2022-03-10


しばらく家族だとしても許せないことがあって父母と口を聞かなかったが、さすがにしびれを切らした父がしずしずとわたしに詫び、なし崩し的に和解した。ただ2回目はないと思えと内心ではお冠のわたしである。そんな母とたまたま予定があったので、住んでいる県のいちばんの街まで足を伸ばした。本命の用事は職場の後輩が退職するので、最後に花束を渡すために。桜の花束をピンクのリボンでまとめてもらった。咲く前と咲いてからと咲いた後までも、人の心を目をこんなにも奪う花があるだろうか。彼女の新しい春もこれからも、そんなものになればいいと思った。

あるK-POPアイドルに傾倒していたり、もともとカルチャー的にも好きだったため、大学生のころは2週間おきに韓国に旅行にいくほどだった。社会人になってもまとまった休みが取れたら弾丸で遊びに行くのが習わしになっている。そろそろまた韓国に行きたいなあと思いつつ、母とランチの合間に話していると思い出した。会社の同期と韓国にいく機会があり、向こうで必ず食べたいものはあるか?と尋ねると「チーズタッカルビ」と言われた。かなり衝撃的だった。シフト勤務の我々が必死になって休みを合わせ、パスポートを持ち海を超えてたどり着いた先で口にするものがチーズタッカルビ?元々はタッカルビなのにそこにブームのチーズが掛け合わされたチーズタッカルビ?チーズタッカルビはもはや日本食では?というよりも近頃世の中は必要以上にチーズを食べ物にかけ過ぎではないか?と思い返しながら食べるマリナーラピザは、レモンを絞りかけることでかなりあっさりし、美味しかった。韓国で食べたいものがチーズタッカルビの人は、マリナーラピザを食べる人のことが理解できないのだろうな。

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