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Apple社で学んだこと

はじめに

6年間、Apple社で働いていた。

そこで学んだことを思いつく限りアウトプットしてみた。

働いていた6年間は、世界一の企業で働けているという満足感に浸り、仕事のモチベーションも非常に高かった。

Appleは、今も私の大好きな会社であり、いくつか転職もしてきた会社の中でもダントツでNo1の企業と言える。

備忘録として『Note』に記載してみる。

多様性(ダイバーシティ&インクルージョン)という文化

Appleに入社してすぐに受けた研修が多様性についてのコンプライアンス研修だった。

LGBTの上司がいて、一緒に働く前にミーティングでカミングアウトしていたのが印象的だった。
突然、カミングアウトされてもカミングアウトされた側はどうしたらよいのかわからずタジタジしていた。

ただ、多様性について正面から考える良い機会になったし、多様性を受け入れてお互いに理解を示すことが、一緒に働く上で如何に重要かを示してくれた。

会社が社員に文化を強要するのではなく、社員同士が自発的に築きあげる社内文化がAppleにはあり、それこそが会社をきっと成長させるのであろう。

アンコンシャス・バイアス

アンコンシャス・バイアスとは、自分では気付いていない物の見方やとらえ方などの偏りを言う。

自己保身や変化を恐れるあまり抵抗を示したい時がある。
さまざまなプロジェクトに携わらせてもらった。
失敗を恐れるあまり、自己保身の言動や偏った考えに固執して順応できない時もある。
そんな時にアンコンシャス・バイアスに陥ってないか見つめ直すことも重要だ。

考えをリセットし、やってみることで新たな発見ができる時もある。
発言、行動、結論を導き出す前に、もう一度立ち止まって考え直してみる。

それは仕事だでけはなく、人間関係も一緒だ。「この人はきっとこんな人だ」「この人こう考えるに違いない」など勝手なバイヤスを作り出してないだろうか。アンコンシャス・バイアスという考え方は可能性を拡げてくれるように思う。

プロモーターという考え方

顧客が企業のブランド価値をつくる。
Appleは、ユーザーをプロモーターに昇格させようとする。

プロモーターとはロイヤリティの高い顧客のことで、満足度が高くプロダクトを他者に勧めてくれるような推奨者のことだ。人は他人から良いと勧められたものを欲しくなったり使ってみたくなったりする。
YouTuberのヒカキンさんがApple社の新製品がローンチされると自身のYouTubeチャンネルで取り上げている。

そして、それをみたユーザーは使ってみたくなるのだ。
こういったプロモーターの創出が大切なことをAppleはわかっていて、戦略的に行っていた。

Apple社のファンは、大きなバグが起こっても、それを笑って一緒に楽しむような特殊なユーザーも多い。こう言った層の顧客を作り出したことが、長期的な成功につながるのであろう。

すぐれたプロダクトを作り上げることも重要だが、そのプロダクトを適切に評価をするユーザーの存在が如何に重要かAppleは教えてくれた。

人と人を繋ぐプロダクトの在り方

Apple社のプロダクトの根幹にはしっかりとテーマがあり、人と人をコネクトする。

私が1番好きなAppleのCMが、iPadの初期のコマーシャルだ。遠く離れてなかなか会えないおばあちゃんに、子供がiPadをプレゼントしFaceTimeで会話をすると言うものだ。(設定は少し間違っていたらごめんなさい)

テクノロジーの成長が人と人をコネクトさせている素晴らしいCMだが、技術の成果をアピールするのではなく、僕らの生活を豊かにするためにテクノロジーがあるという発想は好きだ。

FaceTimeは早期に通話料をなしオンライン通話を可能にしたし、ファミリー共有で家族と繋がっていられたり、共有アルバムで友人と写真を共有できたり、様々な機能でと他者とコネクトする機会を与えている。

技術の根幹に他者とつなぐテーマがある。

人が気づかないところの強いこだわり

人目のつくところに一生懸命になるのが普通の発想なのかもしれない。

実のところ、私自身も人目のつくところばかりに綺麗に見せようと一生懸命になる傾向がある。仕事や日常でもそうかも知れない。(反省)

あまり知られていないことだが、Apple製品を購入した際に覆われている美しい箱を気に留めたことはあるだろうか。

iPhoneを覆っているあの箱は、両手で引っ張ってすぐに取り出せない仕様になっている。

箱を持ち上げて重力で落とさないと中身を確認することができない。

購入して、すぐに開けたいのに中身がなかなか取り出せないあのもどかしい気持ちを経験した人もいるだろう。

あれは敢えてすぐに箱を開けられないようにしている。
iPhoneを購入してすぐに箱を開けられたらつまらない。
箱を開けiPhoneを手にするまでのワクワク感を大切にしてほしいと言うApple側の意図がある。

中身を出してしまった後に捨ててしまうであろう箱にも、コストをかけメッセージを込める。

こんなことをされたら他の企業は太刀打ちできないであろう。

こういう目立たないところにも、コストをかけユーザー体験を考え設計しているプロダクトには非常に学ぶことが多かった。

なぜなら、それを知った時、顧客の体験がサプライズと感動に昇格する。

それはまるで、芸術のようだった。

終わりに

この記事は、Appleに興味がある人、Appleに転職したいと思っている人、Appleが好きな人に読んでもらえたら幸いだ。

記事も少しずつボリュームを増やしていきたいと思っている。


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