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「幸せの科学」聴講ノート②

300年以上の歴史を誇るイェール大学で、史上最も人気のコース「幸せの科学(The Science of Well-Being)」。有難いことに、一般向けにオンラインでも無料で公開されているので、聴講してみた。講師はローリー・サントス教授。

一部は和訳も。プルダウンメニューでJapaneseを選択。

お金、物、恋、容姿、成績。どれも長期的な幸福度には良くも悪くも大きな影響を与えないそうだ。仕事に関しては、高収入や評判は幸せに繋がらないが、自分の強みを使って社会貢献するなどして満足を得ることはできるらしい。結婚は、最初の1-2年幸福度が上がっても、その後は元の幸せ水準に戻ってしまうという。私達が立てる目標の多くは、長期的な幸せをもたらさない。一流大学も、ダイエットも。一方、何かに失敗しても、例えば面接に落ちても、自分の予想ほど幸福度に影響しないという。直感は、何が自分を幸せにするかの判断を間違えやすいらしい。

脳は、絶対的に考えるより、相対的に考えてしまうそうだ。つまり、周りの人達や、他の状況と比べることで、幸せかどうかの判断をしてしまう。先日、小学校低学年の長男が「明日、弟だけ学校お休みでズルい!」と不機嫌なので、早速説明に使ってみた。「お兄ちゃんが休みの時もあれば、弟が休みの時もあって、いつもフェアではないよね」と話したうえで、「脳ってね、幸せかどうかは皆んなと比べて決めちゃうことが多いんだって。例えば、美味しいチョコレートをひとつ貰ったとするでしょ。でも、友達みんなはチョコレートを沢山貰ってたら、あんまりハッピーじゃないよね。じゃあ、チョコを貰ったのが自分だけだったらどう?」というような感じで。そうしたら、すんなり分かって機嫌が良くなった。と思ったら、翌日またズルいと言い出す。再び説明すると、再び納得した。駄々をこねると直ぐに怒ってしまう子育てから、ほんの少しずつ進歩。今でも怒鳴ってしまうが、この講義を応用し始めて以来、息子が「ママってとってもとっても優しい」と何度か言ってくれて、幸せの科学に感謝だ。

では、どんな習慣が科学に基づいた幸せの秘訣だろうか。

○ 享受する、味わう(savouring)。食事や散歩など何でもいいので、好きなことをしてポジティブな経験を味わう。又、何故それが自分をハッピーにしたのかを振り返る。幸せな経験も慣れると幸せだと感じなくなってしてしまうが(快楽順応→下の記事をご参照)、じっくり味わったり振り返ったりすることで、新たに幸せを感じられる。又、快楽順応を避ける為に、好きなことは途切れ途切れにすると良いそうだ。逆に、嫌いなことは一度にする。享受することで、現在に集中でき、経験の感謝に繋がることも。更に、こんな経験ができるなんてラッキーだと考えたり、人に話したり、写真を撮ったりすると効果的だという。所有物には慣れてしまうので、物から来る幸せは長続きしない。それよりも、食事や旅行など経験にお金を使うと良いそうだ。

○ 感謝することを毎晩書く。最低でも5分は使って。これは、幸福だけでなく、ストレス解消、免疫力の向上、血圧を下げるなど、健康にも良いらしい。

○ 誰かの助けになる、或いは良い影響を与える親切な行動をする。同僚を助けたり、ボランティアや寄付をしたり、他人に優しい言葉をかけたり、感謝の手紙を贈ったり。親切をすることで、気分の向上や、人との繋がりを感じられる。

○ 人と繋がる。店員さんでも、電車の乗客でもいい。また、週に1時間は、大切な家族や友達と1時間話す。

○ 毎日最低30分、運動。週に4日は7時間以上の睡眠をとる。寝る前にスマホを見ない、カフェインやアルコールを避ける、など睡眠の質も良くする。抗鬱剤よりも効果があったという実験結果も。

○ 瞑想。最初は毎日5分でも。みんな、起きている時間の半分近くは今に集中せず、過去や将来のことなど考えているとか。しかし、そういった思考のさまよいは、人を幸せにしない。瞑想をすると、瞑想していない時でさえも、現在に集中できるようになるらしい。

サントス教授曰く、これらを知っているだけでは幸せになれない。習慣を変え、行動を変える必要がある。どれも、毎日成果を書き留めて、進歩状況を追跡する。全て一度にではなく、自分に合った方法を選べば良いらしい。以前、長男の小学校でも、「感謝の箱を作って、1日ひとつ感謝することを紙に書いて入れましょう」という宿題があった。小さな子供から大人まで使える簡単な習慣で幸せになれたら♪


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