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望木心
2022年6月6日 22:58
1ヶ月前、5年間ずっと見続けていたイチョウの木とサクラの木が切り倒された。そこは私の自宅から最寄駅に行く途中の小学校の裏庭だった。道路と裏庭の間に柵があって、そこから伸びるように木々達は生えていた。イチョウの木はとても背が高くて、隣の体育館に負けないくらい大きかった。スーッと空に伸びていて堂々としていた。秋になると青空にとても映える黄金の葉を沢山色づかせていた。私はその姿を見るたびに、冬
2021年12月29日 00:16
大手町から銀座の数奇屋橋まで道を確かめながら歩く。木々に覆われたブルーカラーと白色の電飾が目を惹きつける。か細い木々がようやく半年振りに会えた空に手を差し出しているように思える。その細い身体に巻き付いている電飾は大袈裟なドレスにも見える。鏡のような巨大ビル群と木々の華やかさに惑わされながら、ようやく辿り着いた古い映画館の静けさに自分はほーっと落ち着きを取り戻した。さっきまで居た取り込