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2024年、埼玉県立の男女別学校に関するアンケート「中・高校生保護者」対象、はじまる。男子校シンドロームとセクハラ。

に答えてみました。県内の中・高校生の保護者の方、ぜひどうぞ。埼玉県のホームページwww.pref.saitama.lg.jp/f2207/news/page/news2024041701.html
から答えられます。ちなみに

トップページ→<県政情報・統計>→<県政資料・報道> →<県政ニュース・報道関連資料>→<2024年度>→<4月>→<埼玉県立の男女別学校に関するアンケートを実施します>となります。

部局名:教育局
課所名:県立学校人事課
担当名:学事担当

個人的には共学化賛成です。理由は三つ。
ひとつは、思春期に異性がいない環境が当たり前になり、「自分たちが特別な状態に置かれている」とわかっていない場合があるから。

「女子校の当たり前は社会の普通じゃない。」
「男子校の当たり前は社会の普通じゃない。」

同性しかいない社会では、異性の意志を聞くことなしに物事を決定するのが当たり前になる。だって、学校にいない人の意見は聞けないから。

女子校であれば同級生に男子はいないし、男子校であれば同級生に女子はいない。

しかし、社会はそうではない。異性もいるし、性別がよく分からない人もいる。その人たちの意見も聞いて物事を決める必要があります。

というわけで、個人的に<思春期に、同性だけで意見を決めるのが普通な日常>を経験するというのはあんまりよろしくないと思う。

もちろん、<同性だけで意見を決めるのがここでは普通でも、他ではそうではない、ここは特別な場所だ>と分かっていれば話は違うけど、どれだけの人がそれを分かっているのでしょうか。

思春期には価値観が定まりつつある時期で、洗脳されやすいし、ここで獲得したものを使って社会にでるので、あんまり社会を違うことを学ぶと後々影響がでるのではないかしら。

と、ほぼ女子校育ちの母、ほぼ男子校育ちの父、完全男子校出身の夫を持ち、まあまあ男子比率が多い高校を卒業した私は思うのです。

うちの父と母は異性間でのコミュニケーションの取り方がうまいとは言えません。それぞれ同性と同じ方法でコミュケーションを取ろうをしているように思えます。そしてこの夫婦は仲がいいとはいえません。

わたしが独身の頃、「話を聞かない男、地図が読めない女」というベストセラー本があって、おおざっぱに男女の脳の作りの違いについて書かれていましたっけ。ああいう本を読んでほしいです。今なら「夫のトリセツ」「妻のトリセツ」でしょうか。

二つ目、伝統の男子校(進学校)が埼玉県の社会のお偉いさん(中核)や町内会のポストをしめているからです。
埼玉県では<伝統男子校ならではの人脈がものをいう場面>というものがあります。進学率では並び立つと言われる共学の大宮高校ですら、人脈は弱いように見えます。なぜなら、大宮高校は前身の高校が旧制中学(男子校)ではないからです。

伝統男子校の一角、浦和高校の体育祭には救急車が待機するほどであり、50キロの強歩大会などがあり、体育に自信のない男子中学生もまた、この学閥に入れません。

「浦和には、伝統の進学校・浦和一女があるでしょう? そこへ行けば?」
という意見もありますが、この伝統校の校章をご存じですか?

アヒルです。「おしゃべりをしながら、坂を上っていく女学生がアヒルのようだと近所の人が親しみを込めてこう呼んだから。」という理由で校章がアヒル。学校近くの坂も一女にちなんでアヒル坂。

また、女子でも女子校が苦手な人もいます。
ちなみに川越女子の校章は当時の先生がデザインしたものを大きさを変えて使っている「文(手紙を運んだのは雁なので、ふみと読むのかと)にゆかりの初雁」と入間の川のせせらぎ」です。漢文学的です。

