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背筋『近畿地方のある場所について』感想


近畿地方のある場所について - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/16817330652495155185

web連載にて2023.4.20読了

めちゃくちゃ面白い。 作者さんのtwitterアカウントといいサービス精神の塊で超エンタメ。 The誠実なブービートラップ。 ホラーってちゃんと安全に気持ちよく楽しめるのがやっぱ大事よね。

で、これ実はプロによる仕掛けじゃないかと思ってる。流石に情報開示と構成が巧みすぎる。 『どこの家にも怖いものはいる』な構成、53など数字の符号による暗示、怪異の芸術性に三津田信三先生リスペクトを所々に感じる。 というか実は三津田先生本人だと思ってる。速筆ぶりとサービス精神がわりとまんま。阿澄思惟『忌録』みたいなパターンじゃないかって思ってる。

仮にプロによる作品じゃなかったとしたら、ホラー界における稀有な才能の出現なのでかなり嬉しい。 まっしろさんとか黒い鳥居が描かれた呪いのシールとか好みすぎるんよ。ホラーはフィクションに限る派だけど、実話系もやっぱり好きなので、明らかに実在するあのダムや地名を想起させる描写はやっぱ嬉しいですね。 オカルトホラーの怖さって楽しくて気持ちいい。そういう気持ちをくれる作品だと思う。最高。

増補しての書籍化、嬉しい。 中の人、三津田先生じゃないだと…?いや三津田先生じゃない新人さんならそれはそれでめちゃくちゃ嬉しい。 三津田先生を超える「快感のある怪談小説」を描けるホラー作家をずっと探してるけど、マジでおらんのよな…。人怖じゃないオカルトホラーこそ至高。


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