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サンゴの植付けダイビングやってきました!

沖縄の恩納村(おんなそん)でサンゴの植付けダイビングをやってきました!

陸上のサンゴハウスでサンゴの苗作りをして、海中で植付けるというもの。
これ、ダイビングしない方でも参加出来るプログラムなんです。

実は恩納村は、約20年前に恩納村漁業協同組合にてサンゴの養殖と植付けを始めた先駆者で、2018年、

「サンゴの村宣言」プロジェクト~世界一サンゴにやさしい村~

としての取り組みを始め、「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」に選定されています。

🔷世界でサンゴが激減

今、世界中でサンゴ礁が減少しているといいます。

日本最大級、宮古島沖のサンゴ礁群「八重干瀬(やびじ)」でも、生きたサンゴの面積が10年前に比べて約7割減。

先日も、オーストラリアの世界遺産で、世界最大のサンゴ礁、グレートバリアリーフのサンゴが、1995年と比べて半分が消滅している、というnote記事を書きました。

グレートバリアリーフの面積は日本列島とほぼ同じ。
ということはたった26年で日本列島の半分と同じ面積のサンゴが減少している!?ということですよね。

サンゴがないと生物の4分の1が生きていけないと言います。
さらに20年後は一体どうなってしまうんでしょう!?

その原因となっているのは、

■海水温の上昇によるサンゴの白化
サンゴの中に共生する褐虫藻の死滅の原因に
■生活排水・海洋ゴミなどによる汚染
海のゴミの約7割は陸で捨てられたゴミ
■開発・赤土問題(沖縄など)
海辺の開発工事で海に流れ出る赤土がサンゴを覆ってしまう
■サンゴを食べる動物
天敵のオニヒトデの増殖による被害

以前、数年前にモルディブの海で撮った写真をインスタに投稿したところ、そのホテル「フヴァフェンフシ」の海洋生物学者の方からメッセージが届いたんです。

「この写真はいつ撮ったのですか?」と。
撮影したのは投稿の4~5年前くらいだったと思いますが、その方曰く、2016年までホテルのハウスリーフはとてもキレイだったけど、最近ではその多くが死滅してしまった、というのです。
ショック!

🔷選べるサンゴプログラム

こんな情報が沢山入ってきて、生活の中でもエコバッグを使ったり、分別してリサイクルに出すなどの小さな変化はあるものの、何か直接出来ることがないかな?と思っていた時にこのサンゴの植付けのことを知ったのです。

沖縄ではいつも恩納村の「ルネッサンスリゾートオキナワ」というホテルに泊まっていることが多いので、何度も行っているのに、恩納村の「サンゴの村宣言」の取り組みを知ったのは最近で、きっかけは「ラグーン」というダイビングショップ。

そして今までに3回、サンゴ植付けダイビングに参加して来ました!

【選べるサンゴプログラム】
★サンゴの不思議オンラインツアー【SDGs×エシカル】
★サンゴ苗作り体験
★サンゴ植付けシュノーケル
★サンゴ植付けダイビング
★沖縄県恩納村サンゴ植付け代行サービス(恩納村特産品付き)


🔷ステップ1:サンゴのお勉強

こちらがお世話になった「沖縄ダイビングサービスLagoon」さんのショップ。

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まずはツアー参加者に配られる「サンゴの不思議」という冊子を使ったレクチャーでサンゴの基礎知識のお勉強!
ここでいくつかのクイズがありました。

✅クイズ:サンゴは動物でしょうか?植物でしょうか?

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答え
→イソギンチャクやクラゲと同じ刺胞動物と呼ばれる動物!

✅クイズ:サンゴは浅いところ、深いところ、どちらが多い?

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答え
→浅いところ
深いところに生息するサンゴもいるが、浅いところの方が多い

✅クイズ:サンゴはあたたかい海とつめたい海、どちらに多い?

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答え
→当然、あたたかい海の方が断然多いですね

✅クイズ:サンゴはクラゲ、ウニ、どちらの仲間?

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答え
→クラゲの仲間が正解!
(これは間違えました!固い方かと思ってた!)

✅クイズ:サンゴは産卵で増える?分裂して増える?

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答え
→なんと両方!産卵で生まれ、分裂して増える!

✅クイズ:サンゴは歩き回る?動かない?

