メタバース関連の本を何冊か読んでますが、今のところ、一番しっかりとした分析がなされている本だと感じたのが、
加藤直人さんの
『メタバース さよならアトムの時代』 (集英社)
です。
メタバースによってもたらされる未来に可能性を感じさせつつも、
過度に舞い上がりも、貶めもせず、
徹頭徹尾、常温を貫く姿勢がとても信頼できます。
私としては「ほぼ想定通り」な内容でしたので、
自身のメタバース考察の「答え合わせ」をする目的が果たせました。
備忘録も兼ねて、気になった箇所をピックアップしていきます。
(引用の際に、筆者が多少改変しています)
■メタバースにおけるクリエイター・エコノミー
私が一番気になるのは、やはり、エンタメやクリエイティブがどのように変化するか、ということです。
「クリエイター・エコノミー」に関連した記述を挙げていきます。
■存在するだけで情報発信?
本書の内容は全体的に共感をおぼえるのですが、
どうしても引っかかってしまったのが、「第6章 メタバースの未来と日本」で記された以下の内容でした。
いずれも納得ですし、きっとそうなっていくと私も思います。
ただ、そのような状況が実現した時、
アバターの奥に、生身の人間がいる必要があるのだろうか?
と感じてしまうのです。
岡田 斗司夫さんが『ユーチューバーが消滅する未来 2028年の世界を見抜く』 (PHP新書)
で記していたように、
「AIユーチューバーの住んでいる世界」そのものを提供する娯楽
のほうがはるかに需要があるように思います。
そんな世界において、本当に「クリエイター・エコノミー」は成立しうるのだろうか?
…という懸念さえも浮かんできてしまいます。
■そのほか、気になった箇所のピックアップ
ここからはテーマを区切らず、私が気になったところをランダムに挙げていきます。
「一番よくわかる教科書」と銘打っているだけあって、
丁寧に、過不足なくメタバースを解説した一冊です。
それでいて、読んでてワクワクします。
2022年の今、読んでおいて損はないと思います。