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同じ空を見ていてね~遠い街のどこかで

みゆです。

曲からショートショートを書きました。 
曲を聴きながら、脳内補完してお読みください!

遠い街のどこかで 中山美穂


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 少し酔った足取りで美咲は玄関のカギを開け、部屋に入ってきた。灯りをつけてソファに座り込むと、大きなため息をついた。今日は12月23日でクリスマスイブの前日だ。美咲は仲のいい友人達と一日早いクリスマスの食事を楽しんできたのだ。

 「みんな、明日は彼と会うんだよね。いいなぁ。私は明日ひとりだもんな」
 そう呟いて、スマホを眺める。スマホにはメールやLINEの通知が入っているが、肝心な人からの通知だけは入っていない。美咲はLINEの翔也の画面を出してみる。画面に出てくるのは、既読の付いた美咲からのメッセージばかりだ。

 美咲がLINEの画面を見つめていると、涙が画面にぽたんと落ちた。

 もう翔ちゃん、私の事好きじゃないのかな。向こうに誰か好きな人ができたのかな。忙しいのかな。……寂しいよ。つまんないよ。会いたいよ。
 でも、一緒に行かない選択をしたのは私だもん。だけどやっぱり寂しいんだよ。どうしたらいいのかな。

 美咲と翔也は遠距離恋愛中だ。翔也に転勤が決まった時に一緒に行こうと言われたが、仕事が楽しくなってきた美咲は悩んだ末に行かない選択をしたのだった。仕事は楽しくやりがいもあり、美咲は毎日充実した日々を送っているが、やはり会いたい時に会えない毎日に寂しさは募る一方だった。

 あまり眠れない夜を過ごして、目をこすりながら台所に向かう。水を飲みながら、ぼんやりした頭で今日はクリスマスイブだなと考えた。コーヒーを淹れて、マグカップを片手にベランダに出る。

 今年のクリスマスイブは土曜日か。みんな、今日はデートかな。いいなぁ。いい天気なのに、私独りぼっちじゃんね。ああ、空がきれいだな。翔ちゃんもこの空、見てるかな。見てるといいな。この空って、翔ちゃんの所にも続いてるんだよね。

 コーヒーを飲みながら空を見上げて、そんな取り留めのない事を思った。


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 スマホを眺めた翔也は浮かない顔をしている。スマホには美咲からのLINEのメッセージが入っている。「お疲れ様。あまり無理しないでね」という言葉とスタンプが目に入ってくる。毎日、同じ時間に一言だけ入るメッセージ。美咲にはなかなか返信できないでいた。

 美咲、怒っているかな。俺、全然返信できてないし。どうしよう。このままでいい訳ないよな。寂しがっているだろうな。あいつ、口では強がっているけど本当は寂しがりなんだよな。

 ほとんどの同僚が帰る中、翔也はまだ帰れない。急ぎの案件を抱えていて、ずっと残業が続いている。オフィスの窓辺からはイルミネーションが綺麗に瞬いているのが見える。その光を眺めながら、忙しさを理由にして面倒な事から逃げている自分を恨めしく思った。

 その時、明日はクリスマスイブだという事に気がついた。翔也はちょっと笑みを浮かべて、デスクに戻り残りの仕事を片付けていった。

 クリスマスイブの朝、窓を大きく開けるとひんやりした空気が入ってくる。その空気を思いきり吸い込んで空を見上げた。よく晴れていて、空はどこまでも広がっているような気がした。この同じ空の下には美咲もいるのだと翔也は思った。

 ダウンジャケットに袖を通すと、ボストンバッグを片手に玄関を出た。

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 お昼を過ぎた頃、美咲は今日の夕飯をどうするか考えていた。せっかくのイブだから美味しい物を食べたいが、ひとりだから何かいい物を買ってこようかと思った。

 外食はカップルばかりだし。晩ごはん、どうしようかな。そうだ!デパートに行って、美味しい物を奮発しよう!ワインやケーキも買おう!
 そう考えると、少しウキウキした気持ちになる。美咲が出掛ける用意をしようとしたその時、美咲のスマホが鳴った。電話を掛けてきた相手は、翔也だった。驚いた美咲は恐る恐る電話に出た。