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答え
→びっくり!両方!
殆どが動かないけど、一部、非固着性という動ける種類のものもあるそう。

ふむふむ。

🔷ステップ2:サンゴの苗作り!

レクチャーのあとは苗作り!
まずは苗を固定するスティックに思いを込めてメッセージを書きます。
この、白いアイスのホームランバーみたいなのは、塩化マグネシウムや、にがりなど、サンゴや石灰岩とよく似た成分のセメント。

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3回目の苗作りの際に、前回からの変化あり!
実は1回目、2回目は、メッセージを油性マジックで書いていました。
(海中では、じきに消えてしまいますが)

でも、3回目に行った時にはこれが「おこめのクレヨン」になっていたんです!
これは実際に植付けに来られたお客さんからの提案だったそうで、それをすぐさま取り入れられたんですね!
ステキ!
さらに、ダイビング前に書類に署名するためのペンは、日本初のフェアトレード認定紙、バナナペーパーのものでした。

次にダイビングの準備をして、陸上にある「サンゴハウス」というサンゴ養殖施設へ!

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植付けるサンゴの苗は、養殖で大きく育った親サンゴより採取。
元々は特別な許可を得て採取された恩納村の天然サンゴ!

養殖を始めた当初は、「それってクローンじゃないの!?」などの批判の声もあったそうですが、恩納村にある沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究ユニットによるゲノム(遺伝子)解析結果によると、懸念されていた養殖サンゴの遺伝的多様性は、天然のサンゴと変わらないレベルだと発表されています。

そして先ほどメッセージを書いたスティックにサンゴの枝をくくり付けて固定して出来上がり!

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これらをすぐに海底に固定するのではなく、中間育成棚というところで数か月育成させると、こ~んな感じでスティックを取り巻いて増殖し、しっかりと固定されるのです。

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🔷ステップ3:サンゴ畑で未来に託す!

ダイビングショップからすぐの恩納漁港からボートでわずか5分ほどのところにサンゴ畑があります。

潜ってすぐに目に入って来た一面のサンゴ畑!
これが中間育成棚です。

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ここに先程作った苗のスティックを差し込んで、固定されるまで育成されます。
大きくな~れ!大きくな~れ!

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🔷ステップ4:サンゴの植付けでつながる思い

次は、数ヵ月前に誰かが作ってこの中間育成棚に置いて行ったサンゴで、成長して固定された苗を地面に植え込みます。

つまり、自分が作った苗を自分で地面に植えるのではなく、数か月後、次に来た誰かが植付けてくれて、思いはつながっていく、ということです。

海底の岩盤にドリルで穴を開けてスティックだけが差してあるところを抜いて、サンゴ付きのスティックに差し替えてねじ込む!

この日、結構流れがあって、身体が左右に揺れに揺れていたので必死!

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そして私は見たんです!

その周辺で、植付けたサンゴがでっかく成長しているのを!
おおおおお!!!!!
感激ー!

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植付けのあとの2本目は、サンゴ畑周辺のサンゴ礁でファンダイビングをして来ました。

サンゴがピンクや黄色で可愛い!

この細長い棒の上で養殖されているサンゴは、天敵のオニヒトデなどが上って来るのを防ぐため。
そして波による破損を防ぐために固定されずにクルクル回るんです。
まるでサンゴの風車!

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ライセンスを持っていない人でも体験ダイビングで参加可能です。
海に入らない方でもサンゴの苗作りが出来ます。

下記、写真左の友人2人はライセンスなしなので、インストラクターさんがしっかりサポートしてくれてます!

私(写真右)が持っているライセンスは「ダイブマスター」、水中は自分の体重を忘れることが出来て幸せ♪

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「ダイブマスター」とはインストラクターの一歩手前かな。
私の場合、なんちゃって、ですけど。

今はすっかり慣れたものの、初心者の頃は水中で自分の身体をコントロール出来ずに、あたふたしていっぱいサンゴ、蹴っ飛ばしました。

罪滅ぼしするしかありません。

でも、もしボキッと折ってしまったり、折れてもまだ生きているサンゴを見付けた時などは岩の隙間などにねじ込み、動かないようにすれば、そこでまた再生する、と聞きました。

