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ジャーナリストが作る学級通信とは

 以前、うちの子供が、小学校の社会科でマスコミの仕組みというのを勉強していた時のこと。何気なく先生に、父親がジャーナリストだと話したそうだ。それがキッカケで私は、教室で子供たちに、ニュース番組について話をする事になった。その時の子供たちの目は、キラキラと輝いていた。
 しかし最近、子供たちは、国際社会や政治に興味がなくなっているとの調査結果がある。
君たち、これから世界の中で、日本だけでは生きていけないんだよ!
さらに、子供たちの生活に様々なメディアが入り込むようになり、子供たちが事件に巻き込まれるケースさえ出てきた。
メディアっていうのは、付き合い方があるんだよ!
教室の子供たちに、何とかこの思いを伝える方法はないだろうかと考えていた。

ジャーナリスト発 学級通信

そこで学級通信なら、子供はもちろん、先生や親など、みんなが目を通し、たまには話題にすることもあるのではないか、と思いついた。子供は読まないだろうって?そう。だったら親の方から話題にしてあげて下さい。今週の学級通信にこんな事が書いてあったけど、どう?なんて。だったら、いっその事、学級通信をnoteでやりますか。何しろ、実際の学級通信と違って、うちの近所だけでなく、誰でもどこでも読めますから。多くの家族、仲間が、社会問題について切り出すキッカケとなるかもしれません。

カバのウィリアムス

ここで、ちょっと話がそれます。ニュースを考える時、カバのウィリアムをチラチラ登場させることにしました。タイトルの学級通信に、すでに登場させてしまいましたが、改めてご覧ください(写真はメトロポリタン美術館=public domein)。

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ウィリアムは、古代エジプトに作られたカバの像で、現在、ニューヨークのメトロポリタン美術館に収蔵されています。なぜ彼の登場が必要かと言うと、彼の視点を入れれば、時空を超え、俯瞰して世界のニュースを眺められるのではないか、と思ったからです。
ウィリアムという名は、メトロポリタン美術館を訪れたある家族が、展示されていたカバの複製を買ってきて、それに付けた名前だそうです。家族で何かを決めるときに、その決定の是非をカバの表情で判断するという話がアメリカの雑誌に紹介され、有名になりました。確かにこの顔、わかった、と言っているんだか、怒っているんだか、ビミョーな表情ですね。皆さんも彼の顔を見ながら、世界のニュースについて考えてみて下さい。

ニューヨークタイムズの写真

安倍首相が健康上の理由で辞任しました。総理大臣ともなると、外交の場では、各国首脳の間に入って利害を調整する必要があり、さぞかしストレスがたまっていたことでしょう。フト思い出すのが、G7サミットの時にニューヨークタイムズの一面を飾った写真です(学級新聞ではなく、実物をどうぞ)。当時、アメリカではトランプ大統領が、関税の引き上げやイラン問題で世界から孤立していて、リベラルなアメリカ人は、ほとほと困っていました。この写真では、安倍首相もトランプ大統領と同じように腕を組み、メルケル首相に対峙しているように見えます。

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しかし、その直後、首相官邸がFacebookに発信した下の写真を見て下さい。アレ?ビミョーに安倍さんの向きが変わっていませんか?(もちろん官邸のFBにはウィリアムはいません)

トランプ+W

こっちは何だか、メルケル首相と共に、トランプ大統領に立ち向かっているように見えます。果たして、安倍さんの立場はどっちだったのか!?少なくとも官邸サイドが、この写真を出した意図を感じざるを得ません。

「新聞記者」という映画をご覧になりましたか?一言で言えば、官邸側のプレッシャーと闘う女性記者と、最後は正義感から彼女の側につく政府官僚の話ですが、内閣情報室の官僚役・松坂桃李たちが、必死にtwitterで政府側に有利な情報を流していた場面を思い出します。今回の例は、単なる印象論の問題ですが、少なくとも官邸側が印象を変えるべく、意識的に情報発信が行われていたと考えられます。安倍首相はどのような立場だったのか。詳しく報じられていませんが、1枚の写真でイメージは大きく変わります。

重要なのは、情報の受け取り方

今回、ちょっと考えていただきたかったのは、ニュース自体よりも情報の出し方、いや、それより受け取り方についてです。果たして安倍さんは、どういう立場でトランプ大統領と付き合って来たのか。お陰で、関税などで日本がイジメられないで済んでいたのか。あるいは逆に世界からバカにされていたのか。この戦略は得だったのか損だったのか・・この写真をながめながら、安倍政権の外交を振り返ってみるのもいいかもしれません。

このコロナ禍。学校や普段の生活で、そんな事を思いつく暇はないでしょう。せめて「学級通信」で、子供たちとの会話のヒントを見つけ、親がやさしく噛み砕きながら、日本の総理大臣の役割や世界について、話題にしていただければ、と思っています。







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