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観光魅力度が世界一の日本を巡る!「西の迎賓館」奈良ホテル

今年5月、「観光魅力度」で日本が世界一になったというニュースがあり、こんな世界情勢の中、誇らしい限りです。

私たち日本人が、「早く海外に行きたいな~♪」と思っている以上に世界では「早く日本に行きたい!」と思っている人が多いということですよね!

観光魅力度ベスト5(世界117の国や地域の中)
1位 日本
2位 アメリカ
3位 スペイン
4位 フランス
5位 ドイツ

その中でも外国の人にとって魅力的な古都奈良。

私もこの2年ほどの間に、奈良で世界遺産に登録されている「古都奈良の文化財」8つの資産を全て巡りました。

今年6月の奈良旅行では、かつて「西の迎賓館」と呼ばれた113年の歴史を誇るクラシックホテル「奈良ホテル」に宿泊し、【花の御寺】と呼ばれる紫陽花の名所と、穴場映えスポットを巡ってきました!

⭐そうだったのか!JTBのはじまり

「インバウンド」という言葉に耳慣れて久しいですが、国をあげての本格的なインバウンド計画が始まったのが明治時代。

1893年(明治26年)、日本で初めてインバウンド専門の民間機関「喜賓会」が誕生。

国際観光事業の必要性と有益性を唱えてこの専門機関の設立を指揮したのが、渋沢栄一氏だったのです。

1912年(明治45年)には日本交通公社(後のJTB・ジャパン・ツーリスト・ビューロー)が創設されています。

おー!
ジェ-ティービー!
そうだったのかー!

主導したのは鉄道省。
・外国人への鉄道院の委託乗車券の販売
・海外での嘱託案内所の設置
・訪日外国人観光客の誘致
などを行っていたそうです。

そのベースがあり、1964年(昭和39年)の東京オリンピック開催に向けてのインフラが整備されました。

私は今、日本クラシックホテルの会に加盟する9つのホテルをコンプリートすべく、巡っていて、この奈良ホテルは6つ目。

日本建築の美しさに加え、シャワーなどの西洋式設備を備えた和洋折衷のクラシックホテルの歴史を紐解くと、現在の「観光魅力度」1位の日本につながるベースが見えてきます。

⭐「西の迎賓館」と呼ばれた奈良ホテル

1909年(明治42年)に開業した奈良ホテル。

まずはこの美しい外観!
これだけを見ると、寺社仏閣かと見紛う純和風。

東京駅や日本銀行本店を設計した、近代建築の父、辰野金吾氏設計による桃山御殿風檜造りです。

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撮影ポイントの一つがこの階段!
いいわ~♪

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このホテルが「西の迎賓館」と呼ばれた理由は、かつて、皇族の方々や、外国からの要人、賓客を迎えたことによります。

各国の大統領や王室の方々はもちろん、名だたる方々が宿泊されています!
キャー!オードリーペップバーン!

奈良ホテルを訪れた要人
🔷オードリーペップバーン
🔷チャップリン
🔷アインシュタイン
🔷ヘレンケラー
🔷リンドバーグ
🔷東条英機
🔷司馬遼太郎

奈良ホテル前で撮られたチャップリン夫妻の写真(左)とホテル従業員とオードリーペップバーンファミリーとの記念撮影(右)。
ヘップバーンさんは右から2番目!
ここに立ってたんだ~!と思いながら同じ場所に立つと感激!

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⭐アインシュタインが弾いたピアノが60年後に里帰り

ラウンジには、1922年12月17日より2泊したアインシュタイン博士が弾いたピアノやその写真パネルが展示されていました!

このピアノ、長らく所在不明になっていたところ、1992年、旧国鉄大阪鉄道管理局舎の解体時に発見され、交通科学博物館に保管されていたといいます。

2008年にアインシュタイン博士がピアノを弾く写真の原版が入手出来たことにより、このピアノは元々奈良ホテルにあったものと、発覚したとか!

ピアノは戦後、GHQによる接収前にホテルから運び出されたと推測され、創業100周年の2009年、60年ぶりに奈良ホテルに里帰りした、と書いてありました。

脚部には鉄道省・国鉄の「動輪」が施された珍しいピアノだそうです。

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ちなみに「東の迎賓館」は迎賓館赤坂離宮です。
こちらはまるで宮殿!

⭐第1問!世界ふしぎ発見!

奈良ホテルに行こう!と思った理由は、9大クラシックホテルを全て巡ろうと思ったことに加え、「世界ふしぎ発見!」がきっかけ。
迎賓館赤坂離宮に行ったのもこの番組を見たから。

外観も奈良の景観にも沿う寺社仏閣風。
内観も同様、海外の方にも喜んで頂けるような工夫が施されています。

さて、ここで第1問!
(実際に番組で問題になってました!)

