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竹久夢二と和田誠と

アーティストの残した足跡を、30のトピックを軸に紹介する。そんな切り口の2つの展覧会が、奇しくも同じタイミングで開かれている。

竹久夢二展と和田誠展。

時代も作風も違うけれど、どちらも、絵画・イラストレーションのみならず、パッケージデザイン、アートディレクション、雑誌や楽譜やレコードジャケットの装丁、子供向けの挿絵や絵本、漫画、作詞……などなど、多岐にわたる作品を残した多才なアーティスト。しがないデザイナーの我が身ではその才能に憧れすぎて瞳孔開いてしまう。

2つの展覧会の展示作品のうちで、共通して素敵だと思ったのは装丁の書き文字のデザイン(タイポグラフィ)。竹久夢二ならば、セノオ楽譜の表紙や、若草などの雑誌のタイトルデザイン。和田誠ならば、本の装丁などで、通称「和田文字」と呼ばれる、自身の手によるならではの手書き文字。両方、味わい深く唯一無二、そしてとても可愛い。

あと、どちらも、愛する女性の存在は大きく、その人への思いが溢れる作品があるけれど、夢二さんはそこは一人に絞れてないですが。

竹久夢二展@竹久夢二美術館

30のキーワードでひもとく竹久夢二展
—これであなたも夢二通!—

竹久夢二

「ふるさと」「母」「早稲田」「社会主義」「絵葉書」「コマ絵」「詩人」「夢二画集」「恩地孝四郎」「『新少女』」「宵待草」「港屋絵草紙店」「恋」「夢二式美人」「京都」「旅」「愁人山行」「セノオ楽譜」「抒情画」「菊富士ホテル」「『山へよする』」「関東大震災」「少年山荘」「子供」「銀座千疋屋」「『若草』」「榛名山美術研究所」「外遊」「富士見高原療養所」「雑司ヶ谷霊園」

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和田誠展@東京オペラシティ アートギャラリー

知ってるようで 知らなかった
——好きなことを好きなだけ。和田誠をめぐる30のトピック。

和田誠

「和田誠になるまで」「ライトパブリシティの時代」「日活名画座」 「草月アートセンター」「私家版絵本」「谷川俊太郎との仕事」「絵本」 「子ども向け挿絵」 「ことばのこばこ」「マザーグースの世界」「アニメーション」 「似顔絵」「エッセイ」「映画監督」「装丁」「和田文字」「LPジャケット」「作曲」「ポスター」「話の特集」 「パロディ」 「漫画」「ロゴマーク」 「ロングランの仕事」「週刊文春」 「猫」 「家族との仕事」「ただいま制作中」「著書200冊」 「ビジュアル年表」

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2019年に83歳で亡くなられて後、初となる回顧展ということで、手がけられた膨大なお仕事に加え、幼少期のイラストや学生時代のスケッチなども展示されている。その作品・資料はおよそ2800点。

この膨大な作品を、30のトピックを軸にすると同時に、年度ごとに時系列で辿れるようにも工夫がなされている。作品そのものだけでなく、展覧会を開催する側の熱意にも圧倒され、和田誠さんとそのお仕事への愛と敬意がひしひしと感じられる。





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