実家片付け④ゴミを買うわたしたち
先日、退職して10年近く経つ母の靴断捨離を手伝い、呆気にとられました。
わたしも収集癖があったため、あまり両親を批判しないようにはしていますが…
その数なんと、約70足。
衝撃的でした。母は特別おしゃれでもないですし、退職前も普通の勤め人でした。専業主婦より服や靴の数が多かったのは仕方ないと思うのですが(出勤はもとより、国内外出張に行くこともあった)、それにしたって約70足って……
かたやその娘のわたし、現在の所有数は8足です。
靴長者とのたたかい
そんな猛者といかに靴を減らしたかですが、前回わたしがやってよかったと思った、”全出し”を勧めました。最初は面倒くさいと渋っていましたが、
・わたしが手伝えるのは今だけかもしれない
・季節の変わり目
の2点が割と効いたようで、翌日決行。(それと、どうやらわたしが以前靴を全出ししていた時の光景を見て、少なさに衝撃を受けたよう…)
要不要を判断するのは本人がいれば済みますが、今回の靴も量が量なので「捨てる」ための作業に結構体力がいるんですよね。例えば、箱を潰す作業。
母の場合、何度か実家の片付けを一緒に実行し、すでに「この家の片付け、結構大変だぞ」ということがわかっているため、一人でできるとしてもわたしの手伝いは二馬力になり、有難いもの。
「やってよ!」とか「やりなよ」ではダメ。実家の片付けは、自分が手伝う。これはもう仕方ない。なので手伝う側の心身にも余裕が必要です。
全出ししたら、判断しやすい今の季節〜これからの季節の中から絶対いらないものと絶対いるものを分別してもらい、いらないものの処理はわたしがしていきます。どうしても選べないものは一旦保留し、サクサク次の季節へ。また、判断に疲れてきたら長く眠っていた靴に行くこともありました。
革靴がほとんどだったのですが、カビが生えていることが多い!!どんなにいい靴でも、持ちすぎて滅多に履かず仕舞い込まれ、空気が動かないとこうなりますね…もし履かないお気に入りの靴(コレクション?思い出?)があるなのなら、たまに出して鑑賞でもしない限り、靴がかわいそう。
置いておきたいという未使用品は、季節のものは絶対にすぐ履いてみるようにお願いしました。ちなみに後日履き、「靴の内側が剥がれてきて靴下についた!やっぱりこれ、捨てるわ」なんてことも。笑
とはいえ、未使用のお出かけ靴はなかなか履いてくれないので、本当はいらない(出番がない)のじゃないかな…
結果、約40足まで減りました。わたしは20足まで減らして欲しかったのですが、どうしても捨てたくない!ということで、ここで打ち止め。1/3は減ったので、まあ、成功かな…?今年はもう絶対靴は買わないで、70歳までに30足に減らして、とお願いしましたが、どうなることでしょうか。
母がいかにして靴長者になったか
さて、そんな母の捨てたくない・買い込む・溜め込む理由。
自他ともに認めたのが、彼女の足の小ささ(22㎝)にありました。
本人は「自分の足のサイズに合う靴はかなり少ない」「だから見つけたら・気に入ったら(色違いで)買っておかなきゃ」というふうに思い、何十年も生きてきたようで。
しかし実際70足もの靴があったので、母のサイズに合う靴はあるわけで。思い込みの怖さ…あまりここを改める気はなさそうですが、未使用の靴をまあまあの数捨てたので、資源の無駄という点においては反省して欲しいです。
実は母、服も相当溜め込んでおり、何かコンプレックスがあるとか、買い物でストレス発散しているなどの買い物依存症かも…母とはいえ人のことなので、細かい分析はできませんが、可能性としては考えられます。
また、地方の家というのもあり無駄に大きいこの家(=スペースがある)にて、ダブルインカムで安定した経済基盤(=散財する経済的余裕があるし家計に大打撃を与えない)の元、ちょこちょこと買い物を続け(=爆発的には増えないがじわじわ増える)、30代後半〜今までをこの家だけで過ごした(=引っ越さないので総量を一同に見ることもないし、荷物を減らさなきゃという危機感や焦りを感じたことがない)、という色々が重なり合った理由もあるでしょう。
要因は、ひとつではないですね。
ゴミを買うわたしたち
母のことばかり書くのはフェアではないので、自身の片付けのことも。
わたしも先日、大きな紙袋いっぱいに詰まったものを捨てました。
その袋、大学の交換留学時の作品が入っていると思っていたのですが、手をつけてびっくり。大学時代に行った、海外旅行先で集めたパンフレットやチケット!確かに、グラフィックデザインを専攻していたこともあり、紙ものを集めるのは趣味と勉強を兼ねていましたし、チケットなどを貼り旅ジャーナルを作るのもいっときハマっていました。
しかも、その紙袋に入っていたものの大半は交換留学時のもの。帰国前に留学先のデンマークから、荷物を数箱日本へ送ったの覚えていますが、おそらくこれもその中に入っていたのでしょう…その当時はいる!と思って持ち帰りましたがパンフレットを見返した記憶はなく、旅ジャーナルももう10年以上作っておりません。
はい、全捨てでした。
お金を払ってゴミを買った(今回は、運んだ)、という点に関しては母の靴のことは言えません。
幸いわたしは引っ越しを重ね、こういった紙類に悩まされてきたこともあり、収集はかなり前にやめています。が、まさか実家に残っているとは…!
この帰国準備が大変だったこともあり、海外暮らしでは荷物は持ち運べるだけ!送らない!と決め、ニュージーランド、カナダでは暮らしていました。
カナダからの帰国旅では、ヨーロッパとアジアを横断するため、夏・冬服から現地で会う友人へのお土産にカナダの友人からの餞別…と普通の旅では有り得ない量を持っており、総合計約40kgを担いでうろついていましたが…笑
ちなみに、幸い一度で済みましたがプリンスエドワード島を出る際、超過料金を払いました。その後は滞在する国々で不用品を譲ったり捨てたり、Donation binに入れるなど努力の甲斐あってなんとかなりました。
荷物が重すぎて旅先でほとんど買い物ができなかったのも、今となってはよかったと思います。
わたしたちは、お金を払ってゴミを買っている・家に入れていることが本当に多い。買う時はもちろんそのものは「ゴミ」ではないし、その時点でそれが「ゴミ」になるなんて思ってもいないのですが。
ものを買ったり、家に持ち込むのは簡単です。
実家の片付けを通して、捨てる方が大変だ、と痛感しています。
捨てる大変さを知った今、「本当にわたしに必要か」「お金を出す価値があるのか」を真剣に考えて家に持ち込みたい。
入ってきた場合は、前にあったものは手放すなどして、所有量の調整をするのも大切ですね。
まだまだ減らない実家のもの。
一気にはできませんが、少しずつでも進めている、ということが大事。
ずいぶん手放すことに慣れてきましたし、買うまでに時間をかけることも習慣になりつつあります。
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