詩『Nobody Knows』

子供の笑い声、大人の話し声
軋むレール、街頭広告、車、バス、信号

すべての音が交差していくこの場所で
私はひとり空を見上げる
雨雲の切れ間から差す光明が
スポットライトのように街を照らす
差していた水色の傘を誰かが見ていた
もう降り注ぐものは何も無かった

誰かのために何かできただろうか
これまでの道を振り返るけど
もう足跡は掠れて見えなくなっていた

濡れたアスファルトを西日が照らして
水溜りを空に戻してゆく
そんな感じで私の心も
綺麗に報われたらいいのに

晴れた空に差す傘はないさ
うっとおしいことは全て置いておけばいい
明日のことは誰も知らないから

NOBODY KNOWS
今日という名のページにピリオドを打って
真っすぐに明日へ筆を走らせろ


[了]


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