最近読んだ本の話 vol.27

 「最近読んだ本の話」の第27弾です。もう夏です!梅雨がたぶん今日には明けます!このシリーズも第27弾となりました。このまま8月まで続けられるかな?できる限り続けたいです。今週も最近読んだ本を3冊ご紹介します。


1、遠野 遥『破局』

私を阻むものは、私自身にほかならない――ラグビー、筋トレ、恋とセックス。ふたりの女を行き来する、いびつなキャンパスライフ。28歳の鬼才が放つ、新時代の虚無。           -Amazonより引用-

 ずっと気になっていて読みたいと思っていた本です。読む前に想像していたのとは全然違う内容でした。私は作者の思っていることに、物語の重要なポイントに気づけていないのかもしれない、と不安になりながら読みました。人によってかなり解釈が変わりそうな物語です。主人公の青年は悪い人じゃないんだけど結構ひどい目にあっているような…。最後はどうなっちゃうの?という感じで気の毒になりました。読んでみないとわからない、というのは読書の面白さだなあと思います。


2、川上 弘美『わたしの好きな季語』

96の季語から広がる、懐かしくて不思議で、ときに切ない俳句的日常。
俳人でもある著者による初めての「季語」にまつわるエッセー集。散歩道で出会った椿事、庭木に集う鳥や虫の生態、旬の食材でやる晩酌の楽しみ、ほろ苦い人づきあいの思い出、ちょっとホラーな幻想的体験など、色彩豊かな川上弘美ワールドを満喫しながら、季語の奥深さを体感できる96篇。名句の紹介も。                     -Amazonより引用-

 本の装丁が可愛らしくて思わず手に取りました。川上 弘美さんが書かれた季語にまつわるエッセーです。初めて知った季語がいっぱいでした。「日永(ひなが)」は聞いたことがなかったし、「漆掻(うるしかき)」とか「青鬼灯(あおほおずき)」も初めて知った季語でした。あと、「朝顔」「枝豆」「西瓜」が秋の季語だなんて驚きでした。そんな楽しい驚きがいっぱいのお話でした。俳句ってカッコいいなあ、と憧れます。


3、ヴァージニア・ウルフ『波〔新訳版〕』

初刊行から90年、そして45年ぶりの新訳。
『ダロウェイ夫人』『灯台へ』の後にウルフが挑んだ、隠れた傑作

遠い太陽の光が海辺の1日に降り注ぎ、生まれては消える波のうねりを情感豊かに描き出す。
男女6人の独白が物語るのは、幻想のように過ぎた半生の思い出。
くり返す描写と語りが重なるとき、意識が風景に打ち解けていく。
ウルフの傑作が、45年ぶりの新訳で甦る。          -Amazonより引用-

 私は『灯台へ』を1年ぐらい前に買ったのですが、まだ途中までしか読めていません。3分の2までは読めているんですけど…。そんなわけで、今回2回目の挑戦です。このは、『灯台へ』とは全然違うタイプの小説です。登場人物6人のそれぞれの心の描写(独白)が連なって物語になっています。劇のように、詩のように書かれているそうです。こういうふうに私の意識も移り変わっていくなあ、と思いながら読んでいました。最後の章は登場人物の1人のバーナードの独白ですが、読んでいたらあれ?実は6人じゃなくてバーナード1人だったのかな?と思ったり、バーナードじゃなくてウルフの独白じゃないか?と思ったりしました。高揚して書かれているように感じて、それをそのまま残したんじゃないかな、とか勝手に思ったりして、その部分がとても良かったです。時々声に出して読んだりもしたのですがそれも楽しい。この作品はすごい挑戦だと思います。それをここまで到達できるなんて、偉業です。読むことができてよかった。素晴らしい作品でした。


 今週も「最近読んだ本の話」を書くことができました。私が今週ラジオでしゃべっていた、なかなか読み進むことができない本というのは、ヴァージニア・ウルフ『波』でした。今週もぼちぼち読み進みます。最後までお読みくださってありがとうございました。

この記事が参加している募集

推薦図書

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?