同じ本を繰り返し読む、”再読”のススメ
同じ本を何度も読むことが好きだ。
何度も読んでいる、お気に入りの小説に手を伸ばした。分厚い文庫本の上下2巻セット。
これまで気付いていなかった伏線がいくつもある。前回読んだときとは違う人物の心情描写が、いたく胸にしみる。何度目かの再読なのに、気づけば顔をぐしゃぐしゃにして、泣きながら読んでいた。
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再読の習慣は、元々は、仕方なしに始まったものだった。
あまり高頻度では本を買ってもらえなくて、学校の図書館は古くてじめじめしていて嫌で、公立の図書館は少し遠かった。小学