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以前、炎上したスクールフォトの件を咀嚼して寝かせていたら熟成下書きになり、その後、再炎上中……

スクールフォト炎上の件を自分なりに咀嚼して、ちょっと寝かせていたら、いつの間にか熟成下書きへ。。。そして最近また再炎上しているようで。。。

※多くの人は知らないと思うので【スクールフォト 炎上】あたりで検索してみてください※

以前の経緯をザックリ書くと、Xにて、、、

「カメラマン大大大募集です。現在3名しか決まっておらず、あと100名くらい来ても大丈夫です。小・中学校入学式の写真撮影案件」(Xに投稿された文面、現在は削除)

という、スクールフォトカメラマンを募集する何気ないこのポストを読んで、、、

「Xで募集して何かあったら責任取れるのか?」「親として怖すぎる」などなど批判が相次ぎ、大炎上。。。

それに対して、スクールフォト業界、界隈が様々な反応を見せた、という件でございます。

ぬぼーーーっと生きている野良カメラマンの宮田からすると、スクールフォトカメラマンを生業にしている方々には大尊敬の感情しかない。

ハッキリ言って、現場はめちゃくちゃ過酷。


ざっくりスクールフォト界隈の説明をしとくと、、、

基本的には地場の写真館・写真スタジオが請け負う。

入学式や卒業式、運動会、遠足や修学旅行などのイベント・年中行事がある時期は超繁忙期。

フォトスタジオ所属のカメラマンだけでは賄い切れないので、フリーランス・個人事業主のカメラマンの奪い合いになるくらい。

野良カメラマンの宮田も、アシスタントとしても何度か地場の写真スタジオから声を掛けていただいたが、、、

僕は繁忙期にちょろっとお手伝いしたことがあるってレベル。生業にする自信はないし、申し訳ないがするつもりもない。

ちょいとした持論での理由としては、、、

遵守すべきルールやマナー

学校特有のルールやマナーは絶対遵守。学校によって色々とあるんだろうけど、、、まぁ、、、なかなかなもんだ。この後に書く「コミュニケーション能力」とかなり紐づいている。

この辺りにがんじがらめにされて心身ともにめちゃくちゃキツい。

「カメラマンのヒエラルキーで言うと、スクールフォトは底辺」といったXの投稿も見られたが、まず学校内でのヒエラルキーが一番下。

正直、言いがかりみたいなものも含めてほんのちょっとしたクレームでも謝罪&撮り直しは当たり前。再撮の金なんて出ない。交通費すら出ない。

悲しいかな、絶対服従である。

コミュニケーション能力

先生・生徒双方に対して相当高いコミュニケーション能力が求められる。

「髪型は命より大事!」「今日、顔が死んでるから撮られたくない……」って子は勿論いる。

それをどう上手く整えさせるか。盛り立てるか。

こちらから髪型や服装、立ち位置・顔の位置をチェックはするんだけど、あまり見すぎてもダメ!もちろんちゃんと見てあげなきゃダメ!見すぎちゃダメよ!と口酸っぱく何度も言われた。

生徒への声掛けは、大きすぎず、小さすぎず、ちゃんと伝わるような声で、威圧感は絶対に与えてはならない、でも小さい声では何も聞こえないから小さすぎない絶妙な大きさの声で、、、指示を出さなければならない。

……カメラマンもそうだが、やっぱり先生って大変だな、っていつも思う。


拘束時間の長さ

早朝集合で夜遅くまで続くのも多々。

朝の5時6時集合で、途中の水分補給くらいで昼休憩ナシ。

集合写真用のひな壇を組み立てたりバラしたり、個人撮影用のセット組んだりバラしたり、、、立ちっぱなし動きっぱなし先生にも生徒にも気を遣いっぱなしで夜まで、、、とかね。

んで、納品までの時間は短い。短いというか撮ったメモリカードをそのまま写真スタジオに寄って置いていく場合も多い。スピード勝負に慣れたレタッチャーを別に確保しているはず。


ギャランティの安さ

学校からフォトスタジオに入る金額は知らないが、末端のカメラマンが貰える金額は繁忙期ですら正直安い。。。

多少ぼかして書くと、10~15時間の拘束で2~3万円ってところでしょうか。

ちなみにフリーランスのカメラマンは機材全て自前。保証・保険も当然だが自前。

んで、閑散期の稼働はほぼゼロというかなりの落差。

死ぬほど時間と心身を削って2万とか、、、ホントに死ぬ。

瞬時の判断・フットワークの軽さ

動きにくいスーツ着用して状況状況で空気を読んで、瞬時にパパパっと動くフットワークの軽さも必須、、、と、必要な能力を挙げて行くとキリがないくらい、大変。。。


……ってな感じで、、、ああ、もうなんか言葉もないですわ。。。笑

ちなみにウェディング・ブライダルのカメラマンも大尊敬。

式次第やテーブル・席を記憶して、全員をまんべんなく撮って、料理やブツも撮って、やり直し絶対ナシの一発勝負。

来場者や会場のスタッフ、撮影している動画や他のカメラマンの邪魔にならないよう背後にも目を光らせながら配慮しつつ、スーツ&革靴で瞬時の移動。撮り漏らし絶対NG。

こう書くと、すんげぇ世界だ……みんなようやっとる。。。

ぶっちゃけ、スーツと革靴で撮影なんてもう何年もやっていない駄カメラマン宮田はスクールもブライダルも出来ないカラダになってしまった。。。

一応書いておくと、言わずもがな宮田の普段の仕事も撮り漏らしとか絶対NGです笑。ブレ、めつぶりや半目は当然NG。だから猛烈に連写するしストロボも使う。

「ん~、連写なんて……」「一枚必中の一発勝負じゃないなんて……」と言うのももちろん自由。

僕の考えとしては、一発のホームラン狙いではなく打率を上げなければならない。

「はい、全てめつぶりと半目でした。ごめんちゃい」ではシャレにならん。

この辺りは自分からコントロールできない部分。だから連写を選択するだけの話だし、普段のスナップから連写して、仕事に活かすための「筋トレ」をしているだけでござんす。

皆さま、お好きなように……

話は思いっきり逸れたが、たしかにスクールフォトはお金の流れや仕組みからして旧来の業態の維持はかなり難しい。

末端カメラマンの拘束時間や金額面は相当厳しいし、何より子供が減っている。

ウェディング・ブライダルもそうだけど、長時間拘束で一発勝負で100%撮り漏れナシという過酷な条件のわりに対価が低い。低すぎる。

拘束時間を短くしてギャラを上げたら済む、って単純な話でもないのだろう。んまぁ外から見た感想としては、現状では夢も希望もないのは確かだが……

ちなみにスクールフォトのみずっとやっている先輩にちょっと話を聞いたら、「フリーランスなの?どこからどうやって仕事とってるの??俺でも生きて行ける???何があったら相談して良いっすか????」という会話になった。

そんな感じで、外の世界を知らないがゆえにスクールフォト業界を離れられない、という人も結構多い。

が、その業界で鍛えた技術、コミュニケーション能力、体力、強心臓があれば正直どこでもやって行けると思う。

末端から業界の商習慣を変えるのは相当難しい。自分自身の責任で外に一歩動く方がまだ簡単かな?とは思う。

写真に限らずどんな世界や業界でも、一歩踏み出すか否かは本人の気持ちとタイミング、でしょうかね。

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