 「もしもし?」
 「美咲?俺、翔也」
 「翔ちゃん、それは分かってるって。いったい…どうしたの?」
 「俺、今駅前にいるんだけど」
 「駅前ってそこの?え、なんで?どうしたの?」
 「クリスマスだから美咲に会いに来た。美咲、連絡できなくてごめん」
 「翔ちゃん…私、寂しかったんだ。でも、迷惑かけたくなかったからずっと我慢してたの。会いたかったんだよ、ずっと」
 「ごめん。今日は美味しい物を食べよう」
 「ちょっと待ってて。私、急いで用意してそこまで行くから!」

 急いで身支度を整えた美咲は、足取り軽く駅に向かった。駅前には見覚えのある姿が見える。翔也が手を振っている。美咲は弾ける笑顔で翔也の所へ駆けていった。


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クリスマスの創作をしたいと思っていました。それもできたらショートショートを書きたいと思いました。でも、最近はなかなかショートショートが書けないでいたんです。

そんな時、白熊杯のプレ企画で曲から一句に参加しました。その時に冬の歌をあれこれ探していた時に、遠い街のどこかでの事を思い出しました。短歌には使いませんでしたが、この曲でお話を書こう!と思ったのでした。

シチュエーションをどうしようかと思いましたが、結局ベタ中のベタな持っていき方にしました。一捻りあった方がいいかと思いましたが、短い話ですし、分かりやすくベタベタにしました。

なんてカッコつけて言いましたが、上手い事アイデアが出なかった、という方が正しいかもしれませんw

最近、短歌を考える事が多くなりました。だからなのか何なのか、こういうショートショートや詩がほんっとうに書けなくて。久々にショートショートを書きました。あまり上手く書けていませんが、曲を聴きながら脳内補完して読んでみて下さい。

ああ、小説なんかも上手く書けるようになりたいよー。でも、長編小説なんて根気やテクニックがなくて書けません。私に書けるのは、せいぜい5000字程度だろうと思います。おそらく、サクッと2000文字程度のお話が向いているんだろうなぁと思っています。


明日はクリスマスイブですね。
あなたの所にもサンタさんが来ますように。
逢いたい人に逢えますように……。


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ここから追記
今日は23日です。
昨日から雨と雪が降ったりやんだりで、今朝はうっすらと積雪していました。たぶん、山間地は積もっていると思います。
時折強い風も吹いて、細かい雪が舞っています。

ほんと、寒いです。
今朝は、タイツの下にストッキングを重ね履きしました。そして、ユニクロのペラダウンベスト(正式な商品名が分かんないw)を中に仕込みました。薄くても、さすがダウンです。あったかいです。
このダウンは、3年以上着ています。ネットに入れて洗濯機で洗ったりしていますが、もうちょっとは着られそうです。買って良かったぁ。

そうそう。今日は新月なんですって。
19:17にやぎ座で新月になるそうです。
「来年の達成すべき目標」を叶った体でたてるといいそうです。
今までコツコツとがんばってきた事が実を結ぶんだそうですよ。

そして、天職を見つける事が大事みたいです。
ちなみに天職とは。

一、自分がそんなに苦労せずにできることである。
一、好きか嫌いかでなく、自分に向いている仕事である。
一、普通にやっていても、人よりできたり、評価されたり、ほめられたりする。
一、それを行うことで誰かの役に立ったり、誰かが喜んだりする。
一、それなりの責任が生じる。
一、社会の貢献につながっている仕事である。

下記のサイトより


私がやってる事も、そうなのかな。
ここで何かいろいろ書いている事も仕事ではないけど、そうっぽいね。
・・・いつか本を出したいという野望は子供の頃からありますけどね。

ああ、追記まで書いたら長文になってしまいました(>_<)
ほんと、寒いのであったかくしてお過ごしくださいね。
と言いながら、晩に冷たく冷えたビールを飲むみゆさんでしたwww


今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪




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