武蔵ジョージ

東京・吉祥寺在住のジャーナリスト。ソウル、ニューヨークなど10年以上の海外取材や、ドキ…

武蔵ジョージ

東京・吉祥寺在住のジャーナリスト。ソウル、ニューヨークなど10年以上の海外取材や、ドキュメンタリー制作、ニュース番組の編集責任者などを経験。これからは、子供を中心に家族で読んで話し合えるような、身近な街や、メディアを通しての社会の見方について書いてみようと思っています。

最近の記事

吉祥寺三丁目の夕日 5. ウィンナ・ワルツは踊れない・・ 遠くて近い小澤さん

 日本から世界に飛び出した指揮者の小澤征爾さんが亡くなりました。上の写真は、それを伝えるニューヨーク・タイムズの一面です。小澤さんの死は世界で伝えられ、吉祥寺三丁目からは、ちょっと「遠い」存在だったかもしれません。しかしテレビを含め、素顔に触れたことがある人はおわかりの通り、誰にでも「近い」距離感を抱かせる人でした。 小澤征爾さんのインタビューで  小澤さんが2002年のウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートで指揮をする直前、私は、プロデューサーとして、東京での小澤さ

    • 吉祥寺三丁目の夕日 4.「ナナメ」の遊び方をニューヨークに学ぶ

      ナナメの街 吉祥寺 吉祥寺を歩いていて、何か変だと思いませんか。やたらナナメの交差点や三角の角地が多いのです。上の写真、真ん中手前の焼鳥屋さん。おいしいのでよく行くのですが、手前側がやたら狭い。そう、道路に挟まれて建物が三角形になっているので、手前側の席に座ると、目の前の道を、人や車が通ります(上の写真で、左側の道が吉祥寺駅に通じる商店街、右側が井の頭通りです)。 次の写真は、吉祥寺駅をやや東に行き、五日市街道とJR中央線が交わる地点です。 吉祥寺に、このような三角地帯

      • 吉祥寺三丁目の夕日 3.ディープだった近鉄ウラと悪ガキたち

         前回に続き、あの映画の1シーンのような、夕日に輝く昭和の吉祥寺と、現代をワープしながら、生まれ育った街、吉祥寺をご案内します。  今日、スポットを当てる吉祥寺「近鉄ウラ」という地域をご存じの方は、すでに吉祥寺通と言えると思います。まずは、簡単にご紹介を。今は吉祥寺大通りにそびえるヨドバシ・カメラは、以前、近鉄百貨店の建物でした。吉祥寺の大型百貨店としては、丸井、伊勢丹、東急等に続いて進出しましたが、比較的、高級路線をとっていたこともあり、ユニークな個人商店に押されて早めに

        • 吉祥寺三丁目の夕日 2.冷たくてコワかった?井の頭公園

           あの映画の1シーンのような、夕日に輝く昭和の吉祥寺と、現代をワープしながら、生まれ育った街、吉祥寺をご案内します。 週末になると、吉祥寺駅南口からすぐ近くにある井の頭公園は、家族連れや幅広い年代のカップルなどで賑わいます。中央に広がる池には、ハクチョウの形をした貸出ボートで混み合い、子供たちの歓声が聞こえてきます。さて、今日のお題ですが、子供の頃から吉祥寺に住む私にとって、井の頭公園のイメージは、冷たくてコワかった、のです。それは何故か?  まず、井の頭公園にあったスイ

        吉祥寺三丁目の夕日 5. ウィンナ・ワルツは踊れない・・ 遠くて近い小澤さん

          吉祥寺三丁目の夕日 1.「基礎からわかる吉祥寺」プロローグ

           建設中の東京タワーが夕日に輝いて見える、あの映画の一シーン。私の目には、吉祥寺駅前の大通り(現在のヨドバシ前の通り)が建設中だった頃、そこにできた空き地から見た夕日に重なります。この周辺は、昭和40年代、ここにバス通りを作るために商店や住宅の立ち退きが行われていました。私は当時、その空き地で、小学校の仲間のワルガキ達と、夕方遅くなるまで野球をしたものです。ワルガキの間では、将来、ここが駅前通り(今のサンロード商店街)に代わって、バスが通るんだってサ、と半信半疑でした。そう、

