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阿泉来堂『ナキメサマ』 感想

阿泉来堂『ナキメサマ』
2023.4.13読了。

≪あらすじ≫
元恋人の消息が知れないと聞き彼女の故郷に向かう主人公。北海道の奥地にあるその村では二十三年ぶりに行う神事に沸いていた。部外者であるはずの主人公はなぜか歓迎され祭りを見て行けと言われ何日か滞在することになる。招かれた屋敷でふと夜目を覚ますと謎の人影を見かけ、つい追いかけてしまう。真夜中の神社観たもの、そして祭りの詳細について口を噤む村人たち。ナキメサマとは…。この村には何か秘密がある。

新鋭ホラー作家による民俗学ホラーミステリ。



《感想》

重大なネタバレあり。

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サクッと読める因習村土俗ホラー。実体として視認出来てしまうタイプの怪異なので全然怖くなかった。怪異のルックスの全貌を具体的に描写しちゃうと妖怪とかモンスターカテゴリに入っちゃうので致命的に怖くない。やっぱこういうのはチラリズムが良いのよ。

漫画なら怖い絵がある方が断然良いけどホラー小説だと怖い絵は要らないなぁ、と再確認。一瞬チラ見せで「よく分からないけど良くないナニカ」であるのが最上と思う。 なおトリックはかなりあからさまなので、中盤から最後まで特に驚きはなかった。

終盤の怪異の暴れっぷりはギャグっぽくて爆笑しながら読んでた。もはやバラエティ番組のお約束的演出に見えてしまうレベル。 ロマンチック期待していざ蓋開けてこの仕打ちだったら、まあそりゃキレるよね。最低結婚式に新婦がキレて破壊するパターンのコメディ。 ホラー小説ってホントに難しい…。

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