「奈良ホテルのロビーにある暖炉。
この暖炉を囲っている日本風のものとはなんでしょうか?」

正解は、こちら!
鳥居です!
わーお!左右には狛犬!
しかと見てきました!

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⭐知らないと「誰?」知ってたら「おー!」

もう一つ、世界ふしぎ発見!と見てたからこそ、しかと確認して来たのは!

ラウンジにあるこの彫像!
「ん?誰?」と思った方!
分かります、私も「世界ふしぎ発見!」を見てなかったらそうだったでしょう。

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このお方は、戦時中、奈良ホテルに滞在していたフィリピンの当時の大統領、ホセ・ラウレル氏。

日本が占領していたフィリピンの戦況が激化し、大統領一家が日本に呼び寄せられ、奈良ホテルには一時的に亡命政府が置かれていたのだそうです。

番組では、この元大統領の息子さんで、第6代駐日フィリピン大使、ホセ・ラウレル3世が、父親と共に奈良ホテルに滞在した当時の思い出を語られていました。

フィリピンのセブ島、グアム、パラオ、いずれもリゾート地としても人気で、私も旅行、ダイビングなどで何度も行きましたが、ふと、こんな話を聞くと、ちゃんとその国の歴史を知ってから行こうと思うのでした。

⭐癒されるクラシックルーム

宿泊したお部屋は、本館デラックス クラシックルーム。
落ち着くお部屋でした。

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クラシックながらも、水回りはとってもキレイに改装されていて、ストレスなし!
猫足のバスタブっていいですね♪
アメニティはフェラガモでした!

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至るところがノスタルジック!
今はオブジェになったいうスチーム暖房が、ライオンの装飾が施されていたり、ゴージャス!

レトロなダイヤル式電話、レバーを上下にON/OFFになる電気のスイッチ!

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⭐奈良ホテルのグルメ

まずは庭園に面したティーラウンジでスイーツタイム。

ナニ!
1日10食限定の和風フレンチトーストがあと2個!?
ラッキー!

伝統のアップルパイと和風フレンチトースト、友人と半分こして頂きました。

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夕食は、メインダイニングルーム「三笠」のフレンチディナー。
ここにも、鳥居に囲われた暖炉がありました。

世界遺産 興福寺の五重塔が見えるお席!
やった〜!

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国産牛フィレ肉のステーキが柔らかくて美味しかった~!

朝食はこのホテルの名物、という茶粥の和朝食膳にしました。
友人が選んだ、野菜の煮込みとピーチドエッグのココットの洋食も美味しそうでした♪

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⭐ホテルの中で宝探し

敷地内、館内には見どころいっぱい!
QRコードを読み込むとホテルヒストリーを知ることが出来たり、宝探しをするつもりで散策すると超楽しいです!

ホテルの大屋根の上にある「鴟尾(しび)」という魚の形をした装飾瓦。
水面から飛び上がる魚の尾の形。

階段下、バーのガラスには、魚の中に鐘楼や五重塔の絵柄。

これらは、いずれも木造建築のホテルを火災から守る【水】のおまじないの意味だそうです。
お城の天守の上にある鯱(シャチホコ)と同じですね!

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(左上)階段途中に置いてあった銅鑼(どら)は、昔、お客様に食事の時間を知らせたり、大戦中には空襲警報の役割をしていたもの
(右上)ラウンジの机は裏返すと碁盤
(左下)玄関の柱の「乳唄(ちちばい)」と(下真ん中)階段の手すりの角にある「擬宝珠」は、元々は金属や真鍮だったものが、戦時中の供出により木製や赤膚焼に代えられた
(右下)石灯籠には、奈良では神聖な鹿の彫刻

お寺の門などで良く見る、左下のような、おっぱい型のものは「乳唄(ちちばい)」というのだと初めて知りました。

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2013年、倉庫から見付かった銀食器はかつて長崎ホテルで使われていたのを継承したものだそうです。

鉄道省が創設したホテルだけに、鉄道省のロゴマークである動輪が!

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終戦後、米軍に接収された際には、なんと「ホテル全体にペンキを塗れ」という指示があったそうです。

が、当時の支配人からホテルの由来を説明して難を逃れるも、ベランダの手すりは「神社でも塗ってあるんだから」ということで、白木造りから朱色のペンキで塗られたそうです。

ホテル全体がペンキで塗られなくて良かった~!

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ちなみに、米軍による接収が解除されたのは、終戦から7年後の昭和27年。

奈良ホテルを通して楽しく歴史を知ることが出来ましたが、ホテルの前には、日中、ムッキムキのお兄さんが引く人力車が待機していました。

それを見て、是非また母を連れて行きたいな、と思ったんです。
あまり長距離が歩けなくなった母も、人力車なら楽しく巡れそうです。

次週は、奈良で巡った【花の御寺】と呼ばれる、長谷寺、岡寺や、インスタで見付けた穴場映えスポットに行った記事を書こうと思います。

一面の紫陽花が見事な時期でした。

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