スケジュールについて調べていて思ったのだが、デジタルアーカイブなり出版なりされてないと、2010年代の音楽史のエキサイティングな部分、まるっと消えちゃわない? 現代は情報の大発信時代だけど10年後にそのデータはどれだけ残るよ?って話でもあって。調べたい時には過去フライヤーやアーティストのHP、SNS告知、個人サイトを辿るくらいしかないかな?でも正直各種SNSでの宣伝された公演情報ってやっぱ一時的なものじゃないですか?バンドが解散したりメンバー脱退でアカウン

        実写版『耳をすませば(2022)』感想

          超アイドルちぃちゃ『スイカ』という歌について

          7/27はスイカの日らしいです。 ということで超アイドルちぃちゃさんの『スイカ』という曲を紹介してみます。 https://youtu.be/6HP0MYkhjVc 明るい曲調なのに妙にずっしり心に残って好きな歌。 何でこんなに心に響くんだろうな。 自分をスイカに例える一風変わった歌詞で、一個も嘘がないからかな? どかどかどん! ずしずしずん! ちぃちゃさん、歌詞の通り歌もダンスもすごい上手いタイプってわけじゃないけど、決して広くない声域一杯に声張って歌ってるのが

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          《# 2023年自分が選ぶ今年上半期の4枚》というタグを見て考えたこと。

          自分も上げようと思ってPixiv、Twitterのメディア欄を遡ってみたところ、完成絵、彩色済み絵が思っていたよりもずっと少なかった。 線画/途中絵こそ投稿数はあるが、これらを作品だとはとても言えない。無論この中から4枚を選ぶとかいうレベルではない。それ以前にクォリティも低い。 惨憺たる有様だ。とにかく絵を描ききる、完成させるというプロセスを踏んでないのだから下手で拙いのは当たり前だ。納得いくまで描ききってないんだから、改善や成長も少ない。 いや、自分なりに改善や課題に

          《# 2023年自分が選ぶ今年上半期の4枚》というタグを見て考えたこと。

          篠たまき『やみ窓』 感想

          篠たまき『やみ窓』 2023.5.4読了  《あらすじ》 もの寂しい団地の一室、宵闇の中で毎晩女は待つ。窓辺を訪れるモノたちと商いをするために。この窓の向こうは夜だけ異界とつながるらしい。彼らが持ってくる品と物々交換したものをネットで売れば存外の金になる。異界のモノたちとの商いはリスクを伴うものの寄る辺なき生活を潤し、静かに女の日常になってゆく。 《感想》 連作短編。ホラーとして特集された縁で本作を知ったが、むしろ枯淡ともの寂しさを感じる幻想文学であった。丁寧な手触りでし

          篠たまき『やみ窓』 感想

          背筋『近畿地方のある場所について』感想

          近畿地方のある場所について - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16817330652495155185 web連載にて2023.4.20読了 めちゃくちゃ面白い。 作者さんのtwitterアカウントといいサービス精神の塊で超エンタメ。 The誠実なブービートラップ。 ホラーってちゃんと安全に気持ちよく楽しめるのがやっぱ大事よね。 で、これ実はプロによる仕掛けじゃないかと思ってる。流石に情報開示と構成が巧みすぎる。 『どこの家にも怖いもの

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          阿泉来堂『ナキメサマ』 感想

          阿泉来堂『ナキメサマ』 2023.4.13読了。 ≪あらすじ≫ 元恋人の消息が知れないと聞き彼女の故郷に向かう主人公。北海道の奥地にあるその村では二十三年ぶりに行う神事に沸いていた。部外者であるはずの主人公はなぜか歓迎され祭りを見て行けと言われ何日か滞在することになる。招かれた屋敷でふと夜目を覚ますと謎の人影を見かけ、つい追いかけてしまう。真夜中の神社観たもの、そして祭りの詳細について口を噤む村人たち。ナキメサマとは…。この村には何か秘密がある。 新鋭ホラー作家による民

          阿泉来堂『ナキメサマ』 感想

          澤村伊智『ばくうどの悪夢』感想

          澤村伊智『ばくうどの悪夢』 2023.3.23読了 これまでの比嘉姉妹シリーズで最低最悪の「怪異」に震えた。 人の心を徹底的に破壊する絶望。 安らぐ瞬間や居場所さえもなぶり尽くす虚無、陰惨な悪意。 穢らわしい夢。穢らわしい安息。究極の現実逃避。 人間の悪意も、怪異の悪意も、現象の規模もぶっちぎりにエグくて気が滅入る…。 京アニ事件への言及、無敵の人をテーマにした物語の設定や構造が悪意ありすぎて、その劇毒にはほとほと滅入る。 あまりの残酷さと不快さに読んでいる間ずっと

          澤村伊智『ばくうどの悪夢』感想

          悪文に会うのって実は難しい?という話

          日々の中で自分の感じたこと、考えたことを 文章化する訓練をしたいと思ってnoteの投稿を始めようと思った。 というのは久々にちょっと困惑するような 『悪文』に出会って、衝撃を受けたからだ。 文意の伝わる言葉を編むのは、 生きてきた年齢や経歴、学歴とは全く別の能力なのだろうか? 長い間文章なんて誰でも描けるものだと思っていた。 でも実はちゃんとした文章、読みやすい文章を書けるって 結構貴重なスキルなのかもしれない。 自分の思いを散文的にまくしたてて伝えるのと、 相手のこ

          悪文に会うのって実は難しい?という話