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[OldCityBoy的「カルチャー」考察] なんだか90年代な世相...、を感じたときの"ドラゴンヘッド"

近所の駅で、ミニスカートでルーズソックスな女子高生を見かけることがあり、
また、
原宿の裏通りで、制服を着た若い女性と一眼レフをもった中年男性が並んで歩いているところ(そして塩対応)を短時間に2組見て、
むむ!(自身のカルチャーアンテナが何かを受信した合図)
と、来たゴリゴリ理系です。

"パパ活"や"立ちんぼ"が頻繁にメディアに取り上げられるようになってきているところも含めて、どうやら世間はあの90年代後半の退廃的な空気感を求めているらしい、なんてことを最近感じ始めてます。

具体的に、"パパ活"は、90年代では"援助交際"と呼ばれており、その当時はSNSの代わりに"テレクラ"を介して行われていたようです。さらに、"ブルセラショップ"なんてものもあった、今思えばなかなか退廃的な空気が溢れた90年代後半でした(自身は高校生~大学生はじめ、で同級生女子は皆ルーズソックスを履いてました。)

が、今の自身の認識では、
これらの活動は定常的にあり、単にメディアが取り上げるかどうかで注目度の波が生じ、つまり、世間がそのようなものを求めているかどうかでその時代の空気感が決まる、
となっています。

その辺の空気感を掴むのはクリエイターがやはり早く、川久保玲さんは90年代の空気をいち早く察知し、Comme des Garçons Homme Deuxにて、1994年にやっていた縮絨を去年リバイブしましたし、Nikeも1997年に発売したスニーカーの"Air Max 97"をリバイブしています。


と、前置きが長くなりましたが、そんな90年代の空気感にピッタリの漫画が"ドラゴンヘッド"になります。

連載期間は1994年から2000年で、退廃真っ只中の漫画です。内容もそんな空気感をうまく捉えており、懐かしくなって読んでみましたが(無料公開してます)、なぜ20代であんなに夢中で読めたか分からなくなるぐらい、今の自分にきつかったです…("ウシジマくん"よりキツい…)。具体的に、どれだけ危機的状況を乗り越えても・乗り越えても次の絶望が待ち構えており、もはや絶望から逃れられない…。

恐らく、若さとエネルギーに満ち溢れていないと読めない漫画なのでしょうが、"パパ活"や"立ちんぼ"もそのあふれ出るエネルギーが歪な形で現れた活動の認識で、いくら頑張っても絶望が待ち構えている状況も含め、今の時代にピッタリです。

また、この漫画ではその当時流行ったスニーカーが妙に生々しく描かれているのですよね~。恐らく、作者の望月峯太郎さんがファッションが好きだから、なんでしょうが、今のスニーカーが変に高騰している状況にもリンクしています(90年代にもスニーカーが高騰する現象があった)。

ちなみに、下の"アイアムアヒーロー"のヘリコプターの演出の元ネタになっている箇所もあるので、時代の空気感・ファッション・元ネタなどなど、カルチャー好きな方は是非読んでみられると良いと思います。


ということで、自身はこの記事で今年は締めようと思いますが、皆さま、よい年越しをお過ごしください。自身は、子供が漫画を読める年齢になってきたことも踏まえ、この冬休みにたくさん漫画を読み、2024年にその考察記事を上げられればと思います。

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