コンビニ人間が歩く正常と異常の境界|『コンビニ人間』村田沙耶香
小鳥の死骸を見て、「父親が好きだから持って帰って焼き鳥にしよう」。
喧嘩を止めてと言われて、「スコップで二人を殴って止めよう」。
感情の欠落した合理的な思考回路から、幼少期より「異常」として扱われてきた『コンビニ人間』の主人公 恵子。彼女はなにがおかしいのかわからないが、両親や妹の悲しむ姿は見たくなくて、その「異常」を「治さなければ」と考えてきた。
大学生になり、コンビニでのアルバイトをはじめた恵子は、 コンビニ店員としてマニュアル通りに動くことで、社会の一部として自分