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潰散、
涸渇した。
床には1本120円の発泡酒の空き缶、ちらし、枯れたサボテン。虚しい夕焼け。
「殺してくれよ。」
ゆれる電気の紐に向かってそう言った。
言ってみたのはいいものの、うんともすんとも言わない。
こんな細い紐じゃ首もつることができないなぁ
と考えながら脈をはかる。正常。
水道が止められた。
本当に涸渇してしまった。
僕の人生は終わりだ。
ジャンプに挟まってた宝くじが一等だったとかそんなのがないと救われない。
そんな僕は宝くじを買っていない。買う金すらなかった。希望すら与えてもらえない。
ギターを売った。夢は新宿のライブハウスの灰皿の上で死んでいったのである。
これから先の人生、このとてつもない不安だけを背負って歩くのか。
歩くのだるいから座っていたい。
いや、むしろ寝転んでいたい。
そんなことを考えながらバイトの求人をスクロールしていた。
母親の子宮からやり直したい、
遺伝子レベルでやり直したい。
どうにかしてくれよ。
夕暮れ時、
落ちる太陽と堕ちきった僕の間、
1つの絶望がちりぢりに。
大したこともできないから、
ろくでもない人生と煙草に火をつける。
止まった時計が17:04を指していた。
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