水うまい(28)

水だいすき

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水だいすき

最近の記事

2024-02-25

まあ女の人は必殺技の男の人を捕まえるのが困ったら使えるもんな〜 と客に言われた。いるのだ、まだ現代にもこんなやつが。女のわたしにむかって言うことではない。だからお前はその歳でもひとりなんだよ。もし無人島にお前と猿とわたしで流れついても、迷わず猿を選びます。 目に見えて、よりも人に指摘されるほどがつらかった。髪の毛が細くなり量も減り、爪も弱々しくすぐに割れて乾燥する。きっと持病の影響だ。黒々とした艶のあるゆたかな髪、筋張った華奢な痩せた手。すべてわたしの自慢。自慢だった、に

    • 2024-02-20

      体を壊して以降、食事面やら対人面やらの生きるための枝葉がかなり弱々しくなり、晴れた気分でいられることがまずない。こんなことではいけない。わかってはいるけれど。自分のことが嫌でたまらなくて、はやくいなくなりたいとしか思えない。こんなわたしでも、わたしでよかったと思える日はくるのだろうか。 幼なじみははやくに結婚し、すでに3人の子どもがいる。なんだか不思議だけれど、涙が出るくらいいい母親でいい友人。そんな彼女は小学1年生の音楽会の合唱の練習の際、「足しんど」と言って急にしゃがん

      • 2024-02-13

        月のものとお決まりの気象による自律神経の乱れにより、半年に一度ぐらいの大きな食欲の波がきた。モスバーガーから丸亀製麺さらにマクドナルドをハシゴし、帰宅してからもチーズトーストにリンゴを貪り食って寝た。頭が痛い。絶対に食べすぎているし夜ご飯ももちろん食べる。でも後悔は1ミリもない。何も食べれなかった時期を思い返すとむしろ幸せに思う。生きている心地がする。体調はよくないのに体に力が沸く感覚。 わたしの父は生まれと育ちの環境がいいものではなく、これまで過去の話を聞いたことがなかっ

        • 2024-02-05

          2年ほど前、大好きな漫画『A子さんの恋人』の聖地巡礼をしたことがある。一人旅で。そのうちのひとつの付近にあったギャラリーに立ち寄り、現役東京藝術大学生の個展をみた。思いつきだった。すごくよかった。自分より若くて才能ある人の全てを垣間見ることができた気がした。ご本人が在廊されていて、帰り際にグッズのライターを購入した。もったいなくて喫煙の際には使えず、大事にしまってある。その後も忘れられずに、ひっそりとインスタグラムで覗き見していた。今年は卒展をしたらしい。勝手だけれど感慨深く

          2024-01-12

          とうとう地元に帰ってしまう。 数えたこともなかったけれど、10年もこっちにいたらしい。10年。 仲良くなったきっかけは全く覚えがない上に、きっとお互いがお互いを仲良くなれるとも微塵も期待していなかったと思う。それが今や数少ない大切な友だちの1人になった。 一緒に映画も絵も観たし、ライブもフェスも行った。山でもバッティングセンターでもゲームセンターでもテーマパークでも競馬場でも遊んだ。年越しの瞬間を電話越しで迎えたこともある。ドライブも。ご飯のときはわたしのグラスが空になった

          2024-01-08

          元旦わたしは寝込んでいた。 12月初めから頭痛に眩暈と耳鳴りに悩まされ、大晦日ギリギリまで働いたわたしは倒れ込むように布団にいた。ゴーーという微かな音と揺れる視界に「ああ、ひどなってきたなあ。」と思ったのも束の間。リビングのテレビからアナウンサーの鋭い声。兵庫県にも揺れは確実に届いていた。気味が悪かった。 その後スマホやテレビで目にする情報や書き込みに、とても影響を受け軽くノイローゼになった。ひたすらに、ただただ1人でも多くの人々に1日でも早い平穏が訪れますように。ぐっすり眠

          2023-12-25

          マユリカは3歳からの幼なじみコンビらしい。 とすれば、わたしとわたしの幼なじみは0歳からの幼なじみなので、実質わたしたちもマユリカだ。 わたしらもマユリカやしキモダチやな〜 来年M-1ギリ間に合うかな? と結成28年目の年末の会話。 大学の同期がクリスマスイブにプロポーズをして、来年挙式のはこびとなったらしい。すごい。何がすごいって、 ・イブにプロポーズするひとが実在した事実 ・一生の伴侶を見極め選択できる勇気 すごい。 と、両親は共にケーキをつつきながら話す独身28歳

          2023-12-07

          今日は妹と関西の某テーマパークにいってきた。うんざりするほどの待ち時間を、どうでもいい話で笑えたり、愚痴を言い合えたりしてとてもすっきりした。もちろんアトラクションで信じられないほどの野太い声で叫んだし。 姉妹でよかった。友達以上親友未満の心強い味方だ。 先日父が、わたしの持病についてもう一度教えてほしい、と言ってきた。発覚から一年も経つのにどうしたのだろうと不思議だった。父はなんとも言えない表情だった。そのことが少し気がかりだったので、妹に聞いてみた。なんとなく父の気持ち

