【エッセイ】田舎を舐めるんじゃない

「緑のある景色ってやっぱり良いねぇ~♪」

「山の緑が美しいねぇ~♪」

など、僕にとっては全く無意味なフレーズです。草木の緑というものに全く魅力を感じません。自分の描く絵にも緑色って使う事があるのですが、実はそんなに使う機会って多く無いと思うんですよね。

理由はおそらく二つ。

一つは、毎年初夏から秋にかけて行う自宅回りの草むしり。とにかく今住んでいる家の周りは良く草が生えるのです。面倒臭いのなんのって。

もう一つは、親の実家が結構な山奥で、本格的な「田舎」なのです。子供の頃、定期的に親の帰省に付き合わされましたが、何もやること無いし、遊べないし、振舞われる料理も口に合わない。非常に困ったのを覚えています。一面に広がるのは田んぼと山のみ。夏は緑色しか目に入りません(笑)。コンビニやスーパーなんてないし、店自体がない。おそらく地元の人は、車で町まで行くのでしょう。確か、お隣さんが1、2軒いらっしゃいましたが、他の家はどこにあるの??ってくらい、人口密度がスカスカです。土間のある古い木造の家のそばには薪が積んであり、トイレなのか肥溜めなのか、小便がなみなみと溜まった木製の四角い器からはアンモニア臭がしていました。家の中に別途トイレはあったと思うんですけどね。今現在は、綺麗に家も建て替えたみたいですが、子供の頃目に映った景色は、ちょっとしたトラウマ級レベルのものでした。

都会暮らしの方が、「田舎暮らしって良いなぁ」なんて言いますよね。田舎というものを舐めている、何馬鹿な事言っているんだと。君は本当の田舎を知らないだろうと(笑)。

日本の人口は、どんどん減ってますけれども、そろそろ「今後、このエリアは人は住めませんよ。でも、こちらのエリアは人が住めますよ。」と言う風に規制したほうが良いと思うんですよね。電気・ガス・水道などのインフラも、居住区に集中して整備行えますし。あと、津波や洪水などが起きた場所は、人が住めないように規制をしたりとか。おじいちゃん、おばあちゃん達は、生まれ育ったこの場所を離れたくないと思う気持ちもあるでしょうから、徐々に長い時間をかけて。

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