みずなら - mizunara

少しだけ上質な日常

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最近の記事

冬眠

おはようございます。 ああ、もう一年も眠っていたのか_____。 ” みずなら ”という屋号を構え、本業と並行しながらクリエイティブな活動を開始した直後、ぼんやりと騙し続けてきた体調不良がはっきりとした輪郭を露にし私に襲いかかってきた。 違和感を感じ始める直前に参加したイベントをきっかけに、起業支援セミナーの参加やインディペンデンスな活動をされている方に出会い、やりたいことをやるための燃料が溜まっていく。同時に気持ちというエンジンも磨き始めていた。 ある日突然、TVを消

    • 川島製菓 - 高知 安芸/芋けんぴ

      孤高の糖質_____。 高知県の魅力のひとつに、地域密着型ファミリーレストランがある。例えば高知県東部のレストランであれば、南国市の重鎮"グドラック"、パンク全開の破壊衝動"ゆず庵"、中世ヨーロッパの貴族が集う伯爵家"ネレウス"など、強烈な個性とメニューで全国チェーンのファミリーレストランと真っ向から勝負している。 私が幼少期の頃、地域密着型ファミリーレストランの黎明期であり、どの店舗からも神々しい光が放たれていて、我が家も父の給料日だけ許されるレストランの食事で店内に入

      • きらきらひかる - 高知 久礼

        chapter - 01 : calm " 静かの海 "は地球上にも存在する。 高知県高岡郡中土佐町久礼は、あの不朽の名作" 土佐の一本釣り "の舞台となった漁師町。 “ 磯野カツオの一本背負い "とボケてみたかったが、作者と町へのリスペクトとして控えることにした。 私が中学生の頃、怪我で入院をした時、隣のベッドにいた高専に通う優しいお兄さんがここ久礼の出身であり、地名を聞く度にその人の事を思い出す。 あの日からずっと身近に感じていた久礼だが、私の故郷からは地味に遠く

        • 炉火純青の足跡 - 高知 宿毛

          ”未来に残したい風景”の記事募集が目に留まり、もう少し宿毛市に触れさせてほしく、前作『 静かなWater blue 』の続編として再び筆を執ることにした。 前作では、宿毛市は良質な素材がたくさんあるものの、その大半が色褪せてしまい、町が凍てついた雰囲気に包まれていると綴った。今回、前作で触れることのなかった宿毛市の有名な"アレ"について、私なりに"アレ"を"コウ"してみたい。 私は幼い頃、貰ってうれしいプレゼントが二つあった。 それは "塗り絵” と ”プラモデル” だ

          八重丸水産 - 高知 大月/きびなごケンピ

          恋人はアーモンド_____。 きびなごケンピとの出逢いは大変失礼な形だった。 お土産を買い忘れた際の"補欠"として高知空港で購入したものの出番は無く、我が家の"お菓子棚"でじっとその日を待っていただいた。 きびなごケンピはアーモンドフィッシュの"フィッシュ"と同じものだと思い、あまり期待をしていなかった。 私は細くカットされた、ほんのり柔らかい"皮なしアーモンド"が大好きで、先にフィッシュを全て食べてからアーモンドを集めて食べる変な癖がある。アーモンドに早く辿り着きた

          八重丸水産 - 高知 大月/きびなごケンピ

          静かなWater blue - 高知 宿毛

          chapter 01:最西端の異界 高知県宿毛市。 高知県の最西端、愛媛県との県境に位置する人口2万人の小さなこの市は、高知県中央部から車でも電車でも3時間を要するが故、生半可な覚悟では近づくことができない。 高知県東部に住んでいた私の周りには、私を含めて宿毛市を訪れた経験を持つものがおらず、さらに"誰もが知る特別なもの"は何もないイメージ、幼い頃に見た宿毛佐伯フェリーのCMの不気味さ、ものすごく遠い場所にあることなど悪条件が重なってしまい、私にとっては謎のベールに包ま

          静かなWater blue - 高知 宿毛

          吉本牛乳 - 高知 佐川/牛乳

          ホニャララ牧場のナンチャラ牛乳。 1ℓ瓶に詰められて¥1,000。 美味くて当たり前だ。 そんな凄い牛乳を"新鮮でおいしい"とか"濃い"などと、当たり前のキャッチフレーズで宣伝してること自体、本当に理解に苦しむ。 などと偉そうに言ってはいるものの、日常生活でほとんど牛乳を飲まない私。コーヒー牛乳やフルーツ牛乳など、ちょっと付加価値が付いていないと損した気分になってしまう。 数年前、高知に帰省した時、大好きなローカル乳業のコーヒー牛乳を買おうとスーパーに向かったが、気づけ

          吉本牛乳 - 高知 佐川/牛乳

          くいしんぼ如月 - 高知/チキンナンバン

          高知市を中心に名を轟かせている、高知県民なら誰もが知るお弁当チェーンくいしんぼ如月。 くいしんぼ如月の数あるお弁当の中でも、くいしんぼの代名詞として名高い"チキンナンバン弁当"は高知県民ソウルフードとしても有名であり、私がここで紹介するまでもなく、大体のガイドブックやWebで取り上げられている。 今回、私がここで取り上げたのには理由がある。 店舗の数が減少傾向にあるというので、拙文ながらも盛り上げられればと思った次第である。 私が社会に出て間もなくして、チキンナンバン弁