          2023-11-03

          自分の機嫌を他人に強要できる人ってすごいと思う。単純に八つ当たりは迷惑だからやめてほしいけど、そこまで自分自身の本能に素直に堂々と従えることに驚く。 私は自分に自信のない劣等感まみれの人間だから、自分ごときが人様に何かしらの影響を与えるなんてとんでもないことなのだ。 ガリガリのひょろひょろだったわたしが、半年かけて少し健康的になったものの、季節の変わり目であることやストレスが重なり、またしてもガリガリひょろひょろに戻りつつある。やはり痩せ過ぎはしんどい。しかし頻繁に「太った

          2023-10-03

          祖母が入院してから1か月が経つ。 きっかけは冬の骨折で、そこから転がるように体力が落ちて、肺炎になった。 検査入院のときの体重は29キロで、それでもいつものような様子だった。それなのに、この前の見舞いでの祖母は、すっかりかなりの病人で、体重も25キロになっていた。 あまりのことで祖母をちゃんと見られなかった。わたしが病気になって仕事を辞めた報告をしたときは、祖母と目が合わなかった。今やっと、この時の祖母の気持ちが分かった。

          2023-09-24

          ボスに突然謝罪された。お客様との会話でわたしのエピソードを話題にする際の配慮について、奥様から注意を受けたそうだ。 やっとか、という気持ちも大きかったが、大の大人が逃げも隠れも誤魔化しもせずに謝罪したことに面食らった。別に疎ましく感じていたわけでもなかったけれど、精神的に辛い時にはそれなりにダメージも大きかった。 わたしは、何を言うかより何を言わないかをこれからも大切にしたい。 看過できないこと以外は基本的に相手に合わせて会話をする。その際に自らの意思を曲げることも厭わない

          2023-09-01

          いちばん叱られるべきではなく、叱られたくないことで叱られた。接客を生業としている人間がいちばん禁忌とされること。 でもどうしたって笑えなくて仕方ないときがある。分かっているのに笑えない。そんな自分が情けなくて恥ずかしくて悔しくて、さらに笑えない。最悪です。 ユーザーネームを見ていただけるとお分かりかもしれないですが、先日誕生日を迎えました。頼んでもいないのにこんな年齢になって何がめでたいのか。そう思うけど、両親はこんなに長い年月も両親をしているのかと思うと頭が上がらない。あ

          2023-08-28

          ずっと独身でいるのかと問われて、そうなんですかね〜と答えた。ほんとうに何にも考えてない。年老いたときのことを考えると、そりゃあ誰かといる方がいいのは分かるけど、老後のことだけを考えてそのために誰かを求め精査するのも違う気がする。 気のいい人といたい。ひとりがすきだけど、たまに誰かに心から甘えてみたい気もする。だから人々は結婚という保証のある選択肢を選ぶのだろうが、わたしは形にも相手の性別にもこだわりたくない。好きでずっと一緒にいたい人がいい。 盗んではいけないとか、殺しては

          2023-08-13

          夏バテがひどくて、この間は仕事終わりに1時間トイレにこもって吐き続けた。食べられていないこともあって吐き出せるものもなかったのだけれども。無理やりにでも食事をして体力をつけろ!と言う人はいるけど、それができる人間はそもそもこうはならない。 終戦記念日が近づいているので、近頃は戦争関連の特番をよく目にする。歴史や文化は市井の人々が築き上げたもので構築されているはずなのに、社会の教科書に掲載されるのは一部の人々の何かしらの行為のみだ。戦争とは、そんな端的な単語で表されるものでは

          2023/07/23

          自分が思うのと人が思う、気軽に人に言ってもいいことよくないこと、って本当に違うよな〜と思って、なんかめんどくさいなあって思っていた休日前日。しかもそれって範囲も重要だけど、両者の精神的な余裕も加味されていて、全てのタイミングで一律の線引きがあるわけでもない。わたしはわりと線引きが他人の10歩ほど手前にあるので、と言うよりも口数が少ないので、図々しいと受け取られはしない反面、心を許していないとジャッジされる。それはそれでいいのだけど、よくもないのだ。 友人のお姉さんの旦那さん

          2023-07-19

          昔の恋人にお願いしていたドライフラワーが届いた。昔からセンスのいい彼の手がけたそれは、本当にすてきだ。友人のお姉さんが結婚されたので、そのお祝いの会に渡すのだけど、絶対に気に入ってもらえると思う。 何より、彼が毎日全力を尽くしている仕事を生で知ることができたのが嬉しかった。いいなあ。 昔から何となく自分自身のことが苦手で、どうしても受け入れ難い。だから何となく他人と深く関わることに不安を覚えてしまって、いつも薄皮を隔てたような関係になる。そうやって単独行動や1人で完結するよ