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私が縫製工場を世界中に作りたい理由

今日は「阪急百貨店うめだ本店」で開催中の「ディオール、パリから日本へ」展へ行ってきました。私が海外向けのファッションブランドを立ち上げ中なのはもうすでに書きましたが、日本の伝統的な素材を使ったブランドを世界に展開しようとしています。

衰退しつつある和の伝統を世界に発信していくことはもちろん、東南アジア各国に自社の縫製工場を作り雇用を生むことがこのブランドの最大のミッションです。

外国人を雇用されている縫製工場をいくつか回った際、驚いたのは、技能実習生として来ている女性の中に産後間もないママが何人かいたこと。その理由を尋ねると、ママがいなくても寂しがらない(記憶に残りにくい)3歳までに、日本で思いっきり稼ぐため。

毎晩、テレビ電話の向こうで、おばあちゃんが赤ちゃんをあやすのを泣きながら見ていると社長さんから聞いて、帰りの電車では涙が止まりませんでした。子どもが「ママ」と言った瞬間、お座りやハイハイできた瞬間、よちよち歩き始めた瞬間を見られないなんて…。

マニラのスラムツアーで、日当数十円のために8時間以上もひたすらニンニクの皮むきをしている女性の方が笑顔で幸せそうに見えたくらい。。

送り出し機関(いわゆる派遣エージェント)に100万円近く払い(貯金がなければ借金して日本でもらうお給料で返済。なので半年以上は無給)、彼女たちは3年間は自国に帰らない覚悟で日本に来ています。

私が見学させていただいた工場ではありませんが、技能実習生とは名ばかりで、安価な労働力としてこき使う工場主も多く、セクハラやパワハラも横行。その結果、縫製業に限らず、逃げ出す技能実習生が急増して社会問題化しています。

お金を稼ぐためだけに、愛する家族と離れ、言葉も文化もわからない国で機械のように働く。そのストーリーに幸せが感じられるでしょうか。だから私はアイデンティティーを大切に、家族とともに暮らしながら、相応の賃金がもらえる工場を展開していきたい。

そして、ディオールの美しいオートクチュールドレスを見ながらあらためて思いましたが、自分が作った服がショーウィンドウを飾ったり、まだ夢語りですが雑誌に取り上げられたり、有名人が着てくれたり、ファッションは夢いっぱいのビジネスです。

縫製工場の女性社長さんが、縫製はもともと夢のある仕事だったのが、今や夢のかけらもないと嘆いていました。だから外国人を実習生として迎えないといけない現実もあります。

「今まで服が作りたいという人しか来たことがなかったのに、世界の女性を幸せにするために服が作りたいなんてほんまびっくりやわ!」とおっしゃっていましたが、今は私の夢に向かって一緒に伴走したいとおっしゃってくれています。

ジャパンクオリティーを丁寧に海外工場に伝えていくため、来月には国内に自社工場を稼働させます。やってはいけない事業の一つに間違いなく入るアパレル業界に足を踏み入れてしまいましたが(しかもこんなに大変だなんて!)、頭をひねってどうやって世界に売り出していくか、こんなにワクワクしているのは初めてです。だって、たくさんの女性と子どもの笑顔が絶対に見られるビジネスだと分かっているから!それが私の今の原動力です。

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