          くいしんぼ如月 - 高知/チキンナンバン

          ときた - 五井/やきとり

          改築されました。 酒場で誰かと飲む酒よりも、自宅でゆっくり飲むひとり酒が好きな私だが、"ときた"は私にとって酸素カプセルのような特別なヒーリングボックスであり、友人と緩やかな酒で傷を癒やしてきた。 その長い年月を塗り重ねた琥珀色の空間が取り壊されると聞いた時、妙に悲しい気分になった。いくら技術が進化しても、いくらお金を掛けても歴史というエイジングは復旧できず、そこにいるだけで不思議な魔法に掛かった錯覚に陥ることができなくなったのだ。 帰る場所を失ったような喪失感。 た

          ときた - 五井/やきとり

          Singin' in Singapore

          多国籍文化の交錯により、アミューズメントパークのような世界観を醸し出すモンスターカントリー ”シンガポール” 観光地として人気が高く、訪れた方も多いのではないだろうか? シンガポールはマリーナベイサンズをはじめとする、歪な建造物郡も大きな魅力のひとつ。その摩天楼の真ん中に立っていると、実はこの建造物は巨大ロボに変形し、宇宙から侵略してくるジオン軍のようなものと戦うのではないか?とさえ感じてしまう。 そんなシンガポール。小さい国ではあるものの、音楽のクオリティが高く、そし

          Singin' in Singapore

          ファインダー越しの冷たい傷跡

          私は一般人です。 写真が趣味でも得意でもないのですが、その時に見たものは単なる記録としてでなく、その時の感情や見えるものの物語を撮影する意識でシャッターを押している。ただ、そんな偉そうなことを言ってはいるものの、写真を一度も勉強したことがなく、写真展なるものにも一度も足を運んだことがない。 Facebookやnoteに添付している写真は全て私が撮影したものだが、スマートフォンで撮影したごく普通の写真。そんな写真を褒めてくれる友人が数人いるのだが、褒められているポイントが未

          ファインダー越しの冷たい傷跡

          コナン - 五井/町中華

          昼酒ダイビングしたくて近所を散策。 お気に入りの店は夕方から営業だし、チェーン店は興味ない。公園で缶ビールってのも世間体が気になるなどと、ブツブツ脳内独り言を呟きながら、気づいたら迷い込んでいた路地裏。 検索エンジン「わたし」には"酒"と"昼"の二文字しか入力されていなかったので、この店の存在をすっかり忘れていた。 五井を代表する重鎮町中華「コナン」だ。 昼飯時には少し早い11:30に到着したが、もう店内の席は半分近く埋め尽くされている。 中華の中でも無類の酢豚好き

          コナン - 五井/町中華

          ターニングポイント

          note記事募集"スキな3曲を熱く語る"が目に留まる。 人生の岐路に流れた大切なメロディーが奇しくも3曲ある。 これは書いてみるしかない。 Desperado / Linda Ronstadt 数年前、長年勤務していた部署が廃業となった。 巨大な石油関係の工場だったが、小さな町工場にあるような風情が漂う職場はとても大好きだった。みんな愛情を持って工場を必死に守り抜こうとしている姿が印象的な職場だった。叡智と情熱、そしてハイセンスな笑いを身にまとった仲間との関係は、未

          ターニングポイント

          そば徳 - 五井/蕎麦屋

          五井駅西口。 立ち並ぶマンションやホテルの隙間を縫うように残る、昔ながらの路地裏と静寂。 その一画にある蕎麦屋"そば徳"の暖簾をくぐってみた。 人目につかない場所に佇むにも関わらず、店内はかなり賑わっている。 少し色褪せた風貌、綺麗に片付けられた店内から、長年大切にされてきた想いが伝わってくる。 脇目も振らず、天ぷらそばを注文。 シンプルかつ上品、一本一本が繊細で丁寧な二八蕎麦。全く抵抗のないつるつるの喉越しであり、いい香りの濃いめのつゆもしっかり絡みついてくれる。

          そば徳 - 五井/蕎麦屋

          梅香堂 - カリカリ揚げまんじゅう

          カリカリ揚まんじゅうを噛みたい。 朝起きると突然このスイッチが入ることがある。疲れているとか甘いものが食べたいわけでなく、無性にあの"皮"に歯を当てたくなる。 噛んだ瞬間のカリカリサクサクモチモチのユニゾン。 味は至ってシンプル。こしあんのおまんじゅうをかりんとうの香ばしさが包んでる感じ。 私は塩塩な食べ物が好きなので、甘いものをあまり口にしないが"揚げまんじゅう"は特進クラス。それには虜になるきっかけがあった。 暖かいお茶とおまんじゅうという黄金の組み合わせ。私は

          梅香堂 - カリカリ揚げまんじゅう

          787 - Nanohana Coffee Roaster

          珈琲に浸りたくて彷徨う。 こんな時、あえてネットやSNSに頼らないのが私の流儀であり、昔ながらの純喫茶にアンテナを張り、愛車と共に北へ。 "787"が目に留まってしまう。 純喫茶とは程遠い"787"だが、気付けばブレンドを注文し、待ち時間に店内を眺めている。 下北沢的マイペースな空間では、オリジナルのマーチャンダイズなども販売されている。 そして、ゆっくりとドリップされた珈琲を頂戴する。 カップを口に近づけた瞬間、美味しい珈琲屋に入った瞬間の香りがする。珈琲だから

          787 - Nanohana Coffee Roaster