埼玉の女子高校に通う女性は、同じ偏差値の男性が手にいれられる「社会的な伝統的な派閥の人脈」を手に入れるチャンスがないのです。

朝ドラ、「虎に翼」の状況は今も続いているのです。これをある人達は続けようとしているのです。

実際、埼玉新聞の紙媒体の論調は4月19日の「反対…男女別学の埼玉県立高校“共学化”やめて、別学4校の同窓会会長らが訴え」記事にもあるように別学支持のように見えます。
共学支持の記事は小さいし、一面に出たことはないような気がします。これは男性同士の絆キャンペーンの一環ではないかしら。ホモソーシャル、ともいうらしい。(もっとも女子校でもと言われるます)

また、この記事では浦和高校・同窓会会長(男性70才)の『共学校では男子が力仕事、女子が男子の補助の役割を担っている』

という発言が一面に載っていますが、この話を持ち出すこと自体、

「今どきの共学は違うよ? それっていつの時代の話?」
と言われてしまうことではないだろうか。女性の年下上司も生まれていることだし。

(追記1、共同通信発のニュースには浦和同窓会長の発言の記載はなく、かわりに「シェルターとしての役割(浦和一女・女子校」と「伝統を壊してまで共学化するのは疑問(春日部高校・男子校)」の発言を載せていました。川越女子校の発言はこの二誌に記載がありませんでした。)

(追記2。同じ埼玉新聞でもネット記事の方はもうちょっと違う感じです。)

情報労連リポート2018.6月特集では「男の絆から生まれるセクハラ、ホモソーシャルを知っていますか」でまさにこの問題を取り上げています。

答えは一つではありません。一つ目は、性別役割分業で日本経済がある程度回ってきてしまったこと。

二つ目は、ホモソーシャルが男性にとって都合がよかったこと。男性というだけで出世がしやすい。下駄を履かせてもらえます。

三つ目は、企業や行政の中心にいる人たちに、性別役割分業観が強いことです。東大や京大の合格者には男子校出身者が多くいます。男子校出身者の方が性別役割分業を肯定する割合が高いというアンケート結果があります。

合格者の中には、専業主婦がいる高所得世帯の出身者も多くいます。社会の中枢を担う人たちの中に、性別役割分業観が強い人たちが多くいることでホモソーシャルが再生産されていると考えています。

情報労連リポート2018.6月特集の「男の絆から生まれるセクハラ、ホモソーシャルを知っていますか」前川 直哉 福島大学総合教育研究センター 特任准教授

「男子校シンドローム」とはこちら。

男性がホモソーシャルの価値観を内面化すると、女性を恋愛やセックスの対象か、ケアに従事する人としか捉えられなくなります。私はこれを「男子校シンドローム」と呼んでいます。そうではなく、自分と同じように仕事し、社会を担う対等なパートナーだと認識しなければいけません。

必要なのは「男子校シンドローム」を取り除くこと。つまり、日本社会を「共学化」することです。具体的には、クオータ制の導入など、ポジティブアクションを進めることです。役割を担う女性が増えてくれば、同じ社会を担うパートナーという意識が根付くはずです。

情報労連リポート2018.6月特集の「男の絆から生まれるセクハラ、ホモソーシャルを知っていますか」前川 直哉 福島大学総合教育研究センター 特任准教授

最後のひとつは、公立だから。
税金を使って、経済の中核に男性優位の仕組みをうみ続けなくてもいいでしょう。それに男子校には女性の先生の配置が少ないだろうし、無理に配置しても退職してしまい、ますます減るような気がします。

おまけ
「異性からのシェルターとしての役割」は必要だと思いますが、それが進学校である必要がありますか? 

別学校をつくり、普通校の中に進学コースを設立する方式でもいいと思うのです。それに中高の保護者だけがアンケートの対象だけど、0歳児からでもいいと思うの。いずれは0歳児も中学生になるしね。

伝統の問題は「その伝統は時代にあっていますか?」

その伝統ができた時代、大学に進学するのはほぼ男子で、女子は無理して勉強しなくてもよい、と言われていたのです。今とは背景が違う。その時代の伝統を残す意義はどこにありますか?

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