"いい子"と言われることと、母の言葉
ハローワークにて
「君、"いい子"って言われるでしょ。」
大学4年、就活時。履歴書の添削のために訪れたハローワークにて。
履歴書を読み終えたベテラン風のおじさまに、開口一番にそう言われた。
実際にそれまでの人生で、いい子と言われる事はたびたびあった。
私は「はい。」と答えた。
どこの部分からそう思ったかは聞かなかったのでわからない。
ただ、「はい。」と答えたその裏で、私はイラッとすると同時に、落胆した。
おじさまに他意は無かったと思う。
ただ、当時の私は「いい子」と言われるのが心底嫌だった。
理由は、「いい子=つまらない子」と言われているように感じていたからだ。
私のねじくれた受け取り方・価値観の所為なのは知っている。
そして、私は今に至るまで、「いい子でいよう」と意識的に思ったことは一度もない。
けれど、初対面の人にまで。そんな私のほんの一部でしかない履歴書を見ただけなのに。そう言われてしまうのか。
私は大きなショックを受けた。
自分の中では消化しきれず、母に打ち明けた。
母のこと
脱線するが、ここで私の母を紹介しておく。
自称、宇宙人。お金と猫を愛する、生粋のO型。几帳面な父に何度キレられても気にしない図太さと、料理中に菜箸片手に踊り出す陽気さでここまで生き抜いて来たような人。
一言で言うと、天然。
しかし、核心を突く、深い人生の学びを授けてくれる。
母の考え
この敬愛する人生の先輩にハローワークでのエピソードを交えて相談したところ、すぱっと一言。
「悪い子って言われるよりいいじゃん」と。
続けて、「いい子ってことは少なくとも、相手に不快感は与えていないってことでしょ。」と。
確かに。
過剰に反応し、深読みしていた自分を振り返った。
今でもたまに、いい子とか真面目と言われる。
その度に、反抗心が芽生えそうになるが、その時は母の言葉を思い出すようにしている。
おわりに
ここまで読んでくださったあなた。
ありがとうございます。
真面目って言われるのも、同じ理由で嫌だったのですが、『神様のカルテ 新章』を読んで、
"真面目とはね、真剣勝負の意味だよ"
と、漱石先生がおっしゃっていたと教えてもらったので、それを心にとめています。
言葉の受け取り方はそれぞれだから。
どうせなら受け取るなら、嬉しくなるほうがいい。
言葉って難しいとつくづく思う今日この頃です。
最後まで読んでくれたあなた。 ありがとうございました。またいつか🍄