土門拳「習った上手さほどイヤなものはない」

画像1 ずーっとワークショップの講師をやらせてもらっているにもかかわらず、「僕なんかが教えるなんておこがましい」と思っている宮田です。
画像2 なので、ワークショップではカメラの設定や撮り方をゼロから100までゴリゴリに教えているわけではなく、一緒に歩いて、撮っている姿と結果の写真(成功も失敗も)を見せるくらいに留めている。
画像3 もちろん、撮り方や設定は頑なに教えない訳でもなくて、『聞かれたら教える』ってくらいで、、、「お前、手ぇ抜いてるんじゃないの??」と言われてもまぁおかしくはない笑
画像4 一応、理由らしきモノを並べてみると、、、せっかくの自由なスナップ写真なんだし、宮田に縛られることなく、個々で自由に「自分の写真」を目指して撮って欲しいってのが根底にありましてね。
画像5 「一瞬」を狙う瞬発力が必要な場合も多いスナップでは、テキスト丸覚え・設定丸覚え的な講義はあまり役に立たないし意味がないと考えている。
画像6 個々で好きな構図やトーンって全然違うし、「宮田のコピー」を撮って欲しい訳でも、「宮田のコピー」になって欲しい訳でもないと思ったり、、、(もちろんコピーされるのは嬉しいんですけどね笑)、、、
画像7 僕は基本的に仕事もスナップもマニュアルで撮るけど、それだけが正解ではない。慣れないうちはとりあえずPモードなどにしといて、まずは被写体の観察と選択に集中するのもひとつの手かな、と。
画像8 宮田の好みに寄せたり、宮田からの情報だけを鵜吞みにして、小手先で上手くなって欲しくない。世にある書籍や情報は「教科書」ではなく、あくまでも「参考書」であり、選択肢のひとつ。写真に限らずですが、いろんな角度から様々な情報を得て、吟味し、咀嚼できる「大人」になって欲しい。
画像9 どうしてもね、先生や講師のストライクゾーンに上手く投げ込むような、あるいは全然逆方向にぶん投げるような、小手先の変化球やコントロールを身に付けがちなんです。僕も先生に褒められたくて寄せて行った気がする。
画像10 あと、割と「食わず嫌い」する人も多いんだけど、ちょっとガマンして撮り続けてみると、「写真」を「作品」にしてみると、意外と好きになることもあったりする。
画像11 もちろん、何度も何度も書いているが、絵画と同じように写真だって『模写』することも大事。「自由ってナンダヨ!初心者は自由になんて撮れない!」って人もいるので、ある程度のお題も出す。それをやるのは必須ではない。義務教育でもないし、学校でもない、自由なワークショップ。合う合わないもあるし、それぞれ忙しさも違うので、撮るも自由、撮らぬも自由。他の道に行くのも自由。
画像12 進むべき道の選択肢が幾つも幾つもある中で、考えて撮り続けて、撮ったら考え続ける。自分に合う道を取捨選択して欲しい。その先の先で宮田の道にかすったり、選択してくれるのであれば本当に嬉しい。
画像13 宮田が何をどう言おうとも、学ぶ人は学ぶし、読み取ろうとする人は読み取る。言い方はアレだが、育つ人は勝手に育つ。言うことを聞かない人は聞かない。でもそれで良いと思う。自分を変えられるのは自分だけで、外側からは変えようがない。
画像14 勝手なことを言ってしまうと、、、習った上手さより、紆余曲折や四苦八苦して自力で手に入れた上手さの方が個人的には好き。
画像15 そうして手に入れた力は絶対にゆるがないし、いざという時に嘘をつかない。

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