🔷海に入る前に知るべきグリーンフィンズ

今回、新たに色んなことを学びました。

「グリーンフィンズ」もその一つ。

「グリーンフィンズ」とは、サンゴ礁保全の取組みで、環境に配慮したダイビングやシュノーケリングのガイドラインの作成とそれを遵守しているダイビングショップの評価・認定を行っている企画。

世界ではフィリピン・ベトナム・タイなど11カ国、約600のダイビングショップに採用され、地方自治体が主となって本格導入するのは恩納村が初めてだそうです。

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「グリーンフィンズ」の15の項目
✅サンゴの上に立たない
✅海底の砂や沈殿物を巻き上げない
✅海洋生物を追いかけたり触れたりしない
✅手袋を着用しない
✅魚の餌付けをしない
✅海にゴミを捨てない
✅魚突き、スピアフィッシング禁止
✅フカヒレ漁をサポートしない
✅海洋生物を使ったお土産を買わない
✅海洋生物は生きているものも死んでいるものも収集しない
✅サンゴ礁に錨を下ろさない
✅ブイを使用する
✅シュノーケリングの際にはライフジャケット等を着用する
✅環境法違反を報告する
✅環境保全の取り組みに参加する

あれれ、以前、沖縄で青の洞窟のダイビングツアーに参加した時には、スタッフさんからパンを手渡され、餌付けしてしまったな~。

中国料理でフカヒレ、食べてしまったな~
いつもカメ見付けたら追いかけてました。
反省!

🔷学ぶことから始まるSDGs

そんな思いもありながら、折角の沖縄なので、古宇利島(こうりじま)までドライブ!

古宇利島へ渡る橋のたもとにあるビーチに、「わー!」と興奮して降りて行くと、まず、軽石の多さにびっくり!

あの、ニュースでやっている小笠原諸島の海底火山の噴火で噴出した軽石ですよ。
沖縄まで沢山、流れ着いているのです。

そして、気付けばあちこちにゴミ、ゴミ、ゴミ。

普段なら「あらら~」と思ってもスルーしてましたが、サンゴレクチャーを受けた後の私達はスルー出来なかったんです。

幸い、ゴミ袋も持っていたので、ほんの2~3分ビーチクリーンをしていると、こんな袋が2ついっぱいになりました。

中には中国語が書かれたペットボトルも。

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そして古宇利島のティーヌ浜にあるハートロックへ。

古宇利ブルーと呼ばれる青い海に、2つのハート型の岩!
波と戯れる写真を採ってもらおうと、カメラを友人に託してポーズを撮っていると、突然、でっかい波が来て、私のサンダルがあやうくさらわれるところでした。

そしてこのティーヌ浜でもゴミを拾い、駐車場へ戻ろうとすると、そこにはゴミ箱が!

確かに、拾いたいけど、拾ったゴミ、どうする!?というのがあると思いますが、これは嬉しい!
もっと各ビーチに増えるといいですね。

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また、丘の上から古宇利大橋を見渡せる「古宇利島オーシャンタワー」の展望台で美しい景色を見ていると、お隣の結婚式場ではまさに式の真っ最中。

「わ~、こんな絶景ポイントでの結婚式、ステキ!」

そう思った瞬間、一斉に舞い上がる風船の束!
周りは海!

「えー!ダメー!!!」


私もプラスチック製品も使うし、フカヒレも食べました。

が!
海に意図的にゴミを捨てることはしません。

結婚式のその瞬間を切り取れば、空に舞い上がる色とりどりの風船はキレイです。

でも、その風船がたどり着く先は海。
行く末はただのゴミです。
これ、なんとかならないんでしょうか。

でも、私も色々勉強する前は、ただ「キレイ」と思っていただけ。

ラグーンの方もおっしゃっていました。

「破壊されていくサンゴの量に対して植付ける量だけではとても追いつかないけど、こういった取り組みの中で一人でも多くの人が関心を持ってくだされば」と。

そのためにもマイクロプラスチックを使ったアクセサリー作りなども実施してまず知ってもらうための活動もされているそうです。

SDGsも学び、知ることで取り組むべきこと、何が継続出来るのかが見えてきます。

まずは、「サンゴに優しい日焼け止め」を使ってみるのはどうでしょう?
パラオなど、環境・サンゴに優しい日焼け止めでないと使用禁止になっている国もありますしね。

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今後も、サンゴの植付け、継続したいと思います。

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