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少し理屈っぽいお話をします

昨日の記事を書いていて思い出したことがありまして。
今日は少し理屈っぽいお話をします。
(「いつもの事じゃん」って言わないで下さいね)

昨日の記事↓

アルフレッド=アドラーという名前が日本で知られてきたのは、10数年くらい前からかなぁ…と思います。

30代の始め頃からカウンセリングを学び始めた当時、アドラーの名前は何となく聞いてはいたのですが「フロイトやユングと同時期に居た精神科医」くらいの認識でした。

しばらくして私がカウンセリングを仕事にしようと動き始める少し前、「嫌われる勇気」がベストセラーとなり、そこから一気にアドラーの名前が世に出たと感じています。

一時期は本屋の自己啓発関連の棚が、アドラー関連の本で埋め尽くされていたモノです。
「アドラー心理学」やら「アドラー流○○術(子育てとかコミュニケーションとか)」なんてタイトルがずらっと並んでいた記憶があります。

私も少し遅れて「嫌われる勇気」を読んだのですが、最初に読み終えた感想は「なんだ、この本は???」でした。

私がそれまで学んで来たカウンセリング技法とは全く違う、真逆というかその技法を否定されたような感じになりました。

そこで他のアドラー心理学の本を読んでから、また読み直しました。
結果、合計4回読み直してやっとアドラー心理学の言いたいことを理解出来た、という経緯があります。

つまり私が学んで来たカウンセリング技法はフロイトやユングの流れを汲むもので「自分の生きづらさの問題は過去にある」という「原因論」がその根底にあり、一方のアドラー心理学は「今の自分の状態に過去の出来事は関係なく、大切なのはこれからを考える事である」とする「目的論」である、という違いが、私の中で混乱を引き起こしたものと考えました。
(ちなみに私が学ぶカウンセリング技法はカール=ロジャースが提唱した「非指示型来談者中心療法」です)

それからアドラー心理学の書籍を何冊か読んでみたのですが、中にはかなり原理主義的な主張をしているモノもあって、これもアドラー流の主張の一つである「これまで自分が行なってきたことは全て自分が選択して来たもので、その責任は自分にある」という考え方を前面に押し出して、原因論を全く否定する=今の日本で行われているカウンセリングのほぼすべてを否定するような本もありました。
(これにはかなり閉口しましたが)

確かにアドラー流の主張も理解出来るんです。

過去がどうあれ大切なのは「今」であり、その「今」を変えて行くために「将来の自分」を想像してそうなるために「今」すべきことをしていく、というのは理に叶っています。

ですがアダルトチルドレンのカウンセリングをする時、どうしてもその「過去」は切り離せないモノであって、「今の自分」がそうなっているのは過去に原因があり、それは自分がそうなりたくてなったものではなく、そうしなくては生きて来られなかったから仕方なく身に付けた「生き残る術」であって、自分に責任は無かったことを知る事が必要になります。

生まれ出る環境を選択出来なかったことから、子供の頃に親や周りのオトナ達から受けた仕打ちをすべて無かったこととして、或いはそれらすべて「自分が選択し行動してきたこと」として受け入れ、それでもなお「今の自分」を大切にするなんて出来ないんですよ。

むしろその環境で生き残るため、親から怒られないように、親から否定されないように相手の顔色を窺うような生き方を「無意識に選択」したと言ってもらえれば、まだ納得出来たと思うんです。
(この「無意識(潜在意識)」もフロイトとアドラーでは考え方が違います)

それをいきなり「過去の出来事はすべて忘れて、自分を否定するのを止め、これからの自分を大切に生きていきましょう」というのは到底無理な話なんです。

そこで私が考えたのは、その両方をやったらどうなのか、というモノでした。

自分の生きづらさは過去の出来事に起因していて、そこに自分の責任はなく、自分は悪くなかった、悪いことなどして来なかったと知る。

自分は悪いことなどして来ていないのだから自分を責める必要も否定する必要も無いことをしっかりと自覚する。

その上で「今」を見つめ直し、これからの自分を想像出来るようになっていく。

このような過程を踏まないと、特にアダルトチルドレンのカウンセリングは成立しないと考え、今に至っています。
だからこそ、時間も掛かってしまうという難点があり、そこには苦しさも伴うため途中で挫折してしまう方も多いんですが…

ですがカウンセリングを続けて自分が少しづつ変わって行く過程で、過去の出来事も見え方が変わって来るのも事実であり、そうなって来るとそれは「生きづらさの解消」にもつながっている証拠にもなる、というのは自分自身の経験でもあり、お客様それぞれから頂くご意見でもあるんです。

フロイトやユング、そしてアドラーの主張をそれぞれ取り入れていくことで、過去の問題をクリアにしつつ「これからの自分」も見出すことが出来る。
そんなカウンセリングを目指して、今も学び続けています。

昨日の記事「過去を乗り越える」とは、そんな意味が含まれているということを付け足した方が良いかなぁ…と思い、今日の記事としました。

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