          吉祥寺三丁目の夕日 1.「基礎からわかる吉祥寺」プロローグ

          NY発 学級通信 4.国連は、ウクライナに何ができるのか

           ニューヨークにそびえ立つ国連本部。皆さん、200か国近くが参加している国連って、世界で最も信頼できる国際機関だと思っていますよね。そして多数決を基本とする民主主義は、世界の平和を守ると信じていますよね。ところが今、国連って、何のためにあるんだろうと疑問を感じ始めている人も多いかと思います。そうです。私たちはロシアによるウクライナ侵攻を、世界が止められない現実を目の当たりにしているのです。私も20年近く国連を見続け、今も巨大なビルを目の前に考える、この問題の深さを、皆さんにも

          NY発 学級通信 4.国連は、ウクライナに何ができるのか

          NY発 学級通信 3.ニューヨークの地下鉄はよみがえるか・アートへの期待

          今年1月、ニューヨークの地下鉄で衝撃的な事件が起きました。 ニューヨーク一番の繁華街、タイムズ・スクエア駅の地下鉄のホームからアジア系の女性が男に突き落とされ、死亡したのです。ニューヨークでは、新型コロナ・ウィルスの感染拡大で、地下鉄に乗る人が大幅に減少していました。財政難や感染者の増加で地下鉄の職員は不足し、名物だった24時間運転の休止を含め、運行本数を大幅に減らしていました。一方、仕事が無くなって行き場を失った人たちが、地下鉄で生活をするようになり、治安が悪化していた

          NY発 学級通信 3.ニューヨークの地下鉄はよみがえるか・アートへの期待

          NY発 学級通信 2. MLBスタジアム 形がいびつで何が悪い      

          冒頭の写真は、アメリカ・メジャーリーグ(MLB)、ボストン・レッドソックスの本拠地フェンウェイ・パーク。ライト側ブルペンから見た景色です。日本では、最近、客席からブルペンが見えない球場が多いですが、ここは、スタンドから誰が投球練習を始めたのかがわかり、リリーフ投手が心配そうにゲームを見守る様子もわかる、伝統的な構造となっています。 次の写真は、ワールド・シリーズが行われたときのフェンウェイ・パーク。さすが、アメリカ。星条旗がデカデカと飾られていますね。しかし、よく見ると、レ

          NY発 学級通信 2. MLBスタジアム 形がいびつで何が悪い      

          NY発 ジャーナリストによる学級通信

          学級通信1号を発行して1年あまりが経ってしまった。その間、コロナ・ウィルスは拡大し、世界は大きく変わった。私も東京でおとなしくしていたのだが、久々にNYに移動し、しばらく住むことにした。果たしてNYは、どう変わったのか。ここから、世界がわかるかもしれない。見えてきたことを皆さんに少しでもお伝えできれば、と思っています。 注)こんなことをテーマにするのが普通の学級新聞と違うところ。詳しくは前回の記事を見ていただきたいのですが、子供たちには地域の出来事だけでなく、グローバルな目

          NY発 ジャーナリストによる学級通信

          ジャーナリストが作る学級通信とは

           以前、うちの子供が、小学校の社会科でマスコミの仕組みというのを勉強していた時のこと。何気なく先生に、父親がジャーナリストだと話したそうだ。それがキッカケで私は、教室で子供たちに、ニュース番組について話をする事になった。その時の子供たちの目は、キラキラと輝いていた。  しかし最近、子供たちは、国際社会や政治に興味がなくなっているとの調査結果がある。 「君たち、これから世界の中で、日本だけでは生きていけないんだよ!」 さらに、子供たちの生活に様々なメディアが入り込むようになり、

          ジャーナリストが作る学級通信とは